表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

2021年1月18日 縦穴

2021年1月18日の夢、書き終わり 午後十時半。


 読む前に

主人公は多分青年です。時代や、世界観は決まっていません。SF、ファンタジー、現代と、いろんな視点から読んでみてください。


 一言:この作品が続くかは私の夢次第……まずい、緊張で眠れない!


後書きに裏話(?)がありますので、気になる方は読んでみてください。




 俺は今、長い螺旋階段を下っている。いや、下らされている、と言った方が正しいのかもな。


 俺がいる場所は、今じゃ使われていない地下施設、もはや遺跡と呼んでもいいかもしれないな。とにかくそこへ続く道だ。この施設は地下資源採掘のために造られたと推測されているが、実は怪しげな実験をしていたんじゃないかっていう都市伝説もある。

 そんなところに何をしにきてるかっていうと、その施設に行って何かしらを持って帰るためだ。採掘された物や怪しい実験の証拠、ここができた当時の情報など、なんでもいい。で、さらにそれらを持ち帰る理由は……。

 ………………。

 ……まあ、なんでもいいだろう。


 「それにしても……深いな。どこまで続いてんだ?」


 俺は下をのぞき込み、手に持っていた明かりで照らす。


 直径20メートルほどの円柱状の縦穴で、その壁にそって階段が暗闇へと続いている。簡素な照明はところどころ設置されてはいるが、全体的には暗く先が見えない。

 すでに潜ってから、かなりの時間がたっている。地下なので正確な時間はわからないが、大体一時間ぐらいは階段を下り続けている。


 「……いったん引き返すか」


 さすがの俺も、延々と同じ光景を見させられたら辛いものがある。

 巨大な地下空間をグルグル回りながら下っていく。目に映るのは手に持つ明かり、弱々しい光を発する照明、それらに照らされる暗闇。耳に響くのは背負った荷物のカチャカチャという音と階段を打つ自身の足音。肌に触れるのはひんやりとした空気。こんな環境にいたら誰だって参ってしまうだろう。


 「それに、こいつらの力も弱まってきてる」


 俺は、ずっと肌身離さず身に着けていた物を眺める。一つは、木の棒と軽く弧を描いた金属の棒が十字に交わったもの。もう一つは、さっきのと似ているが、金属が円盤状のもの。これらは、ある男がくれたもので……まあ、お守りみたいなものだ。俺はこいつらに何度も助けられた。少しとはいえ、その力が弱まっているというのは不安でしかない。


 「よしっ、戻ろう」


 俺は引き返すことにした。


 だが、すぐに異変に気付くことになった。




 階段を上り始めて数分後、俺の足が止まった。足が疲れて動かなくなったわけではない。ましてや、上に行くのが面倒くさくなったわけでもない。手に持った明かりに照らされ、ぼんやりと浮かび上がってきたそれの衝撃に、立ちすくんでしまったのだ。


 「なっ……!どういう……ことだよ!」


 なんと、上に続いていたはずの空間が塞がっていたのだ。数分前に俺が下ってきたはずの螺旋階段が途切れ、岩盤の天井がそこにはあった。まるで最初から縦穴はここまでしか掘られてなかったかのようだった。

 一瞬、道を間違えたのかと思った。だが、下ってくる間も登ってくる間も、この縦穴以外に迷うような通路を通っていない。そもそもそんな通路すらなかったはずだ。

 俺は止まっていた足を動かし、急いで階段の途切れている場所まで駆け上がった。


 「本当に、途切れてる……」


 わかりきっていたことだが、近づいても階段の続きは見当たらなかった。間違いなく、途切れている。


 「くそ、どうすんだよ……」


 なんて問いかけるが、俺以外誰もいないんだから返事が返ってくるはずもなく――


 「********」


 「うわっ!」


 突如声が聞こえた。俺は慌てて声がした方に顔を向ける。


 「ひっ……!」


 声の主は向かい側、螺旋階段なのですこし下のところにいた。その姿を言い表すには「不気味」という言葉が似合うだろう。

 まず、異様なまでに白い。髪も白ければ、肌も白い、よくよく見れば目まで白目だった。そして何より、その恰好だ。地下でかなり寒いというのに、汚れた白い貫頭衣一枚、さらに付け加えると裸足だ。動かなければ不気味な古い石像に見えることだろう。


 「な、何もんだ……。どうして、こんなところにいる……!」


 そう問いかけると、奴はふいっと、後ろを向いた。そこには扉があった。おそらく、ここから出てきただけだ、と言いたいのだろう。

 あんなところに扉なんてあったか?と思ったが、駆け上がった際に見落としていたのかもしれない。だが、下ってくるときには絶対になかった。


 塞がった空間、現われた扉。そして、そこから出てきた謎の存在。理解が追い付かない俺は黙ってしまった。すると奴がなにかしゃべりだした。


 「**************」


 その声は何とも不可解なものだった。男性の声でありつつも女性の声でもあり、その不気味な音に安心し、きれいな響きに恐怖を掻き立てられる。そのちぐはぐな声に精神が不安定になる。そして何を言ってるのかわからない。ただ、さっきの扉のやり取りから、こっちの言葉は分かるみたいだということはわかった。


 「俺は……どうなるんだ?今からお前に殺されるのか?」


 ははっ……と、乾いた笑いが漏れる。


 「**************」


 だめだ、やっぱり何言ってるか分からない。

 さっきから体が震える。縦穴を下っているときでさえ平気だったというのに。冷や汗が止まらない。心臓の鼓動が早くなるのを感じる。

 ヤバイ。こいつはヤバイ。暗闇に浮かび上がるあの白い顔。不安定になるあの声、言葉。正直、気が狂いそうだ。いや、すでに狂っているのかもしれない。なんなら、今すぐこの階段から飛び降りたい。だが、どこまで続くかわからない中落下するのと、目の前の奴に襲われるのとでは、どっちの方がいいんだろうか。


 「***********」

 「***************」

 「*******************」


 奴はずっと何か言っている。だが俺は何も答えられない。奴の機嫌を損ねないためにも、答えるべきなんだろう。だが、奴の言っている言葉の意味が分からない以上、下手な返答はむしろ逆効果な可能性がある。その結果、黙っていることしかできないのだ。

 さて、奴がキレてこっちへ向かって上ってきたら、俺はどうするのかね。動けないか、飛び降りるか、自害するか。なんにせよ、奴がこっちに来たら終わりってことだ。


 俺は奴をじっと見つめる。奴の一挙手一投足を見逃さないために。奴も俺を見つめている。あの白い目にはきっと、無様に震えてる俺の姿が映っていることだろう。

 どれくらい時間が経ったか、ただでさえ頼りない時間感覚だ。三秒程度か、はたまた数日たってるのかもわからない。そんな中、奴が動きを見せた。

 俺の体がビクッと震える。ついに来るのか、殺されるのか。そう思った。

 だが奴は後ろの扉を開け、その中に入っていった。また戻ってくるのではないかと、しばらく俺は動けないでいた。しかし、奴が戻ってくることはなかった。




 俺はどうするべきか悩んだ。このままここにいるか、階段を下っていくか、それとも、あの扉の向こうへ行くか。階段を上る、という選択肢がないのが絶望的だな。

 このままここにいるのが最も楽かもしれないが、何も解決しない選択肢だ。いつまた奴がやってくるかわからないし、次は助からないかもしれない。

 地下施設に行けば、地上へ続く別の出入り口があるはずだ。だが、今となっては地下施設の存在すら怪しい。延々と下りた後、結局見つからず、引き返したところで今回と同じ状況になることだろう。

 となると、あの扉の向こうに行くという選択肢が残るが、一番選びたくないのがこれだ。奴が入っていった扉なんて行きたくないに決まっているだろう。


 「あぁっ!くそぅ……!」


 しばらく悩んだ結果、俺はいてもたってもいられず、扉へ向かった。

 俺は震えながら扉の前に立つ。何の変哲もない普通の扉だ。ガラスがはまっているが、曇りガラスなので中の様子はうかがえなかった。だが、向こうに何かいる気配も感じられなかった。


 「ひとまず、開けてみるか……」


 俺は震える手をドアノブへと伸ばす。ひんやりとした感触が伝わってきた。

 呼吸と鼓動が早くなるのを感じる。


 「もし、出てきやがったら、階段から突き落としてやるからな……!」


 そう言って、俺は勢いよく扉を開けた。

 そこは広く長い廊下だった。何かが襲ってくる様子もなく、俺はほっと一息ついた。そして気が付いた。


 「風……?」


 微かにだが、空気が頬をなでた。


 「風が吹いてるということは、どこか地上に通じているってことじゃないか?」


 微かな希望が見えた。だがそれは、俺を苦しめることになる。


 「やっぱ、ここ……通んなきゃダメなのか……」


 つまり奴との遭遇率が上がるということだ。なんなら、奴以外にも仲間がいるかもしれない。


 「うう……どうする、俺」


 俺は頭を抱えしゃがみこんだ。その瞬間、キーンと金属のぶつかる音がした。例のお守りだ。俺はそれを手に取る。

 明かりに照らされたお守りは、淡く紫色に輝いていた。


 「そうだ、俺にはこいつらがある。こいつらがあるうちに……力が消える前に、出口を見つけないと……」


 俺は立ち上がり、お守りを握りしめながら扉の奥へと歩みを進めた。


 裏話

この夢は前日プレイしたゲームと、書く前に見ていたホラーゲーム実況の影響ですね。

縦穴は自分で掘ったのですが、夢では迷い込んだみたいです。お守りはゲーム内で友人がプレゼントしてくれたつよつよピッケルとつよつよシャベルです。ゲームプレイ時、もうすぐ壊れそうだったので力が弱まっている設定に……。

「奴」はほんとはお助けA.I.みたいな存在だったんですが……。いつの間にかあんな恐ろしい姿に。まあ最初の発言が悪者みたいだったからねシカタナイネ。ちなみに彼(彼女)は


「どうもできないよ」

「ここに来て帰れるとおもってるの?」

「さあ?今後のあなた次第でしょう」

「ここをさまよってみたら?」

「もしかしたら出口が見つかるかも」

「でも、気をつけて。ここにはいろいろいるから」


と言っています。一応最後にアドバイスをしてくれてます、ツンデレですね。

それにしても、いろいろいるって……いったい何がいたんでしょう。扉を抜けた直後に目が覚めてしまったので私にもわかりません。((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル


ここまで読んでくれてありがとうございます!

・面白い!

・他の話が気になる!

・こいつの夢どうなってんねん!

と思ったら、評価やブックマーク、感想などををお願いします。きっと、作者の眠りの質が向上します( ˘ω˘)スヤァ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ