4話 変態、姉に付き合わされて採集オワタ・前編
忘れた頃に更新再開……メインが落ち着いたので少しずつ更新していきます……
更科 夏輝。固有スキル【変態】。主人公。昆虫と言えば、じょうじって鳴く。
更科 春菜。固有スキル【蒐集家】。夏輝の姉。昆虫と言えば、弟の昆虫採集標本採集。
おはよーございまーす。
どうも、変態勇者でお馴染み更科夏輝です。
さて、時刻は早朝、私は今、姉の部屋にやってきています。
何故、私が早朝から姉の部屋に来ているのかって?
私にも分かりません!
え?
なんで?
うっそ?
え?
なんで、俺、姉の部屋にいるの? 多分、姉の部屋。だって、姉さんが寝てるもん。
部屋の様子は分かんない。だって、なんか縛られてるし。
早朝だと分かる理由は、俺が起きたから。
俺は早起きだ。そして、五時には目が覚める。
何故かって?
襲われるからだ。姉妹に。なので、彼女達より早く起きる必要があるのだ。
なんだ、この悲しい理由は。
ただ、この状況の理由が分からない。俺は何故姉と一緒に寝ている。
縛られてるから、ノクっちゃった感じの事はなさそうなので一安心。
けど、ほわーい?
姉はまだ寝ているようで、布団にくるまっている。
だから、今の更科・スネーク・夏輝のミッションだ。そうだろ、ビッグボス! とりあえず、ダンボールをくれ! まあ、この体勢でのダンボールだとすっごく細長い特殊な奴だが。
まあ、冗談はさておき、俺は自分の固有スキル【変態・自】を使って、自分の腕や指を刃物に変態して、縄を切ろうとする。そう俺は不可能を可能にする男。
!!
なんだ? 妖気を感じる……! 目の前の黒髪の女が振り返る。
「うふふ……おはよう、夏輝」
姉ぇええええええええ!
青鬼より闇人より貞子よりこええあねええええええ!
「あ、あの、おはよう姉さん。あの、これは何事?」
「夏輝、朝が早いから、いつも捕まえられないじゃない? だから、夏輝の部屋で寝て夏輝に起こしてもらえば解決するじゃない?」
なんか違うじゃない?
え? 何言ってんのこの姉。頭おかしいのか、頭おかしいのだ。知ってる知ってた。
どうやらここは俺の部屋だったらしい。姉さんがいることで動揺して分からなかった。
ていうか、動けねえし。
だが、後悔するよりも反省することだ。後悔は、人をネガティブにすると言うだけ番長も言ってたからな。
今は、この状況を打開することだけを考えろ。
目的はなんだ?
一番恐ろしいのは俺が言うだけ番長と勘違いされ、性欲を持て余していると思われることだ。それでノクっちゃったらグレネードなんか目じゃない位の炎上だ。
変態勇者どころか、変態王者になっちゃうかもしれない。
冷静になれ。冷静さを取り戻せないとスタミナ足りなくなって最終直線で力尽きて歩き出しちゃうかもしれないから!
「あの、姉さん? 今日は何か用があるの?」
「そうよ」
姉さんが笑っている。めっちゃ美人だ。だからこそ、怖いよね。綺麗すぎるのよ。
「ねえ、夏輝、採集に、いこ?」
採 集
え? 待って? これより怖い言葉ある?
採集って怖くない? なんの採集?
ただでさえ、姉は蒐集家という固有スキル持ちで、俺のものコレクターなのに、これ以上何を採集すると?
そして、不安なのは以前、【念者】である妹さん、秋菜さんに伝えられたあの言葉だ。
『兄さん、姉さんに連れられて、色んな夏輝採集に連れて行かれるの』
こぇえええええええ!
やだやだやだやだやだやだ! むりむりむりむりむり!
なんか気付いたら夏輝の全パーツの細胞が少しずつなくなってそうで怖すぎる。
未来を変えなければならない……! 大丈夫! 俺は不可能を可能にする男!
だが、ここは、最終兵器しかない……!
「おねえちゃん、ぼく……まものの採集がいいな?」
「んぎゃわぃいいいいいいいいいいい! ……いくわ、地獄の果てまでも」
というわけで、己の自尊心を犠牲に見事甘えん坊なつきくんさんちゃい作戦で乗り切った更科夏輝は、庇護欲を溢れ出させ、俺におしゃぶりをくわえさせようとした姉を連れて、ダンジョンへとやってきました。よくやった、俺、ぐふ。
「ふふふ……夏輝とお出かけ、ダンジョンデート」
喜ぶ姉。まあ構わんが、自重して欲しい。
だが、その為の策はある。
今回やってきたダンジョンは【宝虫の巣】。
その名の通り、宝石のような外殻を持つ宝虫と言うのが無数にいるダンジョンなのだ。これがまた種類が豊富でアイテム取り放題!
ここで、姉の蒐集欲を満たし、ストレスを発散させる!
姉は俺が構わないとすぐ拗ねる。ストレスを溜める。そして、ダンジョンで暴れる。
なので、これはガス抜きなのだ。
「ふふふ……夏輝、見ててね。姉さんを」
なので、さらしななつきじゅうななちゃいは見ているだけでよいのだ。
ちなみに、宝虫の外殻が宝石扱いされる割に、【宝虫の巣】は敬遠されがちなダンジョンだ。
その理由は宝虫の強さだ。昆虫が人間サイズになったらヤバいって某格闘漫画でも言ってたし。しかも、こいつ等物理攻撃にも魔法攻撃にも強い。
だが、姉は怯まない。
「夏輝、おっきなキラキラ光る宝石とって指輪にしてあげるから。ちょっと石膏で手の型取らせてね」
ちょっと何言ってるか分からなかった。
けど、こわかったからうなづいた。
ぼくさんちゃい、よくわかんない。
おねえちゃんがまりょくをたかめはじめました。
しせんのさきにはいきなり翠玉蟷螂。
おい! グラップラー! ここにいるぞ! エアーじゃない奴が!
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