望まぬ継承 2
3
「どなたかな。」
天使の様な優しさを持った言葉で
地獄の底から響くような声が聞こえた。
「うわーーーっ。どなたですか。」
ぼくは、女王様のような姿をした化け物に出会った。
「そんなに驚かれても困るのう。」
「ここは私の城の 玉座の間じゃ。」
「おどろくのは、こちらのほうじゃぞ。」
「ええーっと、家の裏口のドアを開けると
ここにつながっていたんです。」
「どこからきたのかはわからんが、
面白い服装だな。君の来た世界というのに行ってみたいのだ。」
「ほれ、そこのとびらからみえておる。」
4
「魔シャス」
そういうと、その化け物は おばあさんに変身した。
ぼくは、お小遣いをはたいて、そのおばあさんと
街を見て回った。
マクダナルドでハンバーガーを食べ、
近くの遊園地へ行った。
おばあさんが疲れているようなので、
ベンチで休んでいると、
ぼくはの自動販売機でジュースを買うため
少し目を離した。
戻ってくると、おばあさんは胸を押さえて苦しんでいた。
5
「わらわは長い間後継者を探していた。
まさか君のような子供になろうとは、
わしは魔后、君に私の力をすべて与えよう。」
そう言うとおばあさんは手術室へ入っていった。
そして、おばあさんは亡くなった。
大動脈瘤破裂だった。
身寄りのないおばあさんは、無縁仏として葬られた。