大会
蝉の五月蝿い季節。なんて思っていたが、蝉の鳴き声を転生してから聞いてない。なんか変な虫の鳴き声をたまに聞くが。まあ、暑ければ夏だ。
ある日、道場から帰ろうとしているとニコライ先生が
「実はね、こんなものもあるのよ。やってみない?」取り出したのは戦闘力を競う大会のチラシだ。
「大会?」
「うん。武器などはなんでもいいけど、魔法は駄目。相手がダウンするか大怪我を負うか戦う権利を棄権すると勝ち。規模はこの国、オウンだけ。いけるんじゃない?」
「賞金とかって出ますか?」
「優勝できれば少しはね。負ければ何も呉れないわ。まあ、就職は有利になるわね」
「……やります」
「じゃあ、このチラシの日にここに着てね」
そして今日が、その日だ。俺は歯磨きを入念にして、家を出、速めに道場へ来た。
ニコライ先生は既に外で待っていた。
「待っていたわ。もうすぐ予約しておいた馬車が来るの。それで予定の場所まで行くわよ」
「はい!」
「いいわね。頼もしくって。私、そういう人に弱いのよ」この先生なら半分冗談だろうな。半分くらいは事実も混じってないと言えないと思う。それとも全て冗談なら言い易いんだろうか。
「……あ、馬車が見えてきました!」なんとか話題が変えられた。丁度よいタイミングだ。
「良かった。予定通りなのは好きよ。」
先生と馬車に乗った。馬車は今でいうタクシー程度のもので、庶民が長い距離乗っても少し無理をするという程度で使えるそうだ。
「カウイまできたわね。ここらへんは都会でね。戦になるとすごい人間で埋まるのよ。この町には王が住んで居てね。ここで、武術の大会も毎年ひらかれるのよ」
「騒がしいですね」
「さ、そろそろ降りましょう」
馬車から降りた俺と先生は、すぐに歩き出した。
「あれよ、あのでかい建物。あそこが会場。」木の四角いでかい建物がある。そして人ごみ。
蒸し暑く
虫いりみだれ
人まざり
雨茶色く
家白く見え
と一句浮かぶ。色彩の混乱を味わって欲しい。注釈を添えるならば家は道場。ここの地面はアスファルトではなく土である。
「凄いですね」
「さ、中に入りましょう。私しか大人が居ないから、何かあると大変だわ。」
中も騒がしい。
「ちょっと待ってなさい。受付、済ましてきてあげる」先生がいつも以上に気合が入っている気がする
先生が受付をすませて戻ってきた
「有り難う御座います」
「参戦者はそこのドアからよ。私は見るだけだから、あのドアから行ける部屋から見ているわ。何かあれば来なさい」頼れる人だ
「はい!」
「大会はトーナメント式だから、今回は3回勝てば優勝よ。じゃあね」
先生は観客席へ行った。




