表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
十三課には関わるな  作者: 宙美姫
4/4

第4話

後日:警察署内どこかの課

新人「上司さん、私変なの見たんですよ。」

上司「いやよ、聞きたくないわ。死神のことはもう話さないで。」

新人「でも上司さん、昔一緒の課だったんでしょう。」

上司「そうだけど、仲間が大変な事になったんで思い出したくもないの。」

新人「そんな冷たいですね。」

上司「知らないわ。話さないで。関わらないで。」

新人「でも。」

上司「あんた、次から十三課の話しないでね。出禁よ。」

新人「えーひどーい。」

ちょうど署長のネコが迷子になった連絡が入る。

上司「え? 迷子猫? え? 署長のみーちゃん? そりゃ大変だわ。」

新人「でも、死神さんの件が非常に気になって……。」

上司「いいから署長ネコ探しに行くわよ!」

新人「え? ああ~ん!」




十三課

死神、ボロボロの古文書を取り出してブツブツ言っている。

死神「これは水道水、これは東北の水、外国の水もやってみるかな。」

死神、呪文を唱えながらせっせと聖水を作っていく。


エース、回収したコウモリ女の灰燼を特殊弾の弾頭に詰め込んでいく。

コウモリ女の灰燼「ぎゃー、やめろ! 狭い苦しい怖い!」

エース「いいわいいわ~。その怨念が敵を切り裂く武器となる。」

エース、前回のクモ女の灰燼が詰まった瓶を取り出す。

エース「ふっふっふー。残ってたクモ女も混ぜてみよう。」

灰燼のクモ女&コウモリ女「お前、ちょっと! やめろー!」

エース、鼻歌を歌いながら、特殊弾の弾頭に双方を混ぜていく。

灰燼のクモ女&コウモリ女「こっちくるな! うわ、混ざる! 

ふぎゅるっぱーっ!」


さぎり、丁寧に邪念封印剣の手入れをしている。

邪念封印剣「あ、そこそこ。あー気持ちいい。気持ちいいツボ、

お主わかっとるな。」

さぎり「そりゃそうよ。何年一緒に戦ってると思うの。」

邪念封印剣「感謝感激。次はどんな敵を切り刻んでやろうかのー。」


死神とエースとさぎり、準備を終えて次の作戦会議を行う。

いつまでの受け身ではいけない。事件を待っていてはいいわけではない。

今度は敵の転送ポイントから逆に『向こうの世界』に攻めていく事にする。

そうしないと敵が拠点を作り、ゲートが拡大し、魑魅魍魎や怪異が

この世界に侵蝕してしまう。

自ら魔法陣を構成して『向こうの世界=彼岸世界』につながる

『三途の川』へと転送していく。




三途の川

賽の河原の石積み的な物があちらこちら見える。

河原にはところどころ積み石に挿されたたくさんの風車が湿った

風に踊っている。

それらを崩さないように慎重に進む死神、さぎり、エース。

三途の川をはさんだ向こうの彼岸世界には、長い髪の口裂け女、

百目、百口、百手、巨大目、巨大口、巨大手などの魑魅魍魎や

怪異が蠢く。

死神「生きて帰るぞ!」

さぎり「ふふっ、そうだな。」

エース「確かにな。」

長い髪の口裂け女が何かを叫んだと思ったら、魑魅魍魎たちが

一斉に蠢き出す。

それに負けじと、死神たち十三課も走り出す。

双方、河原から猛然と走り出し、三途の川にて戦いを繰り広げる。

戦いの激しさで、三途の川の水があちこちで噴水のようにキラキラと

宙を舞う。


死神、呪文を解きながら聖水を迫り来る百目と巨大目にぶちまける。

まるで硫酸をあびたかのように悲鳴を上げて灰燼と化す魑魅魍魎。


二丁拳銃のエース、片方にクモ女の怨念と片方にコウモリ女の怨念を

込めた

銃弾を百口と巨大口にお見舞いする。

クモ女怨念銃弾「っきしょー!」

コウモリ女怨念銃弾「きー! くやしい!」

そう言って次々と敵を灰燼へと化していく。


百手と巨大手の前で邪念封印剣を抜刀するさぎり。

邪念封印剣「おらあ、来たあ! 大物じゃん!」

襲い掛かる数えきれない『手』の攻撃を、さぎりの邪念封印剣が

千切りして粉砕、

灰燼へと化していく。


一人残った長い髪の口裂け女、怒り狂って灰燼と化した

魑魅魍魎の怨念エネルギーを吸収して巨大化していく。

エース「おお! 出たわね、ラスボス的な幹部!」

エース、二丁拳銃の弾倉を入れ替える。

エース「クモ女とコウモリ女のスペシャルブレンド弾だ」

クモ女とコウモリ女の怨念弾「やめろー! 撃つなー! 狭いぞー!」

死神「みんな、一点集中で行くぞ!」

さぎり&邪念封印剣「了解!」

長い髪の口裂け女「るーろるろるろ~っ 恨み払さでおくべきか~。」

死神たち十三課の見事なコンビネーションで巨大化した長い髪の

口裂け女を灰燼へと化していく。

戦いを終え、静寂を取り戻した三途の川。

三途の川の中央で状況を確認する死神たち十三課。

川の向こうの彼岸世界の河原のその奥に、無数の蠢く魑魅魍魎が見える。

死神「作戦は終了だ。今日は帰るぞ。」

賽の河原の風車たちが、カラカラと音をたてて一斉に力一杯回っている。




後日・十三課

死神、エース、さぎりが打ち合わせしている。

死神「今後の作戦行動としてはゲートを形成される前に転送ポイントを

発見して封印をしていく事だな。」

新人、ドアをノックして入ってくる。

新人「失礼します。」

新人、いつものように死神しか眼中になく、エースとさぎりの近くを素通りしていく。

新人「いや~、署長ネコの大変でした。上司と一緒になってなんとか見つけました。

これ、回覧です。どうでした、そちらは?」

死神「いや、いつも通りだ。」

新人「死神さん、何を話してたんですか?(エースとさぎりを無視状態)」

死神「いや、独り言だよ。ここ一人部署で寂しいからな。」

新人「自分もこの課に転属願い出そうかしら。」

死神「ま、普通に今の課のがいいと思うよ。上司のやつ、おもしろいだろ。」

新人「ええ、上司さん真面目で。ちょっと退屈なんですけど~。」

新人、机の上にある写真に気づく。

新人「ああそれ、うちの死神さんとうちの上司が一緒の課の時の写真ですよね。」

死神「ああ、それ。昔の事件でな。大切な仲間が2名事故が亡くなってな。

まあ。今は、その時亡くなった2人の弔い合戦かな。」

新人、一礼して出て行く。

エース「大変ですね。」

さぎり「死神課長に気があるのかも。」

エース「意外とお似合いかも。」

死神、机の上の写真を見て、

死神「ま、目には目を、お化けにはお化けってね。お化け相手には普通の人には無理だ。」

エースとさぎりの姿が薄くなって行く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ