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第30話 『昼食』

  道中、ミツキは、零度に術式の質問をしていた。

「お札を元に戻す術式は、知っていますか?」

「それは、知らないけれど増やす方法ならわかるわ」

「えっ、本当!どうやるんですか」

「まず、10人の人からお金を集めて、さらにその10人の人が…」

 それは、違うだろう‼︎ あと捕まるだろ!


 一応二人には、クギを刺しておいた……


「なあ、零度、ミツキは、霊界師になれそうか?」

「ミツキさんは、実は、高い霊力を持っているわ、ただし……」


「イオリ、街が見えてきたよ」

 今日泊まる予定の宿場町が見えてきた。

 ここからなら明日には、レイドの街に辿りつけるはずだ。


 宿を早々に決めた俺達は、昼ごはんを食べる為に定食屋を探して外を歩いていた。


「あっちに美味しい霊気が漂っている、イオリっ」

 霊気って、おい、それなら俺の横にずっと漂っているだろ。


「いえ、ミツキさんの言う事は正しいわ、彼女覚醒したかも…」

 えっ、そうなの、ミツキが覚醒だって!


 うなぎ屋の前に着きました……


 お前ら、絶対グルだよね、だって俺もしてたもん、いい匂いっ。


「た、たのもー」

 たのもうは、もういいだろう、ミツキ!

 あと、気合い入りすぎ。


「朝は、魚だったから昼は、うなぎがいいかと思って…」

 うなぎも魚だよ!無理があるだろ、それ!


 うなぎ屋の戸をガラリと開けて入ると店の主人らしき人物が、客に絡まれていた。


「イオリっ!」


「何だ、ミツキ」


「切って!」

 おいっ、ダメだろ切っちゃ、そんなに罪重くないだろあの客!


「ちょっと、許せないわね」

 零度、お前もかよ、術式使おうとするのはヤメろ!


「あのうなぎオヤジを助けてあげて、イオリ」

 お前、ウルウルしながら失礼な事言うのやめろよ!確かに似てるけど


 俺は、仕方なくその客の所に行った。


 その客は、腰に剣を携えていたことから俺と同じように剣客か何かだろうと思われた。


「ちょっといいかな」

 俺は、軽い切り口でせめてみた。


「何だお前、関係ないだろ、引っ込んでやがれ!」

 すがすがしい程のテンプレ台詞に俺は、嬉しくなった。


「いったい、何があったんだよ」

 俺は、店主に聞いた。


「はい、この方がウチのうなぎがまずいから金を払わないとおっしゃって」


「うなぎは、全部食べてあるようだが」


「イオリっ、有罪だよ」

「有罪だわ」

 二人の判決が出たようだ。


「悪いが、あんた有罪だ」


 俺と剣士は、外に出て向かいあった。


「俺の名は、坂田イナスケ、妖刀使いだ」

 ハッタリだと思うが、こいつは妖刀の事を知ってるらしい。


 イナスケは、剣を抜いて切り掛かってきた。

 俺は、イナスケの剣を弾き飛ばし剣先を鼻に突き付けた。


「おい、ニセ妖刀使い、どこで仕入れたネタか話してもらおうか」

 態度が、変わった俺の様子にイナスケは、驚いていた。


「お、俺は、れ、霊力研鑽会ってとこで聞いただけなんだ」


 どうやら、うなぎは、キャンセルらしい。


 向こうで鋭い眼光の二人が睨みつけているのをイナスケは、気付いていないのであった。


 霊力研鑽会かまた厄介な事になりそうだ。

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