世界と幽霊
薄暗い廊下を一人分の足音が響く。その廊下は学校の一番奥の棟の最上階、一番奥の大きな図書室に行くためだけにある様な廊下だった。図書室が賑やかであってはならないので、廊下は当たり前のように静かで、余計に足音が響いた。窓からは暗く曇った空が見え、傘を持ってきていない生徒は後悔するなと、思った。そして、自身もその一員かと思うとうんざりした。
図書室だからと遠慮は一切せず、普段通りに図書室の扉を開く。がらりと、人の少ない図書室に扉を開ける音が響く。人の少ない図書室はどこか物悲しいと誰かが言っていた気がした。
「舞姫、」
声変わりは終えているものの、高めの声が瀬海に向かってかけられる。瀬海は眉を寄せて声をかけた人物を見る。それは灰をかぶった様なグレーの癖の強い髪と瞳、それに白くて大きな熊の人形が印象的な少年だった。舞姫などというあだ名は、瀬海がその題名の本を読んでいるのを見てからだ。どうやら、その本を読んだ初めての人間だかららしい。
真昼日先輩と、瀬会が呼ぶと少年である真昼日はにっこりと、笑った。
簡単なプロフィール
瀬海→主人公・音々以外には自ら関わろうとしない。
真昼日孤白→主人公を「舞姫」と呼ぶ・図書室・本の虫・音々と友人・死にたがり・気まぐれ・大きな白い熊の人形(太宰さん)を何時も持ってる・不眠症・一年留年で主人公と同学年・主人公にべったり
真昼日先輩は友人が作ってくれたキャラです^^ちょくちょく書いていけたらなあ、と。