ゆりかご
人は 死ぬとき 生まれるとき
かがやいた箱で はてしなく眠る
時間はもう感じない
その楽園は ここの言葉でゆりかごという
赤ちゃんがあんなに可愛いのは
その中にひと筋のかげりがあるから
大人は待ち受ける困難がわかりすぎて
夏の夜を愛でるように情けをかける
死ぬ前の人がいつでも見難いのは
全身にスピチュアルの気配がするから
まもなく出会いと罪と荷物が流され
その姿は私たちにはとうてい見づらい
今たとえ自我が邪魔しても
しきりにアルバムを見ても
星に泣けても 夢が重くとも
その日 全ては忘れさられる
まっしろな意識をひたすらよりあわせ
朝が迎えに来れば
痛みなくきっと何も問わず また私が生まれる
人は 死ぬとき 生まれるとき
かがやいた箱で はてしなく眠る
時間はもう感じない
その楽園は ここの言葉でゆりかごという