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魔野 ぬけ太  作者: 初書ミタ
2/16

望まぬ継承 2

「どなたかな。」

天使の様な優しさを持った言葉で

地獄の底から響くような声が聞こえた。

「うわーーーっ。どなたですか。」

ぼくは、女王様のような姿をした化け物に出会った。

「そんなに驚かれても困るのう。」

「ここは私の城の 玉座の間じゃ。」

「おどろくのは、こちらのほうじゃぞ。」

「ええーっと、家の裏口のドアを開けると

ここにつながっていたんです。」

「どこからきたのかはわからんが、

面白い服装だな。君の来た世界というのに行ってみたいのだ。」

「ほれ、そこのとびらからみえておる。」


「魔シャス」

そういうと、その化け物は おばあさんに変身した。

ぼくは、お小遣いをはたいて、そのおばあさんと

街を見て回った。

マクダナルドでハンバーガーを食べ、

近くの遊園地へ行った。

おばあさんが疲れているようなので、

ベンチで休んでいると、

ぼくはの自動販売機でジュースを買うため

少し目を離した。

戻ってくると、おばあさんは胸を押さえて苦しんでいた。


「わらわは長い間後継者を探していた。

まさか君のような子供になろうとは、

わしは魔后、君に私の力をすべて与えよう。」

そう言うとおばあさんは手術室へ入っていった。

そして、おばあさんは亡くなった。

大動脈瘤破裂だった。

身寄りのないおばあさんは、無縁仏として葬られた。

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