表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/104

『しーちゃんと記憶の図書館』第101話

青いリボンの猫



二匹の犬の写真の前に、

制服姿の中学生が立っていた。



首からスケッチブックを下げて、

じっと見つめている。



「こんにちは」

しーちゃんが声をかけると、

彼女は少し照れたように笑った。



「私……猫を飼ってたんです。

 青いリボンが似合う子でした」



そう言って、

スケッチブックを開いた。



そこには、

青いリボンを首に巻いた灰色の猫が

やさしい筆致で描かれていた。



「去年、病気で……

 でも、描くと少しだけ会える気がして」



しーちゃんはその絵を額に入れ、

犬の写真の隣に飾った。



猫と犬が、

まるで旧友のように並んでいる。



風鈴が鳴るたび、

二匹と一匹の物語が、

そっと寄り添うように響いていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ