第一話「姉からの手紙」
その日私は、階下のリビングへ向かう途中、母の言葉を途切れ途切れ聞いた。
「もう祐希は…………ね。ああ、このために祐実を…………良かった」
祐希とは私の姉の名で、祐実とは私の名である。私の知る限りでは、姉は高校一年から現在までアメリカにて留学生活を送っている様だ。様だ、というのは、姉妹と言えど私と姉は14歳離れており、つまり私が1歳の頃にアメリカに旅立った事になるので、あまりよく覚えていないが、姉の顔だけははっきりと覚えている。
この時はよく聞こえていなかった母の言葉。これから数日後、私は内容を完全に知る事になる。
あれから数日経ったある日の事。あの日以来父と母は度々姉の事で言い争いをするようになった。
そして、気持ち悪いほど私には優しく接した。
そして、もう1つ。
留学しているはずの姉から、私宛に手紙が届いた。内容は、か細い字で
『来週末に手術をする事になったよ、と、父に伝えてください』
とだけあった。
「手術……?」
考えていても分からないので、とりあえず父に報告してみた。
「あの……お父様」
「お、祐実か。どうした?」
笑顔を浮かべる父。
「お姉様の……事なんですけれど」
お姉様、と言った途端に表情は一転、不機嫌な顔へと変わった。
「祐希か。それが?」
「お手紙が届いておりまして、内容が、来週末に手術をすることになった、との事でございます」
「来週末……随分と急だな。まあいい、こちらから後で連絡して……!!」
父も気付いたようだ。私は、姉がアメリカで留学をしているものと思っている。
「ゆ、祐実……」
「お父様、どういう事ですか!?」
「……また今度、きちんと言う」
父はそう言うと、リビングを出て行ってしまった。
私はそれを、追い掛けた。
疲れたぁぁぁ!
あらすじが面倒くさくなってみたりw
1時間でこれはきついっす!