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Code:Reliver  作者: へーがたくちくかん
第一章 「孤独」
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私の「セカイ」

エクバ2、ティエレン強くないですかね?

乗ってる人ほぼいないんですけど。

やっぱりN特射に誘導があるとたまに引っかかるし、何より前格が盾になったのもうれしいポイント。

果たしてティエレンだけで何色に輝けるのか……

私の、セカイ。

「魔王」と呼ばれた私のこのセカイは。

あるものを象徴している。


それは、「孤独」。

私はかつて「神」だった。いつしかその人格はバラバラになり、分かれ、各々の世界に移った。

でも、私たち全員に共通するものがあった。


それが、孤独。


圧倒的強者である神の隣に立つものは一人として存在せず、また、隣に立とうと思う者もいなかった。

故に私は、私たちは孤独な存在。


悲しかった。

寂しかった。

そして単純に、羨ましかった。


力などなく、仲間で集まりようやく生きることができる弱者が。

力がいくらあっても仲間などいなかった私からすれば、十分に「幸せ」なのだと思った。


でも彼らは他人が持っていないものを持ち得ながら、さらなる幸せを望んだ。


それが私は許せなかった。

私だって、他人が持っていないものを持っているかもしれない。

でも。

でも、それ以上は求めはしなかった。

望みもしなかった。

なのに。

なのに、どうして「お前ら」は――!


そして私は一人、「私たち」のもとを去り、新たな世界を作り上げ、その中に入った。

「魔王」として、彼らの幸せを打ち砕くために。

しかし、彼らは強かった。

誰よりも弱い彼らは、誰よりも強い絆を結んだ。

圧倒的強者に立ち向かうために。


ちょっとした他人との縁すらない私にしてみれば、殺意すらわいてきた。

最終的に私は、負けそうになったのだ。


そのまま、死んでしまえばよかったのかもしれない。

そうしたほうが、確実に良かったのかもしれない。

そうすればきっと、このどす黒い感情は生まれずにすんだのだから。


だけど。

だけど私は。

彼ら――「私に作られたもの」が見ている世界を見たかった。

一緒に、戦ったり、遊んだりしてみたかった。


そう、思ってしまった。

そして、最後の力を振り絞って、新たな世界を、私のセカイの中に作り上げてしまった。


そして私はその世界の中で《ラファエル》という少女として生きることを決意した。

彼女は私に作られた存在だということを知らない。

それでも彼女は仲間――といっても、元々敵対していた人類の「勇者」の生まれ変わりの「島風」を得た。


私はその時初めて知ったのだ。

仲間というものが。

絆というものが。

例え仮初めだとしても、ここまで安心させるのだと。


だから私は、嫉妬した。


そして決意する。


絶対に、絶対に彼らを殺してやると。


そしてその少女は嗤う。


――無意識のうちに涙を流して。

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