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前世チートの私は  作者: 三ツ巴マト
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生まれてからしたこと

ここから回想始まります

私はいわゆる異世界転生をしたようである。


ある時、気がついたら中世ヨーロッパ風の異世界で貴族の家の赤ん坊になっていたのだ。さらにこれが乙女ゲームの悪役令嬢だったらよりベタなところだけど、生憎そうではないようだ。というか、私は前世で乙女ゲームをプレイしたことがなくて、友人がやっていたゲームを一つ知っているだけだ。ここがゲーム世界だったとしても簡単には気づかないだろう。


さて、困った。前世の死因がわからぬ。


うん、考えないことにしよう。死ぬ時のことを思い出してもいい気にはならんだろう。


色々考えて、とりあえず、前世のことは一度忘れることにした。そして、せっかく得た新しい人生だ。何かしたい。



そうだ、前世チートをしよう。



どうせ、どんなに頑張って幼児のふりをしても、やがてはボロが出る。見た目は子供、頭脳は大人。私は隠し通す自信はございません。ここは潔く前世チートを使おうではないか。




さて、弱った。この世界、日本語が通じない。


という訳で、転生してしばらくは言語の取得に励んだ。ある程度覚えるまでは赤子の特権、泣く、で自らの意思を伝えられるからいいが、早めに言語を理解しないと、理想の前世チートが出来ない。というか、中身はすっかり成長しているので、泣くのはちょっと恥ずかしかった。赤子をやるのも大変なのだ。それでも屋敷では、大人しい子だと思われていたそうだ。


ここで、異世界ではなくて、地球じゃないのかという疑問をお持ちの方もいらっしゃるだろう。間違いない、ここは異世界だ。


世話係の侍女が絵本を読んでくれたのだか、その文字に覚えがない。言葉を覚えつつ、文字も覚えていく。ただし、言葉あってこその文字なので、会得するのには時間がかかった。

その代わり、数字を覚えた。アラビア数字と同じ要領で使えるので、すぐに使えた。むしろ分かりやすいので、ここが異世界であるという判断基準になった。




文字よりも、言葉よりも、先に数字と簡単な数式をマスターした私は、前世チートをフル活用したかった。そのために早いうちから教育環境を整えてもらえるように神童アピールをしたかった私は、言葉を発するよりも早くに、お絵かき用の紙に一桁の数字や足し算を書いた。



いや、驚いた。


想像以上の大騒動になった。実は、舌がもつれて上手くしゃべれなかった、という背景もあったのだが、言葉よりも先に算数を理解したと捉えられ、思っていた以上に神童扱いされた。ある意味事実だろう。この世界の言語は複雑過ぎて、覚えられんのだよ。


まぁ、神童アピールするという目的は大いに果たせたのでよしとする。




さて、いくら前世チートがあるとはいえ、その知識にもやがては限界が訪れることは目に見えている。そのために教育してもらうのだが、世の家庭教師達は天才少女に教えるのを躊躇った。当然だろう、二歳の幼女に勉強を教えるのは抵抗があるだろう。


仕方ない、代価案だ。私は家の本を読みまくった。読んで自分で学ぶ。週に一度、偉い先生が来て、私の到達度を確認し、それに合わせて次の課題を出してくれた。礼儀作法と、音楽の家庭教師は別でつけてもらった。


読む本に関しては、さすが貴族のお屋敷である、蔵書はそれなりにあった。神童認定されたので、難しい本をちびっこが読むのも許してくれた。新しい体はスポンジのように知識を吸い込んでくれたのでありがたい。この世界、スマホなぞないので、いい暇潰しになった。


さてさて、時間に余裕があったので、課題用以外の本も読みまくっていると、あっという間に家の本を読みきってしまった。なので次の本を要求した。資料用にすべての本を残していたので、気がつけば、本が貯まってしまい、いつの日か私用の書庫という名の蔵がたった。それを作れる我が家の庭と懐に感謝したい。


本の管理は大変なので、親に頼み、司書職の使用人も雇ってもらった。雇った彼女は専門書もいける重度の本の虫であった。本が好き過ぎて、変人の域に達するような人間であった。両親はそんな彼女を雇っていいのかと私を心配したが、その必要はない。それくらいの愛で接してもらえれば本達も幸せであろう。それに、私の司書は変わっているくらいが丁度良い。


せっかくなので、彼女に書庫の総合索引の本を作ってもらう。どこにどの本があり、どの本にどんなことが書いてあるのかをまとめてもらうのだ。前世と違って、wi⚫i先生もGoo⚫le先生もいないからだ。調べたいときに、すぐにそれがわかるとは限らないのでその対策だ。出来た索引は想像以上出来であった。こりゃ前世の先生方も脱帽だろう。


お礼に、書庫内に簡単な小部屋を作り、寝泊まりができるようにし、蔵書は好きなだけ読んで良いと言うと、泣いて感激された。



お陰様で博識だ。歩く百科事典を名乗れるくらいにはなった。まぁ、他の功績のお陰でそうはなっていない。そして蔵書はいまだに増えている。日々、勉学に励んでいる証拠だ。


前世では勉強が嫌で嫌で仕方がなかった。やらなければとわかっていてもできなかった。しかし、ここに生まれ変わり、前世での日々の勉強量は幼女にとっては多いものだった。少しずつ勉強時間を増やしていき、習慣化することに成功し、今では前世とは違い、気楽に勉強できる。転生は良い切り替えスイッチになった。

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