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魔野 ぬけ太  作者: 初書ミタ
1/16

望まぬ継承

1


私は生れ落ちたときから、強かった。

種族的には、魔神と熾天使のハーフ

聖と魔を両方使用できた私は、

すべての魔法を習得し、

剣士としても超一流だった。

やがて世界を征服したわたしは

領主となり平和に世界を治めた。

だがそれから、2680年

私は年老いた。

かつての力は知識としてはあるが、

もはや行使するだけの体力も気力もない。

私は疲れた。人生に疲れたのだ。


2


おいこののろま、今から草野球やるんだ。

俺の家までランドセル届けろよ。

おれも、おれもー。

たのんだぜ、ぬけ太。

ランドセルを全員の家に届けると、

一人家に帰って来た。

両親は共働きで、ぼくは一人っ子だ。

何をやってもダメなぼくは草野球の

メンバーにも入れてもらえない

一人でボールを壁に投げて遊んでいると、

家の勝手口のほうへボールが転がっていった。

のどが渇いたので、冷蔵庫からお茶を飲もうと思い

玄関ではなく、勝手口から家に入った。

はず・・・・だ。

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