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極大魔力の初級魔法  作者: 明日葉 晴
第1章 二度目の人生、魔力とは?強さとは?
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第8話

こんにちは!

明日葉 晴です!


今回は日常回と言ったところですかね。

次のイベント、というか話の方向性?をまとめる一環ですかね。

正直、若干まとまり切ってない部分もあるんで、時間稼ぎと言われてもしょうがないですね。


では、本編をどうぞ。

 前回のあらすじ

 近隣の町から来た応援の人と、今回の騒動についての見解すり合わせを行った衛兵たちとソラ。その話し合いの中で、今回の一件はニィガ村のみで起こっている事態ではないことを知る。国内各所でも同様の事態になっていることを知り、動揺するソラ。現在この事態に国で対策を取り、態勢を整えている最中であり、政策の一環である学校への入学を進められる。その誘いに悩むソラに対し、クラウセッドは旅立つ決意をするのであった。


 ==================


 魔物騒動から数週間。村はある程度立て直した。と言っても、もともと村に侵入した魔物はアタシが出会ったのを除いても数匹だったみたいで、そんなに建物への被害はなかったみたいだ。怪我した衛兵の多くも回復したみたいで、お父さんも休みを取れるようになっていた。


「お父さん、久しぶりに稽古つけて」

「お、いいぞ」

「ソラ、お父さんは久しぶりの休みなんだから休ませてあげないと」

「いいよ、リンナ。娘との触れ合いの一環だよ」

「あなたがそう言うならいいけど、疲れてるんだから無理はダメよ?」

「わかってる」

「お父さん、ありがと」

「どういたしまして。先に外で待ってなさい。俺も準備したら行くから」

「うん」


 アタシはあの話し合いの日からずっと迷っていた。でもどんなに考えても答えは出てこなかった。勉強してても、稽古してても、迷いは晴れなかった。


 家の庭先に出て軽く準備運動。道場でもやってるいつもの運動をしてるとお父さんがやってきた。


「うん、準備はよさそうだな」

「大丈夫だよ」


 お父さんがこの村の衛兵の隊長と分かってからの初の稽古。なんだか今までと感じ方が違う気がする。いや、アタシの今の気持ちがいつもと違うだけかな。


 カァン!カァン!


 練習用の木剣を打ち付けあいながら、ふと疑問に思ったことを聞いてみることにした。


「お父さんってこの村の隊長さんなんだよね?」

「ん?あぁそうだぞ。それがどうかしたか?」

「先生とどっちが強いの?」

「うーん。バウゼル先生は別格だからなぁ。少なくとも、俺が先生のところで稽古をつけてもらった時は手も足も出なかった。もういい歳でもあるし、今ならいい勝負くらいは出来るかもしれんな」

「じゃあ、まだ先生の方が強いんだ」

「だと思うな」


 ザッ!カァン!サッ!コォン!


 しばらく木剣の打ち付けあう音と、踏み込みの音だけが続く。


 少しして一度大きく距離を取って、木剣を降ろした。


「どうした?もう疲れたのか?」

「ううん。違う」


 アタシは数日前から、次にお父さんと稽古をすることがあったらと思って考えてたことがあった。体も結構あったまったし、そろそろいいかなと思ったから、一旦仕切り直しただけ。


「お父さん、疲れがたまってるところ悪いんだけどさ、アタシと本気で勝負してもらえないかな?」


 普段と違う空気を感じたのか、お父さんが不思議そうな顔をした。


「いいけど、急にどうした?」

「急じゃないよ。少し前から考えてた。アタシがどうしたいのか」


 お父さんは余計に不思議そうな顔をした。まぁ確かに今のじゃ伝わらないかな。


「この間、別の町の隊長さんがアタシを学校に勧めたでしょ?正直まだ迷ってるの」

「ソラがどうしたいのか、か」

「うん」

「それと本気の勝負がどうつながるんだ?」

「特に考えがあってじゃないけど、なんか見つかる糸口になればと思って」

「ふむ…」


 手を顎に当てて、考えだした。


「分かった。勝負しようか」


 アタシ自身曖昧な考えだけど、お父さんは応えてくれた。


「ありがとう、お父さん」

「どういたしまして」


 そしてお互い、距離を取ったまま構えた。


 サァァ…


 風が吹き抜ける。


 アタシは、風がやむと同時に一気に踏み込んだ。


 カァァン!


 木剣が再びぶつかり合う。


 カン!カッ!コッ!カン!カン!コン!カァァン!ザッ!ザッ!


 数合打ち合って引き下がり、また踏み込んで間合いを詰める。


 カン!カン!カン!カン!コン!カン!コン!ザッ!


 今度は剣速を上げて再び打ち合ってから引き下がり構える。アタシのスタイルは基本的にヒットアンドアウェイだ。これは道場で剣を習ってるうちに、アタシにあってると思ってやるようにした。


「ソラがここまで成長してるとは思わなかったな」

「余裕で捌いておいてそんなこと言うの?今の本気の速度だったのに、元の位置から動かせもしなかった」

「これでも隊長だからな。簡単にはやられてやらないよ。でも、成長してると思ったのは本当だ。もう諦めるか?」

「冗談。まだまだやれるよ」

「そうか。ならおいで」


 ザッ!


 お父さんが言うと同時に踏み込む。


 フッ


 アタシは振りかぶると、木剣を降ろさずに跳んだ。


「っと!」


 カァァン!


 お父さんの上を通過すると同時に一振り。防がれた。


 ダッ!カン!サッ!カン!サッ!コン!ザッ!


 右に左に跳びながら、いろんな方向から攻撃を仕掛けた。けど、全部防がれた。一度引き下がる。


「今のは少し危なかった」

「涼しい顔で言わないでよ」

「かっこくらいつけさせてくれよ」


 お父さんは苦笑いした。よく見るとちょっとだけ動いている。思わずにやけちゃった。


「あ、ばれたか。少し押されてしまったよ」

「とりあえず、一歩前進かな」

「そうだな。だから、次はこっちからいくぞ」


 言い終わるのが早いか、踏み込んできた。超速い!


 ガンッ!


 お、重い…


「おぉ!受け止めた!」

「速さには…ぎりぎりついていけるけど…」


 競り負ける…ここは一回弾いて…


「おっと!させないぞ!」

「ッ!」


 さ…らにっ…重く…


「ソラの戦法はわかったからな。本気の勝負というなら得意をつぶすのは定石。だろ」

「そ…うね。本気……ならっ!“ウィンド”!」

「うおっ!」


 初級魔法の“ウィンド”。軽く風を起こしてお父さんの剣を弾いて、距離を取る。


「剣の勝負じゃなかったのか?」

「本気の勝負だよ。剣だけとは一言も言ってないよ」

「ほほぉ。確かに。思う存分、力の限りを見せてくれ」

「最初からそのつもりっ!“ウィンド”!」


 ブワァ!


 足元に小さく風を起こして、加速する。


 ガッ!カン!ガッ!ガン!コン!


「“ウィンド”!」


 ブワァ!ガン!


「“ウィンド”」


 ブワァ!ガン!


「“ウィンド”“ウィンド”」


 ブワァ!ブワァ!カン!


 踏み込んで、跳んで、風で軌道を変えて、身体能力だけでは不可能な動きで、さっきより縦横無尽に動き回る。切る度に、跳ぶ度に、加速を加えていく。


「うおっ!ちょっ!まっ!は、速っ!」


 アタシ自身の限界速度まで行くと、さすがにお父さんでも狼狽えたみたいだ。ちょっと面白い。


「ったっく…いい…加減…にっ!“アース”!」

「っ!」


 お父さんの足元が盛り上がり、足場が作られる。急な地形の変化に、アタシは動きを止められた。お父さんは足場から飛び降り、向かい合って構えた。


「はぁ。ほんとに成長したな。魔法まで使わされるとは」

「使わないで済むと思ってたの?」

「正直な」

「むっ。なめられてた。悲しい…」

「あぁ、いや、悪かったよ。拗ねるな。それにしても、あれだけ魔法使って平然としてるとは…尋常じゃないな」

「初級だし、小さく一瞬しか使ってないから、見た目ほど使ってないよ」

「にしても限度があるだろうよ」


 そんなものなのだろうか。


「さて、仕切り直しだな」

「今度はちゃんと本気でね」

「わかってるよ」


 お互いに睨み合って隙を窺う。そして…


「二人とも、そこまで」


 お母さんが声を掛けてきた。


「周りを見てみなさい」


 言われて、辺りを見回して初めて気付いた。


「あちゃー…」

「これは…」


 周囲のいたるところの地面が抉れていた。大部分はアタシが加速したせいだろう。


「お母さん、ごめんなさい。多分、アタシのせいです」

「ちゃんと片付けてね」

「はい…」

「あなたも」

「すまない」

「うん。わかればいいのよ。片付けたらお昼にしましょ」

「「わかった!」」


 お母さんは笑顔で家の中に入っていった。


 アタシとお父さんは急いで庭を片付けた。だいたい終わり、家の中に入ろうとした時にお父さんがふと何かを思いだしたようにアタシを見た。


「ソラ、そういえばどうしたいのかはわかったか?」


 あ、忘れてた。


「夢中で考えてなかった。終わった今でも…まだわかんない」

「そうか。ゆっくり考えればいいさ」

「うん」


 そうだ、少し焦りすぎていたのかもしれない。それに、何かを決めるのはまだ早い。ゆっくり考えればいい。

第8話を読んで頂き、ありがとうございます。


日常にしては少々殺伐としましたが、これは親子の触れ合いです。(`・ω・´)

いやはや、戦闘シーンとは難しいですね。

今はまだ研究中なんで、表現の仕方はぶれるかもしんないです。

かっこよくやりたいものですね。


では、これからもお付き合いのほどよろしくお願いします。

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