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前世チートの私は  作者: 三ツ巴マト
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最新!フラワーヘアー

いろんなことをしてきた。その中でも、大きかったのが、七歳の時。私は書籍を刊行する。題名は「頭の健康」。この世界の先行研究及びデータと私の追加実験により得た考察を元に書いた本だ。




きっかけはとある貴婦人が頭に小麦粉を振りかけている話を耳にしたことだ。失礼、言い方が悪かった。髪の毛を白く見せるために整髪料として小麦粉を使っているご婦人の話だ。嘘だろ、と思われるだろうが、太陽系の地球の歴史にも一時期見られた話である。簡潔に言おう、マリー=アントワネットの肖像画の髪が白いのはこのためである。


恐ろしいことに、小麦粉をふっかけていたご婦人はその悲劇の王妃のように髪を頭の上に高く結い上げていて、さらにその髪型を流行らせようとしていた。いかん、それではいつか頭の上に軍艦が乗る日も近くない。国内で小麦不足が起きかねん。止めなければ。小麦粉被っているご婦人の名前がマリーさんだから尚更だ。



当然のごとく、その髪型は不衛生不健康だ。ガチガチに固まった髪型は1ヶ月はそのままである。フケはたまるし、蒸れる。寝にくいから睡眠不足になったり、あまりの重さで首や肩がこったりする。大変よろしくない。流行になって、私もさせられたら、とんでもない。



母に頼み込み、小麦粉のご婦人に会いに行くことにした。会って、話をしてみると、やはりフケなどで困っていたそうだ。そんな時に、天才少女がやって来たから、是非とも相談に乗って欲しいとのことだった。


私は、髪型の改善を、彼女を傷つけないように諭していった。彼女も納得してくれたようで、馬鹿なことをしていたと言ってくれた。話がのってしまい、母も交えて、ついでに頭の健康に関して三時間ほど議論してしまった。

その中で、マリーさんが、あなたの話はとても役に立つから、本にまとめて欲しい、という感じのことをいった。この世界、活版印刷が広まってきているので、本ブームが到来している。




家に帰って、実験をしつつ、本に載せる内容をまとめた。ところどころは父に助けてもらい、原稿を完成させた。


そうして出来た本は大ヒットした。今も続くロングセラー。みんな、頭のお悩みは多かったようで、需要があったらしい。


この頃、前世では当たり前のことも、まだされていないことが多く、書籍には引用元を明記するのもその一つだった。これにより、より研究論文にスポットライトが当たるようになった。また、簡単な実験は、個人でも試せるようにアレンジして載せた。この二つをすることで、根拠を分かりやすくはっきりと書くことで信用性を上げた。実際、いちゃもんつけてきたやつもそれでけちょんけちょんにしてやった。




後、この世界に特許のようなものが既にあったので、一部、実験器具を新しく制作したものはしっかり登録しておいた。これ大事。私の発明なのに、他人のものにされたらたまらない。


その代わり、情報はできるだけ公開した。私の研究を見て、誰かが発展させてくれるはずだから。これも当然のことであるが、情報の秘匿がされているのがこの世界。これも技術の進化が遅い原因であろう。



そして、この後、私は本を次々と出すようになったのであった。


小麦粉って英語でフラワーでしたよね?

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