本日の来訪者:与謝野・コスフィオレ・萌子さん
空満は、不思議な所です。霜月篇最後(第十一番歌)は霜月三十日(月)、師走篇(第十二番歌から)は師走一日(火)なのですが、その間に「第三部のしおり」と称した昼休みが五回来ているのです。
安達太良まゆみの力により、時が「引き」戻されたのかもしれません。第三部直前特別番組として、お楽しみくださいませ。
真淵先生、ほんま厳しいわー。貸出延長許してもらうまで、どれくらい時間かかったことか。天下の附属空満図書館といってもですよ、司書は優しい人ばかりなのよ? 期限ちょっと過ぎても「次、気をつけてくれたら大丈夫」と励ましてくれるのです。日文のOBOG率高しなので、話が早いし。真淵先生、鬼だわー。すごいとは思っていますよ、国語学教えていて、司書の仕事も任されていてね、異例だと伺っています。だけども、ですよ。一日オーバーしたぐらいで、怒ります? にこにこしながら。ちくちく嫌味攻撃されましたわい。
「失礼しマース☆」
なんじゃい!? ……すみません。与謝野さんだったのね。おつかれちゃんでーす♡
「助手サン、唐突デスが酢豚イカがっスか? 演劇部が大量ニ作ッたんデスよ」
タッパー四個分! しかもビックサイズ、なみなみ。いただきます、僕、酢豚大好き。
「ライスも賜ってマスかラ、酢豚定食ニしまショウ☆ ひゃっほー!」
いやっふー! フリーズドライだけど玉子ふかひれスープあるわよ。今、出すわー。
「最近、演劇部ノお友達ガでキタんスよ。隔週デ大鍋クッキング会開イテるみタイっス。非部員ノ萌子ニモ、分ケテくレルんデス。ランチ代浮いてウハウハっス」
大鍋か。一気にどかっと作った料理ほどおいしい物はないよね。この酢豚、パイナポー入りじゃない! どおりでお肉がやわらかなわけだわ。
「パインは名脇役っスよネ! 好キ嫌イ分カレるじゃナイっスか、助手サンいけル派なんスなー!」
そうめんにチェリー&みかんもいけるよ。他にどんな料理やっているのかな。
「前回ハ、パエリア、前々回ハ、ラタトゥイユっス」
各国取り揃えているのね。交代で部員が作っているって感じ?
「三回生ニ、調理師免許取りタイ人ガいテ、腕試シしてイルんスよ。大学ニ食堂二号店出スのガ夢だトカ」
それ叶えてほしい! 今の食堂がいやというわけじゃないけど、献立あんまり多くないからね。
「再来週ハ、シュクメルリ説が濃厚デス」
与謝野さん、次回もよろしくデス。あの、タッパーひとつ持って帰っていい?
「今日中ニ食べ切レバOKっスよ。センパイ確認済みデス。奥サンにっスか? むふふ」
あらやだ、お見通しだなんて。奥さん、中華分が不足しているって、暴れていたのよ。
「中華分っスかー、萌子、時々スパイス補給したクナりマスね。ほひょ、助手サン、電話デス!」
うーい。はい、こちら空満大学日本文学国語学科共同研究室、倭文野ですー。あれ、島崎くん。どもどもでーす。どうかした? うん、うん……まずいわね。ヘルプ入るわ。
「演劇部カラっスよネ?」
そうなの。酢豚の残りが、赤くなっていてね、近松先生が召し上がったみたいで、それがカイエンペッパー混ざっていて撃沈ですって。
「センセ顧問デスからネ……。犯人ハ、やっパ」
こんな激辛な毒仕込めるの、副顧問しかいないわよ。仲睦まじいのか、じゃないのか。
「愛ト憎しみハ、表裏一体デス」
深いこと言うね。僕、近松先生を医務室にお運びするから。島崎くんだけだと、骨折しそうだわ。彼、華奢でしょう。スープ、冷めないうちに飲んでね。僕の分は、レンジに置いてくれるかな。
「ハイ☆」
ロッカーから担架を慣れた手つきで出して、倭文野は現場へ向かった。酢豚丼に舌鼓を打っていた萌子のおでこに、吸盤がくっついた。矢文が飛んできたようだ。
【師走篇の鍵となる言葉その五:スーパーヒロイン】
ほへー、ラストキーワードは、スーパーヒロインっスか。萌子タチ「スーパーヒロインズ!」ト何ガ違ウんデスかネ。ふむフム、トップの呪いデあル「祓」と関係アリなんデスかー。コレ、萌子タチとモ無関係じゃナイっスよね?
新章っポク、「スーパーヒロインズ!」がスーパーヒロインを探す冒険ニ出ルっテ、どーデスか!? 世界ヲ終末カラ防ぐ「祓」ヲ行使デキるスーパーヒロインが、現世のドコかで仮ノ姿をシテいて、萌子タチが真ノ姿に戻すタメの合イ言葉ヲ行く先々デ集メテ、戦闘アリ、タマにギャグ要素アリ、サービスカットも抜カりナシ☆ ふひゃひゃ、激アツ展開デスな!
しかしbutしカシ、ソレでハ、スーパーヒロインにオイしいトコ、ごっソリもッテかれマス。世界平和ハ、戦隊ガ受ケ持ツものデス。脇役にダウンさレタくナイっス。にゃ……最悪なイメージしタんスけド、スーパーヒロインっテ、まゆみセンセだっタラ、どーシマしョウ。センセの一人勝チじゃナイっスか、永久ニ、センセのターンっスよ!! 特殊能力持チ、詠唱ノ呪い持チ、祓マデ!? 最強コマンダーっスよー!!
スーパーヒロイン捜索、やりタクなクナりマシた。萌子、終末来テモ受ケ入れマス……ぐすん。ヒロインじゃナイ萌子ハ、生キ永ラエてもミジメっス、うわーん! 酢豚パインが目ニしみマース!!
あとがき(めいたもの)
改めまして、八十島そらです。
前回の「霜月の七人」では教員達を某有名カードゲームにあてはめてみました。今回は、ヒロインズを某有名RPGの訓練場トレーナーにあてはめてみます。リーダーではありません。挑戦時に何度か当たる一般トレーナーです。
①ジョウダイジム・じょしだいせいのフミカ
「空を 飛べる からって 図に 乗らないでよね!」
使用属性:地面、切り札モンスター:全国図鑑番号618
地味にレベル上げをしてきているため、油断は禁物。
②チュウコジム・りかけいのイオン
「……………………」
使用属性:水、切り札モンスター:全国図鑑番号748
状態異常と能力値変化を駆使してくる、回復系の技や道具を持っていると安心。
③チュウセイジム・ミニスカート ハナビ
「ジムの 火気厳禁を 厳禁してやれっ!!」
使用属性:炎、切り札モンスター:全国図鑑番号257
たんぱんこむすめにしたかったです(本音)。力押ししてくるので、状態異常にして崩していこう。
④キンセイジム・おじょうさま ユウヒ
「お手柔らかに お願い しますぅ」
使用属性:鋼、切り札モンスター:全国図鑑番号797
持久戦になるとこちらが不利になる、抜群の属性技で速めに勝負をつけよう。
⑤キンゲンダイジム・モノマネむすめ モエコ
「ジムバッジの 前に モエコと アツい バトルっス☆」
使用属性:草、切り札モンスター:全国図鑑番号754
モンスターに持たせている道具に注意、一撃で倒せないようにしている。