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職奪
今日リストラを受ける。自分でわかっていた。
作業効率の悪い人間は儲からないし、
同じ給料を払うならいちばんよく働くロボットが
いいだろう。浮いたお金は全て
性能のいいロボットのクローンをつくるお金になる
そして今日自分のデスクを片付けているのだ。
ダンボール1箱が広すぎるくらいだが。
人間は知恵が無く、ろくに仕事をせずと
舐められているがロボットに無い思考を持っている
それは反社会的行動欲求だ。
手に持っている通勤カバンとダンボールをガムテープで
固定し、ガムテープのオイルを取り、代わりにガソリンを
染み込ませる。
そしてそのダンボール箱を抱え、社長室に行った。
「社長。社長はこのまま人間がロボットに
支配されていてもいいと思いますか?」
社長はコーヒーを片手に言った。
「今度私の脳のデータを別のロボットに移し替え、
そのロボットに社長をやってもらおうと思っている。
だから私は晴れてロボットになれる。」
「は?」
「ん?なんだね?ロボットはいい。
死なないし誰にも迷惑をかけない」
「そんなわけないじゃないですか。
そんなわけないじゃないですか!」