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極大魔力の初級魔法  作者: 明日葉 晴
第1章 二度目の人生、魔力とは?強さとは?
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第6話

こんにちは!

明日葉 晴です!

もうすぐ2018年も終わりですね。

みなさんはどんな年でしたか?


それでは本編をどうぞ。

 前回のあらすじ

 村に迫り来る魔物の群れから避難の為に教会に逃げたソラ達だったが、師・バウゼルの危機を知り飛び出すクラウセッド。それを追って走り出したソラに魔物の脅威が襲いかかる。ソラとクラウセッドの連携により魔物を一体退治することに成功するが、束の間、バウゼルと共に魔物の親玉が現れる。バウゼル、クラウセッドが倒れ、怒りと共に魔法を放つソラ。そして、ソラの怒りの大きさを表すような巨大な炎によって、魔物は墨となったのであった…


 ==================


 巨大な炎を見たからか、魔物を追ってなのか、衛兵達は急いで駆け付けてきた。そのなかにはお父さんもいた。


「っ!ソラ!無事かっ!」

「お父さん…」


 お父さんはアタシがいることに驚いた様子で、走る速度を上げ、アタシのところに辿り着き抱き締めた。


「なんでこんなところに…教会には行かなかったのか?お母さんはどうした?」

「えっと…お母さんは教会に…アタシは…」

「まぁいい。無事ならそれで」

「アタシよりも、クラウセッドと先生が…」

「クラウセッド君とバウゼル先生がどうかしたのか!?」

「アタシを庇って魔物に…」

「なに!?」


 お父さんが焦ったように辺りを見回した。丁度、他の衛兵にクラウセッドが介抱されていた。


「彼は無事か!?」

「はい。目立った外傷はなく、気を失っているだけのようです」

「バウゼル先生は?」


 先生が見当たらないことに不安そうにするお父さん。その時、聞いたことのある声が聞こえてきた。


「心配おかけしましたね。私は無事ですよ」

「バウゼル先生!」

「歳は取りたく無いものです。まさか、遅れを取るとは」

「ご無事でしたか!」

「はい、この通り。ソラさんの治療がよく効いたようで。恥ずかしながら、気絶をしておりましたが」

「では、あれはバウゼル先生がやったわけではないのですか?」


 そう言って、お父さんは魔物の死骸を指差した。


「いえいえ、私にはあの魔物をこんなにする魔法は使えませんよ」

「では一体誰が…」

「えっと…アタシ…」


 おそるおそる、アタシはそう言った。


「なっ!ソラが…!」

「うん…アタシも無我夢中であんまり覚えてないけど、“ファイア”を使ったのは覚えてる」

「そうか…なら、より無事でよかった…本当に…」


 お父さんが、アタシをよりきつく抱き締める。ちょっと苦しい。けどとても温かくて、生きててよかったって、今になって思えてきた。


「お父さん…怖かったよぉ…」

「うん、うん。そうだな、怖かったな、よく頑張ったな」

「うっ…うっ…うわぁぁん!」


 アタシはお父さんに抱かれながらいっぱい泣いた。


 ==================


 ひとしきり泣き終わったあと、他の衛兵達もいっぱいこちらにやってきた。


「隊長!魔物の群れは突如統率力を失い、混乱し、その後退いて行きました!数名を警戒に残し、他は中に戻ってきましたが、いかが致しますか?」


 隊長もこっちに来てたのかー、とかそんなことを思ってたら。


「それでいい。こっちは親玉と思われる魔物の討伐が確認出来た。それで魔物共が撤退したんだろう。死傷者は?」


 と、なんとお父さんが応えた。


「はい。死者は幸いにもいません。怪我人は多数ですが、後遺症の残る程の怪我人はいません。悪くても数週間の療養で済むかと」

「そうか、よかった。援軍が恐らくもうすぐ来るが、そちらは無駄足を踏ませてしまいそうだな」

「伝令を走らせますか?」

「そうだな。一応走らせて、近くまで来ていたらこちらで休息をとってもらおう。むこうが引き返すなら、後日、俺が事情説明に向かうと伝えてくれ」

「了解」

「それと、避難してる村人達にはもう出て来てもらおう。しばらくは警戒がいるけど、ひとまず魔物は退いたと言っておいてくれ」

「わかりました」


 そう言って、衛兵はどこかに行った。


「お父さん、隊長なの?」

「ん?あぁ言ってなかったか。一応、俺が衛兵の中で一番強いから、名目上な」

「凄かったんだね」

「名ばかりさ。周りには助けられてばかりだよ」


 そんな話をしていたら、村の人達がちらほら見えてきた。みんな、一安心といった様子だった。

 村の人達の様子をみて、アタシとお父さんが安心していると、お母さんが辺りを見回しながら走っているのが見えた。


「お母さん!」

「ソラ!」


 お母さんが駆け寄ってきて抱き締める。お父さんごと。


「無事だったのね!」

「うん。心配かけてごめんなさい」

「ううん。無事なら何より。それに、私は信じてたからね」

「何を?」

「ソラが無事なことを」

「そうなんだ。ありがとう」

「どういたしまして。あなたも、無事で何より」

「あぁ。リンナも、無事でよかった…が、そろそろ放してもらえないか?」

「あら、ごめんなさい」


 お母さんが気まずそうに離れた。お父さんもアタシを放してくれた。

 他の村の人達も似たような感じで、みんな一様に家族や知人の無事を確めあっていたようだった。

 こうして、村に起きた魔物騒動はひとまず治まったのだった。

第5話を読んで頂き、ありがとうございます。


ひとまず、事件の終了とします。

このあとは、後日談と日常回を数話やろっかなーって感じですね。


それでは、これからもお付き合い頂ければ幸いです。

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