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第1章「Crypto Spells」

―第1章第1部「Crypto Spells」―

紺碧の空にいくつもの雷火の走る夜。

その閃光を生む重厚な雲よりもはるか上、白い光と静寂に包まれた上空に、「リュシオン」と呼ばれる空中庭園があった。

色とりどりの花に漂う妖艶な蝶の煌めき、瑞々しい緑の側でさえずる美しい鳥の歌声。

空には薄い雲がところ所浮かんでおり、柔らかな日差しを地に届けていた。


遥か昔から「楽園」と称されるその地に、6つの存在が集まっていた。

白のジークフリート、赤のフレイラ、青のシーラ、緑のアルベリッヒ、色を持たぬフェンサー、そして黒のリッチ。


アルベリッヒ「最後に我々が会合したあの戦いから永い年月が経った」


かつて大地は、6つにわかれ争いを繰り返していた。

欲望、猜疑、怨恨、そしてそれぞれの正義がぶつかり合う終わりの無い戦い。

多大なる犠牲を生み、大地は紅く染まった。

しかし永き争いの時は、突如として暫しの終わりを迎える。


「トゥアル・タミナス」


戦火の最中突如として現れたその存在は、すべての精霊と魔物から魔力を奪い、世界を破滅へと導こうとしていた。

争い合っていた6つの文明は世界の危機を前に、「トゥアル・タミナス」を封印するため力を合わせた。


フレイア「我々は多大な犠牲を払い、それを封印した」


6文明は、底知れぬ負の力を持つ「トゥアル・タミナス」を封印するため、それぞれの文明から1人の人柱を立てた。

白のオク、赤のフェルトゴルト、青のサイラス、緑のリュラ、色を持たぬ図書館の魔女、そして黒のアミル。

かつて英雄と呼ばれし面々の犠牲を以て、「トゥアル・タミナス」を6分化し、それぞれの地に封印することに成功した。

世界の破滅の危機が去った後、6文明は休戦し、不可侵の協定を結んだ。

それから数百年、世界は平穏な時代を送っていた。

しかし…。


シーラ「何者かが『トゥアル・タミナス』の封印を解いている」


ある日、かつての英雄を人柱とし、その聖なる力によって保たれていた封印が解かれているのが見つかったのであった。


ジークフリート「『神』であった彼らは、今や闇に囚われ、我を失っている」


人柱となった英雄たちは、封印の地に眠りながら、「神」としてその地を護っていた。

しかし何者かによって、「神」の力が負の魔力に傾き、かつての英雄たちは世界の破滅を望む存在と成り果てていた。

さらに…。


フェンサー「世界は再び危機を迎えている。『霧の季節』を前にして」


2000年に1度訪れる「霧の季節」。

大地の全てを果てのない霧が覆い、世界は白く霞みゆく。

霧の霊力によって、魔力は弱まり、精霊と魔物たちはその季節の間力を失う。

加えて、昼と夜、善と悪、自己と他者、あらゆる境界線が薄れゆき、全てのものが曖昧になる。

「トゥアル・タミナス」の封印が解かれ始めている中で、霧の季節は着実に近づいていた。


ジークフリート「何としてでも、霧の季節までにあれをもう一度封印しなくては」


フレイラ「封印は今や『神』であるかつての英雄あってできたこと。彼らの力無くしていかにして達する」


6つの文明の総力に加え、文明の中でも一二を争う魔力を持った英雄たちの犠牲を持って、「トゥアル・タミナス」の封印は成功した。

かつての英雄の力と同じほどの魔力が、再封印には必要であった。


シーラ「闇に堕ちた彼らを『神』に戻し、その魔力を1つに集めれば良いのだ」


アルベリッヒ「しかし、魔力を持つものは、他の存在の魔力を宿すことはできぬ」


この世界に住むすべての存在は、それぞれ固有の魔力を宿しており、自己以外の魔力を宿すことはできない。

そして魔力を宿すことができるのは、生命を持つ存在だけであった。


リッチ「ならば『器』を用意すれば良い」


ジークフリート「しかし、魔力を持たぬ『器』になる存在など!」


この世界において、魔力を失うことは「死」そのものを示す。

かつての英雄たちの魔力を集める「器」となる存在は、自らの魔力を捨てなければならない。

「トゥアル・タミナス」を再び封印するためには、魔力を持たぬ「器」を用意し、そこにかつての英雄たちの魔力を集める必要があった。


リッチ「ジークフリート。他に手段があるとでも」


暫しの葛藤の後、ジークフリートが口を開くことはなかった。


フレイラ「・・・しかし、果たして自ら魔力を捨てる者が居るであろうか」


沈黙がリュシオンを包んだ。


霧の季節を前に、6文明は選択を迫られていた。

世界の破滅を再び救うべく、新たな犠牲を生むべきか。

そしてそれは誰なのか。


時を同じくして、重々しい沈黙が支配する「楽園」から遥か離れた白の大地で、ある精霊が予言する。


大天使フリッカ「世界を救うべく1人の人の子が現れるだろう」


歴史は再び動き出そうとしていた。

まだ見ぬ新たな境地を前にして。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] aiの文章はやっぱぎこちない、もう少し手を加えたら?
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