表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

第6話 死の時間

「バアルさんと話した事と言っても……」


カメ子はう〜んと考え込む。


「『アキエルの事を嫌わず、仲良くして下さい。アキエルにはカメ子ちゃんが必要なんです。』って言われた事と」



バアル……

やっぱり余計な事を言っていた。


カメ子は言葉を続ける。


「後は『死の時間になる前に学校から出て下さい』って言ってました」


「死の時間?」


何の事か分からないが、学校を今すぐ出れば問題無いだろ。


「おいカメ子。さっさと学校を―……」


「『アッキーには私が必要』なんて言われちゃった! もしかして私達運命の恋人だったりして!! 『運命』……なんて素敵な響き……。私達きっと赤い糸で結ばれてますね!!!」


俺の言葉なんて聞いてなかった。


妄想するのは勝手だけど、口に出すな!


なんてこの状態のカメ子に言っても馬に念仏だろう。

俺はカメ子の妄想が途切れるのを待つ事にした。


………………………

帰宅する生徒達が変な目でカメ子を見ながら通り過ぎた。


………………………

部活に勤しむ連中が訝しげな目でカメ子を見ていた。


………………………


もうカメ子なんて放っておいて帰るか。

クルリとカメ子に背を向けて歩く。

校門から校舎が続くまでの道。その両脇には桜の木々が並んでいる。

四月の上旬なら桜の花が見物だったろう。今は五月。桜の花は散って、葉桜となっている。俺は葉桜を見ながら歩き、校門まであと一歩のところでガシッと腕を掴まれる。

首だけ振り向くと予想通りカメ子が腕を掴んでいた。


「アッキー、どこに行くんですか?」


「カメ子のいない所かな〜」


俺は腕を振ったが、カメ子はガッシリと腕を掴んで離さない。


「『私がいない所』なんて、冷たい事をどうして言うんですかっ! 私達運命の恋人でしょ!?」


カメ子は力説する。腕に力を込めて。

……痛い。正直にいって、カメ子に付き合うのはうんざりだった。


いくらこいつが俺にとって…………存在だとしても(その事実を消し去りたいくらい)嫌だ。


まさかこんな変な女に育っているとは思わなかったし。


俺は『こんなにも哀しい事はない』という表情を造り、告げた。


「カメ子。俺達は恋人同士にはなれないんだ」


「どうしてですか!? 理由は?」


カメ子は信じられないとでもいうように大きく目を見開いた。

俺は目に涙を浮かべそっと袖で拭った。そして涙声でカメ子に言う。(もちろん演技だ)


「俺達は親子なんだ」


「お、親子!!? どっちが親ですかっ!!!」


「カメ子」


「えええぇ〜〜〜?? 私がアッキーを産んだんですか!?」



よし、カメ子がパニクってる。腕も離されたし逃げるか。


俺はパニックになっているカメ子を残し、翼を羽ばたかせる。

足が地を離れた。そのまま大空へ翔びたとうと―



キーンコーンカーンコーン


四時のチャイムが鳴った。


四(死)の時間―

体調を崩してしまい、本文短めになってしまいました。

月とスッポン!もお休みです

すみません……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ