空母赤城
街に着いたら、飛行甲板のような盾をもった女性がいた。きっと赤城さんだろう。
あ、さん付けなのは先輩だから。そりゃそうだよね、最新駆逐艦――しかも、現れた時にはその設計コンセプトがお古、みたいな駆逐艦だからね僕。
「久しぶりね」
「そーですね」
……なんだろう。すごく一人ぼっちな気がしてきた。理由はわかっている。
僕だけ、男だ。うん。いやまあね、船って女性名詞だからさ当然かもしれないけどさ。
これはひどくないですかね?
「これで、駆逐艦は10隻。まだまだ足りないな」
「足りない?」
「ああ」
聞いたところによると、現状は戦艦二隻、空母四隻、駆逐が十隻らしい。
で、他に零戦とかその他戦闘機もいるらしいけど――魔法には対抗できないらしい。
そりゃそうだろうと思う。
特に戦艦なんて、火力はあれど人間となってしまえば装甲は固くはないし、命中精度も悪い。
さらに回避性能も低い、となれば――当然だ。悲しいけど。
「むむむ……一応僕は、この子のおかげで能力は強化されたんですけど」
「ええと、島風さんと契約した――まあつまり、島風さんの命令下にある――未来の兵器です」
「は?」
赤城さんが唖然としている。そりゃそうだろうな。
いきなりそんなこと言われたって、どうしようもないだろう。
「ま、まあいったん家に入りましょう」
そんなこんなで僕たち四人は家に(というより家に近いなにか)に入った。