跳躍
掲載日:2026/05/16
僕は地面が嫌だった
正確に言えば地面に押し付けてくるこの重力が
おかげで地を這えば血が出るし
高い場所に行けば
景色に骨折や死が張り付いてた
星たちが羨ましかった
地面から逃れて 永遠に形を変えることなく
浮かんでいるから
僕は空に飛んだ
機械で作った道具とそれを作った僕という物語を持って
思ったとおり
僕は浮かびつづけた
嫌で仕方なかった出来事たちから離れて
僕は星たちの仲間入りをした
と思ってた
周りを見ればただ静かで
どこまでも深い黒が僕をぐるりと囲んだ
感じた恐怖すら溶けてしまうような黒が
僕は星なんかでいられない
飛び出した後のことを考えてなかった僕は
ただ浮かんだ
身体が浮かぶことが当たり前になって
僕は頭のなかで
ひたすら重力があった世界を思いつづけていた




