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第51話 『闘気』

ネネの案内でようやくイオリ達は、霊力研鑽会イチジョウ支部に辿り着いた。


「ミツキ、例のやつを頼むよ」

イオリの言葉にミツキが、黙って頷いた。これが、たったひとつの冴えたやり方なのだ。


「た、たのもおー、たのもー」

ミツキの声は、快晴の空の下、門を突き抜けるように響いた。声に破壊力があるならミツキは、間違いなく達人の域に入るであろう。もっとも必要ない時には、うるさいだけでしかないのだが……


やがてミツキの超音波により、門の扉が開いた。


「いったい何の嫌がらせなんだよ」

中から門番らしき男がしぶしぶ出てきた。


「長い道中にて、少し疲れが出てしまいました。中で休ませては頂けませんでしょうか」

ユリネは、丁重に用件を伝えた。


「ほう、ご婦人だけで長旅とは、珍しい」

女だけの一行と分かり門番の機嫌はあからさまに良くなった。


「近くに安心して休めそうな所も無く、途方にくれております」



「それは、お困りでしょう。今、責任者に確認を取りますので待っていただけますかな」

門番は中に入り、程なく戻って来た。


「さあ、どうぞ中にお入り下さい」


「ご厚情痛み入ります」

ユリネが返答し皆は門をくぐった。


「いや、皆さん器量の良い方ばかりで少し緊張しますな、特にそこの背の高い方は、何ともお綺麗で」

門番は女装しているクダンを見て何気なく褒めただけなのだが、イオリを除く他の女性陣は、一斉にクダンを睨み付けた。


「少々、殺気を感じるのですが……」

クダンは、イオリに助けを求める様にささやいたのだが、イオリは、笑いを堪えるので精一杯であった。


門の中に入ってしまえば後は、ネネの顔が知られていようが関係ない。急いでネネの妹を探し出すまでだ。


座敷に案内される間、イオリは、地下への階段が無いかと見回していたのだが、ここまでの通路では見つける事が出来なかった。


「なあネネ、妹さんのとらわれている場所の検討は付かないか?」

イオリは、ネネにささやいた。


「ええ、私もここに来るのは、初めてなのでせめて階段でもあればと見てはいたのですがそれらしい物は無い様ですね」

ネネもイオリと同様、手掛かりは掴めていない様だった。


「何だかこの屋敷は、圧迫感がありますよね、お兄様」

同じくキョロキョロと辺りを見回していたルリが、イオリに話しかけた。


「殺気でも感じるのか? ルリ」


「いいえ、あっ、そうだ! 天井が少し低いような気がします」


「それだ!」

ルリの言葉にイオリが反応するとユリネとクダンも黙って頷いた。長い廊下に差し掛かると天井板に少しズレのある所が眼についた。

おそらく隠し階段があり、屋根裏に部屋が存在するのだろう。ネネの妹は、そこにとらわれているはずだ。


「ここは、どうするの?」

ミツキは、イオリに問いかけた。


「お前が、何を言いたいのか分かるのが悲しいが、もちろん叩き潰すに決まっているだろ」


「へへっ、そうこなくっちゃ」

ミツキは、嬉しそうに答えた。


イオリは、隠していた剣で案内して来た門番に不意打ちをくらわせて気絶させると隠し階段を下げる為の仕掛けを探した。


「イオリ殿、こちらに!」

クダンが、廊下の奥にある取っ手の付いた円盤状の装置を見つけたようだ。


クダンがが急いでその装置を回すと天井からゆっくりと隠し階段が降りて来た。


イオリは、ネネを連れて急いで階段を駆け上がった。


「カスミっ、そこにいるの?」

屋根裏部屋は、天窓からの明かりが差し込む程度で薄暗かった。奥に人影らしきものが見えたネネは、思わず呼びかけた。


「そ、その声は、ね、姉様なのですか?」


「そうです、貴女を助けに来たのですよ」

ネネは、妹に駆け寄り身体を抱きかかえた。薄明かりに照らされたカスミの顔はやつれており、ネネを掴むその手は、頼りなかった。


「姉様、ど、どうして⁉︎ こんな事をしたらあいつらが、黙っていませんよ」


「心配いりません。今の私にはとても強い方々が力を貸して下さっているのですから」


「ネネっ、詳しい話は後だ」

イオリは、カスミの身体を抱きかかえた。


「ミツキ、佐々木の屋敷に転送出来るか?」


「もうやってる」

ミツキは、ぶっ飛んだ行動を取るわりに頭がいい。イオリの考えを読んでいた様だ。


「クダンさんとユリネは、悪いが残ってくれないか、ルリは、一緒に行って妹さんを手当てしてやってくれ」


「は、はい、お兄様」


ミツキの転送陣が完成するとネネ達は、その中に飛び込んで行った。


「よしっ! このイチジョウでやらかした罪がどれ程重いか、覚悟した方がいいぜ霊力研鑽会さんよ」


イオリの言葉にクダンとユリネも頷いた。

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