プロローグ
俺の名前は望月亮助。
33歳、1つ年下の妻と1歳になったばかりの息子の3人暮らしだ。
仕事はCADを使った機械の設計をしている。
趣味はプラモデル制作とラノベを読む事。ラノベは特に異世界物が大好物だ。
まぁ、自分から見ても周りから見ても正真正銘のオタクだ。
月曜から金曜まで仕事して、家に帰ると夕飯を食べてから子供をお風呂に入れる。その後、就寝まで趣味の時間を楽しむのが日課だ。
休みの日は妻が仕事に出るのでもっぱら子守に明け暮れている。
一見家庭も仕事も充実している。いわゆるリア充って奴でもある。
だからこそ俺は心の何処かで何か違う刺激を求めていたのかもしれない。
今まで様々な異世界物ラノベを呼んでいたせいか、異世界に行ってみたいなーとか勇者になって活躍してみたいなーとか妄想を膨らますこともたまにあった。
だからあんな事が起こったのだろう。
そう思っていた。
いや、そう思いたかっただけかもしれない。
実際に空想でしかないと思っていた異世界の事に巻き込まれてみると、とにかく訳が分からない。
それが答えだ。
どうして俺なのか?
どうしてこうなったのか?
これからどうすればいいのか?
何もわからない。
そう、それは突然の出来事であった。