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1月に消えた思い出  作者: 伊藤 茶
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プロローグ

 幼いころ何をしていたか。

 どんなことで遊んでいたか、誰と遊んでいたか。

 それはどれだけ記憶を遡ろうと分からない。

 高遠優(たかとおゆう)の記憶は二千十九年一月一日、病室で家族に囲まれている場面から始まっている。

 つまりそれ以前の記憶はない。その理由は優にも分からない。昔の記憶は昔の写真を見ようと何も分からない。その写真に写っている高遠優は別人にしか見えなかった。ここにいる自分と過去の自分は違う人間である。

 家族も友人も、誰も分からない。それに、話していて分かったことがある。

 皆は優に話しているのではなく、過去の記憶高遠優に話しかけていること。誰も優に話しているわけではなかった。


 それに気が付いた優は決心した。記憶をどうにかして取り戻そう、と。



 ***



 白い枕、白いカーテンに白いベッド。ここは病院であると気が付いたのは目が覚めた直後だった。

私が起きたのに気が付いた看護婦さんは慌てて先生を呼びに行った。

 私に異常がないと分かった先生は違う看護婦さんに呼ばれすぐ出て行ってしまった。

「ご両親に電話しなくちゃね」

 布団をかけなおし整えてくれていた看護婦さんが不意に言った。

 その言葉に私は疑問を抱いた。

 誰? それ――。


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