転生
目が……開いた。
明るい世界で、白一色の世界が広がっているようだ。
日本で死んだ時と随分違う。ということは死んでいないのか。
突然、直ぐ横から話かけられた。
「貴方──ザムさんですよね?」
振り向くとこれまた容姿端麗な女? 女だろうか。白いスーツで、中性的すぎる顔立ちだ。胸はないが、布等できつめにしぼっているかもしれない。
答えない理由は無い。
「はい。そうですが……」
「どうです? 御体の調子は」
「大丈夫です」
「ここが、貴方の世界から見た死後の世界というやつです。」
「俺が知ってる死後と違うんですが……」
「貴方が何を言いたいかは解ります。
貴方の知っている死後の処理は、かなり特殊なものです。
世界ごとに転生を管理する神または女神、転生神は違います。
あの魔法が無い世界の神はこの世界に記憶ありで転生させたくらいに強力で、更に人間という種族を格別愛する神です。
この世界の神は死者の魂に直ぐに送る事すらできません。
なので、この世界で貴方の順番が回るまで待ってもらいます。」
「この世界で暫く暮らすのですか?」
「はい。私は案内役の天使です。」天使……両性具有か。なるほど。それにしても美しい。上品な艶がある。
「さて、これをお持ち下さい。」
天使様が差し出したのは俺の情報が刻まれたカードだ。
……下の数字はなんだろう。
「一番下の数字は、貴方が転生する予定の時間が、今から何日後かを書いてます。」
「1一ヶ月後ですか」
「はい。あの世界からの転生者による混乱もあって死者が多いので。
一ヶ月間は好きにしてください。
といってもどうすればいいか解らないでしょうから、この転生神の城の城下町を案内させてください。」
聞いた話をまとめると、つまりこうなる。
この世界、神やら天使やらが自由に生活している。勿論死者もだが。
神は力が弱ければ人より何かしら優れていて、天使を持っているだけだが、強い者は多くの神や天使を従えることもある。
姿はかなり個体差があり、多くの場合その得意なことや能力の特徴を強く反映している。
弱い神が結構町をうろついているので、よく見る。
天使は元家畜の者から元神で犯罪等で降格された者まで居り、人も場合によってはなることもある。
天使は基本皆容姿端麗で両性具有。そして人間によく似ている。
また、ある程度の戦闘力を持っている者が多い。といっても人間でも勝ち目が十分にある程度だが。
人間は基本死者のみだ。もっとも、神の趣味で人間のままの姿の天使等も居るらしいが。
また、人間の世界に行って仕事をする天使もたまに居るらしく、その場合は人間の姿で行く。
弱い神は強い神に従う。つまり人間を愛する神や人間の文明を好む神の天使は友好的だ。
商売を好む者も多く、かなり強い武具や薬等が売られている。銃すら売られていて、それは職人の神が創っているらしい。
暇を潰しつつ上位の神からは死者が楽しむことが治安維持に繋がるということで報酬を貰うという生活らしい。
宿は死者の為に無料で開放され、設備は揃っているし、三食付く。
かなり快適だ。
事件を起こされても困るから、と言って天使様が日本で言うところの1,2百万円位の金を呉れた。
もっとも、結構質がいい分物が高いが。
天使様は案内が済むと次の仕事の為に去っていった。
どうしようか。なんとか、一ヶ月後までになんとかこの世界から記憶のある状態で抜け出す方法を考えなければ……




