00;00.05「過去」
「あゆ、お誕生日おめでとう。今日はケーキを買ってくるからね。」
「うん。」
まさか、自分の生まれた日に命を落とすとは誰も知らなかった。
いつものように学校に登校し、普通に授業を受ける。
“神崎さん、宮本さんが呼んでるよ。”
「!、うん。ありがとう。」
“いいえ、でも本当に美女と野獣ね。お二人は。”
「ーーー。」
いつも道理の言葉。そんな言葉を聞き流し、彼女は自分を呼んだ方へと足を向ける。
「!、あゆちゃん。大丈夫?」
「うん、大丈夫。今日はどうしたの?」
「あ、そうやった。今日さ部活ないやん。せやから、一緒に帰らへんか?」
「え?いいけど……。」
「やったー。おおきに。」
彼女を呼んだのは友達の「宮本 宮子」
成績優秀・容姿端麗で、男子のマドンナ・女子では憧れの的、ファンクラブまであるらしい。
そんな子がなぜ、彼女と友達なのかというと……
「え?そんなの関係はあらへんやろ。うちはあゆちゃんともっと仲良くなりたいだけやし、それに唯一の親友やもん。」
というわけだ。ちなみに宮本は大阪出身、どんな時でも関西弁で起こる時が一番怖い。
そして放課後、校門にて彼女を待つ宮本。
タッタっと走ってくる音が聞こえる。彼女の足音だとわかり、笑顔で向かる。
「おつかれはん。」
「うん、おつかれ。」
お互い挨拶はそこそこに宮本は彼女をある場所へと案内する。連れて来られたのは、渋谷。
「わぁー、凄いね。」
「まぁね、いつものことやけど。」
「……そうなんだ。」
毎日のように通るらしく「え?こんなものじゃない?」という感じにいってくる。シュンと気持ちが落ち込む彼女に宮本は頭を撫でる。
「!、ちょっと!宮子!」
「あはは。ごめんごめん。やーほんま、あゆちゃんの髪は柔らかいな。」
「……そんなわけなーー」
照れながらも離れる彼女。 キキィーー
「「!」」
当たり前の出来事に目を疑った。彼女の目の前には車が、、、、
次の瞬間、 ドン!
「ーーやや!ーあゆちゃん!ーーーあゆ!」
(ああ、宮子。……………泣かないで……)
何があったのか理解できない。ただ、友人が泣く姿が切なくて痛くて、声を出そうとするが、何かが溢れてた。
大粒の涙を流す、友人。その涙が彼女の頬へ流れ、彼女も泣いた……。
ああ、泣かないで……………………そうだ、話。……物語のはなしをしよう?いつか宮子が言ってた。………あれ?なんて言うんだっけ?……あの話…………。
そして、彼女は 「転生」 した。
“あゆむ 歩 ”