神
路地裏は暗く、
ぼろぼろの服を着た乞食のような輩が寝ていたり、
死体がころがっていたりした。
臭いがきつい。
普通の人は来るべきでないし、来ないことを示しているようだ。
俺がここに来た理由、
それはここしか転生神と仲が良くない神に仕える輩や、
転生神オリヒュスに疑問を抱く者が居そうな場所がないからだ。
転生神はかなり大きな城で暮らしていて、
ここらへんに住む神は転生神だけでないが、
転生神ほど大きな城、大量の天使を持つ神は居そうに無い。
この町は転生神の城下町のようなものだ。
町を出るのはリスクが高い。
怪しまれる可能性がある。
俺はここで、転生神と敵対する者を待つことにした。
因みに、何故この装備なのかというと、
籠手を付けないのは、
吸血魔は肌で触れていないと発動しないからだ。
首は守りたいので、兜はしっかりしたものにした。
この兜は矢も防げるので、最低限致命傷は避けられる。
更に、フードを被ることで目立たず、
兜を怪しまれないようにした。
あとはこの路地裏で、転生神に従って転生せずに済むのを待つだけだ。
待ち続けて一週間たった日、
ついに求めていた場面に遭遇する事ができた。
神らしき者が、天使達に攻撃されていたのである。
神に護衛は居らず、
天使達は槍で突き、頭を殴っていた。
助けに入ろうと思った。
最悪、転生神でさえなければ天使として仕えるチャンスはあると思ったからだ。
俺は天使の一人に魔法、
貫通光弾砲を使おうとしたら後ろから手首をつかまれた。
「何をしているんですか?」
見ると、つかんだのは天使だった。
「吸血魔」
魔法で首に攻撃することで返事をし、
相手を殺すことに成功した。
そして、今度こそ神を攻撃している天使達数人に貫通光弾砲を使い、
天使一人は倒れた。
すると他の天使が槍を構え、
俺を睨んだ。
「何故私の邪魔をする?」
天使が威圧するような大声で言った。
しかし返す意味もないだろう。
「貫通光弾砲」
「貴様……ここは退け、撤退だ!」
撃たれた肩に天使は手を当てながら逃げた。
他の生き残った三人くらいの天使が手を貸していた。
「神よ、大丈夫ですか?」
倒れていた神に話しかける。
「なんとか、生きてはいる。」
神は立ち上がりながら言った。
「私はアーレンス。
転生神、オリヒュスの弟である。
弟がために、転生させるといった転生神の仕事をさせてもらえず、
兄と戦おうと暗殺計画をたてたが失敗。
私に仕える天使もおらず、
さんざんな目にあっていたところだ……礼を言おう。」
「いえいえ、
当然のことをしたまででございます。
是非この俺をつかって欲しいと思っているのですが」
「いいだろう。
今日からお前は俺のものだ。」
アーレンス様は俺の頬を触った。
すると俺の頬が光り、
奇妙な印が現れた。
「お前にやって欲しい事がある。」
「はい。」
「この町の北側の門から町の外に出て、
そのまま真っ直ぐに進むとある山の洞窟の奥には、
私が手に入れるべき宝が眠っている。
それを持ってきて欲しい。
私は堂々と歩けないから、
この路地裏で過ごす。」
そうして、
俺は神に仕えることができた。




