第1話
死神「自分は子供の頃から人には見えない物が見えていた。
それらは怪異、化け物、魑魅魍魎と呼ばれる異形な物。
いつしか自分はそれらの存在が当たり前に見えるようになっていた。」
薄暗い建物内
パトカーのサイレン、赤色灯。
閉鎖されてる規制線の先、十三課が警戒する。
エース「来ましたよ。」
死神「知ってる。俺にも見えてる。」
さぎり「生身の身体で大丈夫?」
死神「鍛えてるからな。」
薄暗い建物内規制線前
現場から離れた建物の入り口。
規制線を張って外から状況を眺めている。
現場が気になる新人、首を伸ばして現場を見たがる。
上司「やめて。十三課には関わらないで。」
新人「でも。」
上司「ここで待つのが我々の任務よ。」
新人「でも最近起きてる不可思議な事件、全部死神さんの十三課で
解決してるんでしょ?」
上司「いい、十三課に関わらないで。」
薄暗い建物内階段前後付近
真っ黒な室内。ピリピリした空気が張り詰める。
エース、あたりを目と身体全体でで探り、異形の物の存在を探る。
エース「います! そこです!」
その声に合わせてエースが指さす床をを見る一同。
クモ女がうっすらと床から湧き出てくる。
身体から伸びる8本の長い足を黒く長い髪で隠しながらケタケタと
不気味な笑い声をあげる。
その口元はーまるで口裂け女のようだ。
死神、呪文を唱えながら手に持つ聖水をクモ女に振りかける。
クモ女「いぎゃあーっ!」
聖水を浴びたクモ女、悲鳴をあげ動きが鈍くなる。
エース「今よ!」
さぎり「まかせろ!」
さぎりは邪念封印剣を抜刀して打って出る。
邪念封印剣「おはよう!」
さぎりは、手に持つ邪念封印剣に語りかける。
さぎり「起きた? お仕事の依頼だよ!」
邪念封印剣、自身の目の前のクモ女を見て、
邪念封印剣「お。いいねえ。上玉ですやん。」
さぎりが握る邪念封印剣が薄暗い建物の中、閃光のように早く切り裂く。
その刀筋が、きれいな光の筋となって輝く。
クモ女の8本の長い足が切り刻まれ、宙を舞い、やがて灰燼と化す。
クモ女本体が背後からさぎりに襲い掛かろうとする。
エース「危ない!」
エース、銃を構えて怨念銃弾を発砲する。
怨念銃弾、発砲の火薬の音と同時に呪いの声を上げてクモ女の本体に
向かって飛んでいく。
怨念銃弾「どやあああ~っ!」
怨念銃弾がクモ女の動きを鈍らせる。
さぎり、自身の背後から襲ってくるクモ女の本体に向けて、
邪念封印剣で振り切る。
邪念封印剣「どっしゃーっ!」
さぎりの握る邪念封印剣、クモ女の本体を打ち倒す。
灰燼と化すクモ女の本体。
邪念封印剣「んー、今回の敵も、まあまあかな。」
さぎり、無言で邪念封印剣を鞘に収める。
エース「お礼はいわなくていいわよ。」
さぎり「何抜かしとんねん。フォローなくても倒せたわよ。」
エース「さいですか。」
戦闘が終結する。
エース、灰燼とかしたクモ女の灰を綺麗に採取していく。
エース「おお。今回もいい素材が手に入った。」
付近に封印のお札を呪文を唱えながら貼っていく死神。
新人、規制線を超えて入ってくる。
新人、エリートとさぎりを無視するかのように素通りする。
死神「入ってくるなって言っただろう。」
新人「でも気になって。
(あたりを見て、あてつけのように)よく一人で解決しましたね。」
その発言にあきれるエースとさぎり。