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『しーちゃんと記憶の図書館』第13話

海と空が交わる場所


⸻


「海と空が交わる場所」

ペンダントの文字は、少年としーちゃんに新しい道を示していた。


—


地図を広げると、老人が指差した。

「ここだ。岬の先に、小さな入り江がある。

 昔は船乗りたちが“空の門”と呼んでいた」


—


翌朝、しーちゃんと少年は岬へ向かった。

道は細く、片側は切り立った崖。

潮の香りが、風と一緒に強く吹き込んでくる。


—


やがて、視界が開けた。

目の前には、青い海と澄んだ空が溶け合うような光景が広がっていた。


—


「…ここだ」

少年が呟いた瞬間、足元で何かが光った。


—


拾い上げると、それは錆びた小さな鍵だった。

柄の部分には、波の模様と小さな星が刻まれている。


—


「この鍵…」

しーちゃんは胸の奥にひらめきを感じた。

「図書館の“奥の間”の棚に、似た刻印を見たわ」


—


そのとき、後ろから声がした。

「その鍵を探していたんだ」


—


振り向くと、

そこには見知らぬ中年の女性が立っていた。

風に揺れる髪と、どこか懐かしいまなざし。


—


「あなたは…?」

しーちゃんが尋ねると、

女性はゆっくりと名乗った。


—


「星を待つ娘の…姉です」


—


潮騒が、二人のあいだを静かに包みこんだ。


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