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第24話『回想』

  イカルガの町に着いた俺達は情報を集める為、食堂に入る事にした。

 ちょうど昼時でお腹が減っていたせいでもあった。


「イカルガ定食2つお願い!」

 ミツキが、元気よく頼んだ。


「お前は、こういう時は本当に嬉しそうだな、いったい誰に似たんだか」


「おじいちゃんだろうね。でも顔は、お母さんに似てるみたいよ」


「お前のお母さんも綺麗な顔立ちをしてたんだろうな」

 俺は、何気なく言ったのだが

 ミツキは、顔を赤くしてうつむいてしまった。


「イオリは、恥ずかしい事をさらりと言う時があるよね」


「別に嘘は、ついて無いけどな」


「……ばかっ!」


 結局、定食屋では話を聞きそびれたのだった。


「いっそのこと、被害にあった霊界師の家に言ってみるかっ」

「うん、まわりくどくなくていいかもね」


 俺たちは、町の人に聞きながら一軒の霊界師の家に辿り着いた。

 門には篠宮という表札が掛かっていた。


「あれっ、イオリっ、ここ結界が張ってあるよ」

「どうやら、当たりみたいだな」

「だねっ」


 俺は、門から中に聞こえるように叫んだ。

「こんにちは、小村丸先生の使いできたものですがー」


 中から使用人らしき人が出てきた。

「篠宮先生にお目に掛かりたいのですが」

 使用人は、一旦中に入り確認して戻ってきた。


「どうぞ中にお入り下さい」

 俺達は、案内されて屋敷の中に入った。小村丸先生の屋敷のような規模は無かったが充分な広さの敷地だ。


 座敷に通されると篠宮とおぼしき人物が待っていた。篠宮は、女性で歳の頃はおそらくミツキの母親くらいであろうかと思われた。


「イオリと申します。本日は、小村丸先生の使いで参りました」


「そちらの可愛いお嬢さんは」


「ミツキです。雑賀ミツキと申します」


「そう、わかりました。小村丸先生のご用件は、何ですか」


「おおよその察しはついていらっしゃるかも知れませんがイカルガでの霊界師暗殺の件です」


「相変わらず、おせっかいなようですね小村丸先生は」

 そう言って篠宮は、少し困った顔をした。


「先生をご存じ何ですか?」とミツキ


「ええ、あの人は、昔から有名ですからね」


「昔からあんな堅物なんですか」


「あなた方は、小村丸先生の事に聞きにきたのかしら?小村丸先生は、堅物だったかもしれないけど結婚もしていたのよ」


「「えっ!」」

 俺とミツキは、驚いた。


「く、詳しくお願いします」


「もうダメです、わたしが先生に怒られますから」

 そう言って篠宮は、笑った。


 帰ったら、聞いてみよう。

 俺とミツキは、硬く決意したのだった。


 篠宮は、俺達を客として向かい入れてくれた。おそらくミツキがいたおかげだろうなと俺は思った。


「篠宮先生は、明日知り合いの霊界師を紹介してくれるって言ってたよね。その人も女の人なのかなあ」


「小村丸先生が言ってたけど女性の霊界師は、数えるほどしかいない様だぞ、同じ町にふたりいるとは思えないけどな」


「そうなんだ、篠宮先生は、すごい人なんだね」

「先生によると、女性で霊界師になる人は、他の霊界師にくらべても高い霊力を持っていることが多いみたいだな」

「あたしみたいに?」

「そうだな……」

「思ってないよね、イオリっ」


 ミツキが俺をポカポカ叩いてると篠宮が声を掛けてきた。


「おふたりは、随分仲がよろしいんですね」

「はい、保護者ですから」

「違います!」


 篠宮は、楽しそうに笑ったあとミツキに言った。


「ミツキさん、一緒にお風呂に入りましょうか……」

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