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二部第35話 変態、二世勇者にくそ煽られ、オワタ

『チャオ☆ イッセーのダンジョン攻略動画。今日挑むのは【風鬼の谷】。ま、軽く蹴散らしてくるから応援、ヨロシク』


 白と水色の爽やかなデザインの軽鎧に身を包んだ【二世勇者】こと、西黒壱星が、不人気ダンジョン【風鬼の谷】に挑んでいる。

 風鬼の谷は、クレイジークラウンが圧倒的力で攻略したことで有名なダンジョンだが、それはクレイジークラウンが、風鬼の能力を覚え変態し短時間ながら風の操作能力を得たことで可能にしていただけで相変わらず冒険者にとっては不人気だ。

 そんな中で西黒壱星は、魔力を目に分かるほど強力に発生させ風で自分を包み込む。


『ふう……よし。じゃあ、行ってくるよ』


 そうカメラ目線で告げると、更に強力な風を起こし、自分の身体を浮き上がらせ、宙で威嚇している風鬼に向かっていく。

 風鬼は驚きながらも迎撃しようと西黒壱星に襲い掛かるが、その飛行能力の為に進化したであろう薄く軽い身体では西黒壱星の剣の攻撃を受け止めることはできず次々に迎撃されていく。


 風鬼に突っ込み切り裂き、ふわりと静止。そして、また飛び込んでいく。

 そうしているうちにあっという間に風鬼は倒されていく。

 手も足も出ないといった感じで、配信に対するコメントでも絶賛の嵐だ。


〈つえー!〉

〈やっぱりすごいです! イッセーくん〉

〈クレイジークラウンが雑魚に見える〉

〈風鬼って弱いんじゃね?〉

〈いや、弱いかもだけど、結局あれを空中で倒せるんがすごいんよ〉

〈クレイジークラウンが雑魚に見える〉


 大群の風鬼が全て死体となって地に堕ちる。その死体の上にとんと降り立った西黒壱星は、ふわりと振り返り、


『どうだったかな? 満足してくれた? キミが楽しんでくれているなら嬉しいな。イッセーでした。攻略後の配信はまた時間決まったら連絡するね。じゃ、チャオ☆』


 そして、配信終了画面にうつり、そこではセカンドシングルとグッズの告知が。


「ふむ」



 おっす俺更科夏輝!(野沢雅〇風)

 【二世勇者】こと西黒壱星ってすげーつえーヤツがいるって聞いたからよ、俺わくわくしてレエブ(ライブ)配信いっちょ見てみっかってなったんだぞ!(野沢雅〇風)

見てみたら、いや、すげーな! イケメンスメエル(スマイル)すっげー見せられたんだぞ!(野沢雅〇風)

 てえ(低)評価もけっこーあっけど、やっぱ高評価がすっげーあっぞ! やるなあ! いよーし、俺もいっちょやってみっか!(アイデンティテ〇田島風)


 というわけで、【二世勇者】西黒壱星の配信を見ていた俺だが、震えている。

 何故なら、


「コロスコロスコロス……」

「あれね、夏輝たちに嫌がらせをしてるゴミカスは……」


 超サイ〇人みてーになったしめー(姉妹)に挟まれてんだ!

 出でよ〇ェンロン! 俺の願いをかなえてくれ! ここから逃がしてー!


 うん、がっつりホールドされてるよ。うわわわわ、ご、ごくーーーーーー!


 さて、なんでこんなに二人がキレてっかというとだな。

 それは、せえきん(最近)の西黒壱星の行動が原因なんだぞ。




『よーお、変態君。お前もこのダンジョンに? 奇遇だね』


 二世勇者とめえにち(毎日)のようにダンジョンで鉢合わせしちまってよ、せーしょ(最初)は、偶然かなあとか思ってたんだけどよ、流石にめえにち(毎日)続いてっからおっかしーなあと思ってたんだ。しかも、


『おいおい、こんな雑魚モンスターに手間取っているのか?』


 とか、言って頼んでもねーのに、横から助太刀してくんだぞ。

 そのくせ、


『おい、変態勇者候補。勇者候補同士のチームで勝負しないか? その方が緊張感が出ていいだろ?』


 とか言ってくんだぜ。うぜーよ、マジで。

 しかもよ、こっちが断ったらよ。自分のへえしん(配信)でよ、


『変態勇者候補逃げたんだけど。マジウケる。だっせー』


 とか言ってくんだよ。マジうぜーぞ。しかも、なまじ登録者数がいっからよ。

 二世勇者ファン共がすっげー煽ってくんだぞ。

 俺は別によかったんだけどよ。それに俺の周りがキレてせえきん(最近)ほんとやべーんだぞ。


 んで、今日はオフだし機嫌取ろうと思ってたら、二人が二世勇者の動画を見始めちまったんだよ。いや、嫌いなら見なきゃいいのによ。

 そんで怒ってんだぜ。まあ、気持ちわかっけどよ。肌によくねっぞ!


 とかなんとか言いながら見ちまうよな、ダンジョン攻略終了後の感想へえしん(配信)って。


『変態勇者候補ってマジでヘタレだわ。一回も勝負にのってこねえの雑魚すぎ』


 こいつ、ブレエキングダウンの刺客かなんかじゃなえのか、すっげー煽ってくんだぞ! 


『おい、クソ雑魚変態。お前近くに住んでるんだろ? 凸って来いよ』


 おいおい、んなこといっちまったらよ、ねーちゃん達が、


「「いっちょ殺ってみっか」」


 とか言い出してんぞ!

 ……いやいやいや! もう野沢雅〇ってる場合じゃねえわ! マジでアイツなんなの!? なんでそんな俺を目の敵にしてんの!?

 今は亡き円城(多分生きてる)みたいに魔法かなんかかと思ったけど見る限り普通だし……うーん。


 ま! いっちょいってみっか。

 いい加減俺も腹立ってきたわ。


お読みくださりありがとうございます。

また、評価やブックマーク登録してくれた方ありがとうございます。

少しでも面白い、続きが気になると思って頂けたなら有難いです……。


新連載やってます!

『連載版・英雄たちのアシナガおじさんが冴えない私なので言い出せない』

https://ncode.syosetu.com/n5092ic/


また、作者お気に入り登録も是非!

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