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初心者4
「おぉー、レベルが5になった。」
「僕もだ」山健と稲川はかなり喜んでいる。
「今、何時そろそろ帰らないと怒られるよ」2人が言う。
「大丈夫なんだけどね。帰れば意味が分かるよ」
そう言うとぼくたちは門をくぐり、城へと向かった。
魔姫が不機嫌そうに城の宝物庫で待っていた。
「レベルは上がったのですか?」
「うん、上がった。山健と稲川はレベル5になった、
ぼくもひとつ上がって8になった」
「それは良かったですわ」
「一人でやるより仲間がいたほうがいいよ、
モチベーションが上がる」
「それじゃあ帰るから」
「わたくしはもうしばらくこちらにいます、では」
宝箱に飛び込むとおれの机の引き出しから出てきた。
「いま何時?」稲川が問いかける。
「午前10時、出発した時間と同じ。」
「えぇー」2人はすごく驚いていた。
「向こうには時間という概念が存在していないらしい」
呆然とする二人を家の外に追い出して、俺は勉強を始めた。