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遠い世界の献血者≪ブラッド・ドナー≫  作者: 紫苑
吸血鬼との邂逅
2/4

第1話 出会い

今回は、吸血鬼アリシアと彩斗の出会い編です。

楽しんでいただければ幸いです。

あれは1年前のことだ―「いってきまーす」俺は普段通り、高校へ向かった。

いつもの道。

同じ高校の生徒が友達と話しながら歩いていく最中、俺は一人の少女を見かけた。

年齢は17歳位だろう。

赤みがかった綺麗な髪。

すらりとした体型。

あまり見かけないオッドアイ。

その美しい外見に、俺は目を離せなかった。

すると、視線に気付いたのか、少女がこちらを見た。

直後、少女は妖艶な笑みを浮かべこちらにやって来た。

「ねぇ君、ちょっといいかな?」

そういって少女は俺の肩を咬んだ。

「うっ・・。」

俺は突然感じたチクっとした痛みに思わず声を出した。

その後、少女はゆっくりと口を離した。

「うん・・。やっぱり君だ!」と少女は興奮気味に言った。

なんのことだ?と首をかしげていると

「ねぇ君の血ってS型?」

と少女は聞いてきた。

なぜ自分の血液型を知っているのだろう・・。

そう思いながら

「ええ、そうですが・・。でもなぜ知ってるんですか?」と聞いた。

すると少女は「味でわかった!!すんごい美味しいだもん君の血!」と嬉しそうに言った。

「はぁ・・って飲んだの俺の血!?」

「うん!もっと飲ませてくれるとうれしいんだけど・・。」

そう言って少女は上目使いで俺を見た。

う・・めっちゃかわいいこの子・・っとその前に・・

「その前に君は誰?」

「私はアリシア・アルフォード。吸血鬼です!」

「吸血鬼!?」

吸血鬼って確か魔界の方にいる上位魔族だろ・・?

しかも魔族とは友好条約を結んではいるが人間の国には許可がないと入れないはずだ・・。

なんでこんな所に・・?

俺が呆気にとられていると、アリシアは「これからよろしくね?御巫彩斗くん!」と言った。

「な、なんで俺の名前を知ってるんだ?」

「ん?あぁお姉ちゃんが御巫彩斗っていうS型の人間がいるって教えてくれたのよ」

「へぇ・・。」

なぜアリシアのお姉さんが俺の名前を知ってるかはわからんが、今は聞かないでおこう・・。

「で、これからよろしくってのはどういうことだ?」

「あぁ君はまだ聞いてないのか・・。驚かないで聞いてほしいんだけど、先日、魔王さまが亡くなったんだよね・・。で、勇者の息子である君に魔王さまの娘さんがお話ししたいっていってるから、私と一緒に魔王城に来てもらうよ?」

そしてアリシアは若干目を逸らして、

「まあそれはついでで君の血が飲みたいだけなんだけどね・・。っと勘違いしないでね?私はちゃんと許可を取ってこの国に来てるからね?ほら!」と言った。俺はあまりに衝撃的な話をされて唖然としていた。

「魔王が死んだ・・?マジかよ・・。ってか俺が勇者の息子ってどういうことだ!?俺の父さんと母さんは至って普通の人だぞ!?」

と俺は半分叫びながら言った。

「え?知らなかったの?君の父上は伝説の勇者で君の母上はそのパーティの僧侶だよ?賢者なんて呼ばれてるわね。すんごい有名じゃない!」

「いやいやそもそも名前違うだろ!」

するとアリシアはなぜかドヤ顔で「あれは偽名よ?」と言った。「えぇぇぇぇ!?」―俺の両親はとんでもない人たちだったようだ。

「まあ色々腑に落ちんがとにかく魔王の娘さんに呼ばれてるんだろ?じゃあ行こうぜ」

「うん!!」  

こうして勇者の息子、御巫彩斗と吸血鬼、アリシアの旅は始まったのであった。

読んで下さり、ありがとうございました。次話へ続きます!

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