00;02「さぁ、ここからだ!」
無事、高校受験にも合格し何事もなく、卒業式を迎え 俺は高校へと進学ができた。
彼が進学したのは有名な大学までのエスカレーター式高校である。
思い起こせば、ここまで苦労の連続だなと心から思った。何も出来なかった、それがやっと報われる。
そうだ、あいつ……大丈夫かな。
彼が言う「あいつ」とは 彼いや、彼女として生きたあの人生、その時唯一の友人いや、親友はどうしているのだろうかと今頃になって思い出す。
「桜をサクッと食べてしまおう!」
「……はっ?」
突然、後ろから変な声が聞こえた。変というよりも意味の分からないダジャレ……。そこへバシッと、叩く音が聞こえる。
「何言ってんだよと!裕也!」
「イタタタ。なんだよー、しごくなら四国でやってくれよ!」
「……ああ。じゃあ四国に行くか?今から。」
「冗談だよ。みや。」
「……(裕也とみや?)……」
彼は奇妙な話をしている彼らとは距離を取り離れていた。
入学式が終わり、各自教室へと戻っていく。
まさか、一緒のクラスとは思わなかった。しかも横で左側に二人いるとは思わなかった。
「ん”ーーと……。」
「んだよ、考えごとか?裕也。」
「ああ、さっきまでいいネタがあったんだが……」
「……それって、あー。」
「ハゲた校長の頭はハゲこーっていう。」
沈黙が漂う、ハッと彼は気づくが時すでに遅かった。
「す……スゲー!なんでお前、俺が言った事覚えてんの?」
「え、い、いや……そ、その。」
ついいつもの癖がでてしまった。転生する前から得意だった。記憶力・「目に見えたもの・耳にしたもの」を常にメモしたり脳に焼き付けたり、そんな技術を身につけてしまった.
そのお陰で助かっているが、まさか、こんな場面で発揮されるとは思わなかった。
「すげー!お前って、すげーな!」
「ア……アハハハ。そうかい?」
キラキラとした目で見つめてくる。なんとも言えない状況……
「良かったな。裕也、良い奴で。」
「!(あれ?今の何処がで。)」
“みや”という男が言った言葉に違和感を感じた。 だが……
「あ!ねぇねぇ、俺らと漫才やらねぇ?」
「……………ハァ!?(゜Д゜)ハァ?」
どうやら変なのに好かれてしまったようです…………。