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12/21

弁当づくりのススメ

 日々通勤している方にはきっとお分かりいただける心情ではないかと思うのですが、昼食の用意って以外と気持ち的にも金銭的にも負担が大きいのではないでしょうか。

 毎日家族が弁当をこしらえて持たせてくれるという幸せなケースはさておき、特に独身・単身の場合は毎日「今日は何食おう?」と、頭を悩ませることもあるのではないかと思います。

 メニューに選択の自由がない給食を日々食べさせられている小中学生からすれば「大人は自分の好きな物を食べられるからいいじゃん」とかいうことになるかも知れませんが、自由であるということは反面、自分で自分の面倒を見なくてはならないということなんですね。

 まあ、道義的な話はさておき。

 毎日毎日外食をしたりコンビニなどで昼食を購入したりしていると、出費が馬鹿にならない。

 多くの方が経験済みであると思います。

 仮に、週五日勤務であるとして、五百円の弁当を毎日買って食べたとします。

 すると、五百円×五日=二千五百円となり、これが一か月、約四週間であったと仮定すると、月に一万円の出費となりますね。昼飯だけで一万円もかかってしまう。これに、さらにお茶なんかつけたりするならば、プラス二千~四千円にもなります。

 ところが、一回五百円などというのは、正直言って安い方ではないでしょうか。

 某牛丼チェーンならこれくらい出せば大盛りも食べられますが、ああいうものは毎日毎日食べられるかというと、そうもいかないんですね。二日連続くらいなら耐えられるでしょうが、三日目ともなれば飽き飽きして食べる気にならないのではないかと思います。私などはそうです。

 もっとも、こういった安価な外食チェーン店は、大都市やその周辺なら豊富にあるでしょうが、地方へ行くとそうもいきません。実際、私が住んでいる地域にはあの橙色の行燈が目印の某有名牛丼店は存在しません。

 あるいはラーメンとか蕎麦とか食べに行くことになったとして、相場はどんなに安くても六百円を下らない。ちょっとした定食セットなどにしようものなら、あっという間に七百円、八百円の大台に突入してしまいます。

 こんな外食を一週間も繰り返したとしたら、どうなるでしょう?

 週に三千円~四千円もかかることになり、ひと月では多く見積もって一万五千円~二万円にも跳ね上がります。

 だから昼はパンと牛乳で安上がりに澄ませばよい、というのはよろしくありませんね。

 ある研究によれば、人間は朝食と昼食は必ず摂るべきであり、特にがっちり食うなら昼食の方がよいという説もあるようです。ただし、一方では朝食をしっかり食べるべきだという説もあるので、このあたり私には判断がつきません。

 一つだけいえることは、以前私は仕事に忙殺され、昼飯はパン一個、という生活を何週間も続けたことがあります。

 結果を述べますと、倒れました。

 肉体的な面ももちろんのこと、しっかり食事を摂らないと精神的にもおかしくなっていくんですね。

 ですから、パンと牛乳という、刑事ドラマみたいな食事は絶対に習慣化してはならないのです。

 ましてや、カップラーメンなどはもっての外です。


 さて。

 では昼食をどうしたらよいのかというお話になるのですが、それがこの稿のタイトルです。

 しかしながら、弁当持参という選択肢はあり得ないと、多くの方は思われるのではないでしょうか。

 

「毎日毎日、作る手間を考えたらやってられない。だったら買った方が早い」

「一人分を作るために食材を買っていたら、逆に高くつくと思う」


 まあ、こんなご意見が出てきそうですね。

 実際のところ、私もかなり長い期間、そう思っていました。

 ですが、今現在の状況を申し上げますれば、私はせっせと弁当をこしらえて出勤しています。

 自分で作ったものを自分で食っても美味いと思わない。

 よく聞かれる声ですが、最初のうちはまあ、そういうこともありましょう。

 しかし、日々繰り返していくうちに気付いたのは


「弁当の量によっては外食よりもずっと腹を満たすことができる」

「中身を上手く調整すれば、栄養価もまずまず悪くない」

「現代では、一人分のおかずにちょうど良い惣菜や食材がたくさん売っている」


 ということなんですね。

 では、私の実体験を通じて弁当持参のメリット、それにデメリットへの対処法を述べていきたいと思います。


 まず、経費の面。

 確かに、一食分を作るために魚を一匹まるまるとか、肉の塊とかキャベツひと玉なんか買ってしまっては、高上りになってしまうことはいうまでもありません。

 しかしながら食材というのは、何回分かに小分けして使うことで、結果的には高くつかずに済むことがあるのです。

 私の弁当の定番メニューを例に挙げましょう。


〇冷凍チキンナゲット

 スーパーで特売率が高い。内容量によりけりだが、250~400g入りのものを愛用。

 一回の弁当で2個づつ使うと、楽勝で一週間~十日はもつ。

 油で揚げなくとも、オーブントースターで十~十五分温めるだけでOK。

 相場は一袋二百五十円~三百円。

〇ウィンナー

 これも特売率が高い。ただし、テレビのCMで宣伝しているようなものは高いので避ける。

 味や歯ごたえにうるさくこだわらなければ、徳用のものが安く、なかなかもつ。

 調理法は切れ目を入れてフライパンで数分炒めて塩コショウで味付けするだけ。

 相場は上記チキンナゲット程度。なお、切って野菜と炒めるなど、応用も利くので便利。

〇卵

 高級なものでなければ、特売時に百円程度で買える。普段でも、百五十円程度。

 十個入りを買って一回に二個づつ使用しても、一週間分になる。

 弁当の定番卵焼きはもちろん、冷や飯があればチャーハンにして弁当にするのもアリ。

〇ちくわ

 特売時には五十円を切ることも。百円近いときは買わずに我慢した方がよい。

 これは真ん中の穴にチーズやキュウリを細く切って詰めるだけだから超簡単。

 一本でも十分だが、二本使うと弁当箱のスペースは相当埋まる。

〇さんま缶

 四角くて平べったい、甘く煮てあるあの缶詰。そのままおかずになるお手軽さがよい。

 小分けに使えば、一缶でおよそ三回分。

 三つパックで三百円をきるお得さがよい。コストパフォーマンスが高い。

 飽きたらサバ缶なりイワシ缶でもOK。

〇冷凍ブロッコリー

 通常のサイズだと二百円するかしないか。お徳用とか業務用はもうちょっとするが、その分たっぷり入っている。

 調理法はさっと茹でるだけ。茹ですぎると柔らかくなりすぎるので良くない。

 これを入れると弁当に彩が添えられるという見た目のメリットもある。

〇酢の物

 面倒なように思われるが、それほど手間を要しない。

 しかも、暑い時期には弁当が傷みにくくなり、冷蔵庫なら保存も利いて健康にもよい。

 酢はミツカン酢でOK。そのままが酸っぱいという場合は砂糖を加えるとよい。

 お手頃なのはカットわかめ+キュウリを薄く輪切りにして和えるだけ。

 もしくは、細く割いたカニかまと、細切りにしたキュウリでもいける。


 ここまで列挙してみて、お気付きになったでしょうか?

 実は、一人暮らしにはちとキツい「揚げる」という調理が上記には存在しないんです。

 揚げ物は弁当の定番ですが、反面続けると健康面で必ずしも良くないということもいえます。

 油を減らせば、それだけヘルシーになりますね。

 ヘルシーといえば栄養価の点ですが、上記メニューを組み合わせていくと米、肉類OR魚、卵、野菜が概ねまんべんなく摂れるのです。牛丼やラーメンオンリー、あるいはパンと牛乳、カップラーメンなどという昼食に比べると、はるかに健康的なのです。

 話はいきなり栄養価の方にずれてしまいましたが、経費の点に戻しましょう。

 上記に列挙した食材を一度に購入しても、二千円にもなりません。

 しかも、チキンナゲットやウィンナー、サンマ缶に冷凍ブロッコリーなどは一回買えば七回分~十回分は賄えます。

 つまり、最初に例示した「一食五百円の外食・購入」と比較しても安く済むということになります。

 まあ、私はレパートリーが少ないのでこんな感じでやっていますが、今では弁当のおかずだけを扱った料理本なんかも売っていますし、ネットでもふんだんに検索できます。

 そういうものを活用すれば、たちまちレパートリーは増やせるでしょう。

 また、ミニトマトだったりバナナを一本とか添えると、栄養価はさらに良くなりますね。ミニトマトなんかは何日も置いておくと傷んじゃいますが、それでも一パック買って三日間くらいで使い切れば問題ありません。これもブロッコリーと同じで、弁当に彩りを添える役目を果たしてくれます。


 言い忘れていましたが、調理には調味料が欠かせませんね。

 砂糖に塩、醤油にソースにケチャップに塩コショウ、あとはサラダ油など。

 こういうものは初期投資の際に結構かかるように思われますが、一人暮らしならばそんなに大量に消費されるものではありません。したがって、一回買えばだいぶもちます。


 そうはいっても、やはり調理する手間が……調理器具洗うのも億劫だし。

 とか言われそうですが、実はちゃんと代わりの方法があるのですね。


 現代のコンビニには、一袋百~二百円程度の惣菜が売っているのをご存知でしょうか。

 煮物や和え物、サラダ、あるいは卵焼きだったり焼き魚、ハンバーグや肉団子などの肉系もしっかりラインナップがあります。

 もしくは、スーパーの惣菜コーナーの値引きが始まった時間帯もすごくお勧めです。

 たとえば、一個八十円くらいになったコロッケを一個買ったとして、これを半分にすれば二回分になります。メンチカツとかアジフライのような揚げ物は丸々弁当に入れてもスペースをとってしまうので、おおよそ二回分にすると量がちょうどよくなります。コスト的にも悪くない。

 私としては、スーパーの肉団子とかハンバーグはお勧めしたいですね。

 あれはコンビニで売っているパック詰めのものより味が家庭的で、ボリュームもあります。

 で、経費について考察してみましょう。

 仮に、百円の惣菜を五品程度購入してこれを二回分に分けたとすると、一食あたり二百五十円です。

 移動販売の弁当屋が売りに来た弁当が四百円だったとしてもそれより安く、しかもおかずがちょこっとづつしか入っていないのに比べればボリュームではひけをとらない筈です。

 コンビニ弁当と違って自分で惣菜を選べますから、味に飽きるということがないのもメリットです。

 コンビニや弁当屋の弁当は味付けも濃い上におかずが固定ですから、高いわりには飽きがきやすいというのも事実です。


 さらにいいますと、弁当のおかずというものは何も新規に用意しなくてはならないものではありません。

 前日の夕食の残りでもよいのですね。

 私がよくやる手ですが、たとえばナポリタンを作っていてパスタ投入直前のソース的なあれ(ウィンナー+ピーマン+玉ねぎをケチャップと塩コショウで炒めたもの)をちょこっと分けて弁当箱に入れます。すると、もうそれだけで一品完成なんです。パスタがなくてもおかずとして十分美味しくいただけます。

 麻婆茄子とかならもう、いうことはありません。

 もっとつっこみますが、そういった夕食のおかずをわざと多めに作り、弁当用のアルミカップに小分けしてから冷凍庫で保管するのです。

 すると、上手い具合に一回分づつ取り出して弁当に入れることができる。

 冷凍しているとはいっても、朝に取り出せば昼に食べるまでには解凍されてますし、レンジのある職場ならチンしてしまえばOKです。

 私の自宅の冷凍庫には、この手で小分けした弁当用のアルミカップがずらりと保存されています。

 これはなかなか便利なものですよ。

 だんだん少なくなってくると、思わず大量に補充したくなったりします(笑)


 そうそう。

 忘れてはいけない存在について触れなくてはいけませんね。

 主食である「米」です。

 五キロないし十キロのものが定番ですが、一人暮らしなら五キロがお勧めですね。十キロでも悪いことはありませんが、開封して日数が経過すると風味も落ち、しかも虫が湧くこともあります。なので、五キロを買って定期的に使い切る方が美味しくいただけます。

 値段は銘柄にもよりますが、まあ、平均すれば二千五百円程度でしょうか。

 基本弁当にのみ使用するとして、一回につき一合炊けば結構食べられます。弁当一回分のつもりなら、二合なんて炊いてはいけません。おまけでおにぎりまでつけられちゃいます(笑)

 ただし、ひとつのワザとして、朝二合を炊き上げておいて半分は弁当に入れる。もう半分はラップでくるんで冷凍しておき、帰宅したらレンジでチンして夕食にする。という方法もありますね。私は長く冷凍ごはんをバカにしていましたが、やってみるとかなり有効です。

 さて、一回分一合、出勤が月に二十日の計算として、恐らくひと月ではなくならないかと思います。

 なんだかんだで翌月も一週間分は保ったと仮定してみますと、二千五百円÷二十五日=百円、つまり米のコストは一日あたり約百円。ただし、これはやや多いように思いますがまあいいでしょう。

 コンビニORスーパーの惣菜と組み合わせたとしても、一食三百~四百円程度という計算になります。

 ひと月に二十日の出勤だったとすると、一食四百円と見積もって×二十日=八千円。

 どうでしょうか?

 コツコツと続けていくと、実は弁当は立派な節約になるのですね。

 なお。

 現代の炊飯器にはたいてい「タイマー」がついてますので、寝る前に米を砥いでセットしておくと便利です。朝起きてから米をといで炊く、なんて作業は大変ですからね。



 私の出勤日は不規則なので実際にどれほど節約になっているか金額で表すのが難しいところなのですが、それでも弁当持参を始めてから


「そういや、あんまり金かかってないなぁ」


 と、思うようになりました。

 とはいえ、私は喫煙者でありコーヒーが好きなため、節約されたお金はそっちの方に消えてしまっています。煙草をやめたらどれだけお金が貯まるのでしょうか(笑)

 それでも、弁当生活を続けていることによって車を購入し、続けてPCやペンタブも購入できたことを考えると、知らず知らずのうちに日々の出費が抑えられていたということになりましょう。

 やり方次第ではありますが、弁当持参をおすすめしたい。


 なお、私はやっているうちに料理が楽しくなってしまいました。

 以前は絶対作らなかった麻婆茄子とか回鍋肉なんて作りますし、厚焼き玉子の見てくれも人前に出して恥じないものは作れていると思います。

 料理は自分に自信をつけることにもつながるのかもしれません。

 

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