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天才庭師 たか

作者: 雲母あお

評価ありがとうございます。

天才庭師たかの朝は早い。

日の出と共に走り出し、体力作りを欠かさない。そして、家に戻ると道具の手入れを熱心に始める。

これは、たかの毎日のルーティーンだ。庭師を目指して以来、一日も怠ったことはない。


現場に向かう途中、昔のことを思い出して楽しそうに笑うたか。

勝負服といえば『赤』と、全身真っ赤な作業着で現場に行ったら、追い返されたことがあったなあ。

いい思い出だ。あはは。

天才庭師たかは、すこぶるポジティブな性格なのである。


今日の現場は、なかなかやりがいのある広さの庭だ。

「いざっ!」

我流で編み出した、特別仕様の薙刀に模した枝切り鋏『たかの太刀』(ネーミングセンスを自画自賛している)で、今日も難敵に立ち向かう!!


シャキシャキシャキ…

さあ、フィニッシュだ!

シャキシャキシャキ シャキシャキシャキン!


チャキン!

とん!

刃をおさめ、『たかの太刀』の柄先でとんっと地面をつく。

背後で、パラパラと切った葉や枝が、地面に降り注ぐ。


「ふぅ。パンダ推し!」


あっという間に、メインの庭木がパンダの形にカットされた。

すごい技術だ、たか!やはりお前は天才庭師!

たかは自分を褒めまくる。


お客様が帰宅した。

「おかえりなさいお客様!特別サービスでございます!この分のお代は結構で…ぶっ。」

たかの顔面にタオルが投げつけられた。


「頼んでない!!やり直せー!!」

たかは、顔のタオルを取りつつ、

「これは、可愛いパンダでして…ぶっ。」

二枚目のタオルが投げつけられたのだった。


カンカンにお怒りのお客様に見張られながら、渋々仕立て直す。

「次やったら、オタクにはもう頼まん!!!」


なんとお客様!

「オタク」と「お宅」を掛けたのか!?

なかなかやるな!

そう俺は、どんな木も動物の形に仕立てることができる「動物オタク」の「天才庭師」なのだ!

きらんと目を光らせてお客様にウィンクする。


「き、気色悪い!とっとと終わらせて帰れー!」


今回も理解を得られなかった。

なぜだ?ポーズか!?

パンダは座ってたほうが好みだったとか?

いや、パンダよりハシビロコウの方が良かったのか??


家に戻ると、早速デッサン開始!

次こそはご納得いただけるよう全力を尽くす!!


待ってろ!お客様!

サービスモットー!

あなたの庭木を素敵に仕立てる。


「天才庭師 たか」






お読みいただきありがとうございました。

なろうラジオ大賞参加作品です。

よろしくお願いします。

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