進んだ先に
「code:reliver」は、確かに正常に動き始めた。
世界にいるすべての人間を分断する――それに一体何の意味があるのか?
それは、「code:reliver」を生み出したもの以外、誰も知らない。
もう一度、ここでこの世界の説明をしよう。
ここは、「別の世界から転生した」、転生者たちが住んでいる世界。
その能力は様々な方向に分かれている。
この世界は、誰かに作られた世界。その、誰かとは紛れもなく、あの少女だ。
だが、決して「彼女」ではない。
さて、話を「島風」に移そう。
だだっ広い草原に、一人僕はいた。
……なんかデジャヴ。あ、デジャヴって見たことあるものには使えないんだっけ?
そんなことはどうでもいいや。
彼はすっかり日が昇り蒼く染まった空を見上げる。
「まったく……なんでこんなんになっちゃったんだ? まあいいや、一人には慣れてるし」
それに、と彼は言い、
「海の底なんかよりも、明るいし」
そして彼は行く先もなく歩き始めた。
その先に、一つの秘密があるとも知らずに。
同じころ、彼女は――
「ほんとに、なんなのこれ」
はあ、とため息を一つ。
正直どうしようもないのは分かるし、自分の力も振るえない。
「契約」はしたはずなのに。
もしかして、あれは幻覚だったのか。
そんなことはない。
あの時の印章はまだ残っている。
じゃあ、どうして――?
「まあ、答えなんて出るわけないんだけどさ」
結局少女は一人、元居た場所に戻ることにした。
それが、災厄の始まりだとは知らずに。
さあ、「本物」の物語を始めよう。
勝者の嘘偽りのない、本当の物語を。