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極大魔力の初級魔法  作者: 明日葉 晴
第1章 二度目の人生、魔力とは?強さとは?
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第2話

引き続きのお付きあい、ありがとうございます!

明日葉 晴です!

本日2話目ですね。

よろしくお願いします。

 前回のあらすじ

 ごく普通の高校生、川本 空は不遇の死を迎える。しかし!不思議体験の後、赤ちゃんへと生まれ変わったのであった…


======================


 赤ちゃんとなったアタシは、それから戸惑いつつも『ソラ』として過ごしていった。


 初めのうちはそれはそれは苦労した。なんせしゃべれないし、自由に動けない。取れる行動が泣くか、じたばたするかの二択しかないのだから。

 だけど、不自由は意外と感じなかった。何故なら、お母さんが凄い。アタシの取れる二択を組み合わせた行動を、全て正確に読み取り世話をしてくれたのだ。お母さんの鑑だね。


 わかったこともある。

 まずここは地球ではない。これは確定。なんせ魔法なんてモノがある。絶対に地球ではない。

 しかし、時間感覚は地球とほぼ同じらしい。

 文明はそれほどでもない。魔法があるからなのか、殆どのことに不便は無さそうだ。

 家族はアタシ、お母さん、お父さんの三人のみ。

 アタシの生まれたところは、『ニィガ』っていう村らしい。名前のわからん王国の、これまた、名前のわからん領主の治める土地にあるらしい。


 そうしてアタシは、少しずつ情報を集めつつ、成長していって、六歳になった。


「誕生日おめでとう、ソラ。」

「ありがとう、お母さん。アタシはもう準備出来てるよ。」

「相変わらず、しっかりしてるわね。そしたらじゃあ、行きましょうか。」

「お母さんの娘だからね。わかった。」


 半分は嘘だ。精神的には二十一歳だから、そりゃしっかりしなきゃね。

 だけど、お母さんもしっかりしてるので、普通に育ってもしっかりしてたと思う。

 ちなみにどこに行くかと言うと、教会だ。

 この世界の人は、六歳になると色々な適性を調べることになる。

 一種の身体測定みたいなものだ。

 と言っても、教会の人に祈ってもらって、その人の基礎的な身体能力とか、魔法の相性とか調べてもらうだけだ。

 ついでに言うと、別にこの時、身体能力が悪いからと言っても、鍛えても無駄ということはないし、魔法と相性が悪いからと言って、魔法が使えないわけじゃない。要は努力次第だね。


======================


「マリン司祭。いらっしゃいますか?」

「はい。リンナさんね。お元気?」

「はい。マリン司祭も息災の御様子で。」

「私もまだまだ元気よ。今日はなんのご用かしら。」

「娘が六歳になりましたので祈りを上げに。」

「あらあら、もうそんな歳になったの?時間が経つのは早いわね。生まれた時に祈りを上げたのが、ついこの間のよう。」

「ソラです。お久しぶりです。マリン司祭。」

「久しぶりね、ソラさん。もう立派なレディね。リンナさんのしっかり者がちゃんと受け継がれてるわね。」

「ありがとうございます。マリン司祭。」


 この人はマリン司祭。教会は、自治とは別の権力がある。この村の教会の人はマリン司祭しかいないので、村長とは別で権力者なのだが、村の人とはとても親しく接してくれる。

 結構な歳のはずなのだが、最初にあった時から全く変わらない。


「では、祈りに移りましょうか。この円の中に入って頂戴ね。」


 指示された場所に行く。


「そこでじっとしていて頂戴ね。」


 言われた通りにしていたら、マリン司祭が祈り始めた。するとアタシの周りに光が降ってきた。


「はい、おしまい。色々わかったわ。凄いわね。」


 早いな。というより、何が凄いのだろう。


「ワタシには、どのような適性があるのでしょうか?」

「そうね。まず、身体適性は普通より少し高いくらいよ。鍛えれば、騎士を目指しても問題ないわ。知能適性も高いわ。現段階で成人と同程度とわかったわ。これだけで十分凄いわね。」


 知能に関しては当たり前だね。精神的にはもう大人なのだから。これで普通並みと言われたら心が折れる自信あるよ。知能が高く、騎士にもなれる身体能力となったらそりゃ凄いだろうね。

 後は魔法適性だけど、マリン司祭のニュアンス的にまだ何か来そうだな。楽しみだ。


「最後に魔法適性なのだけれど、まず、属性は全属性に適性があるわ。そして、現段階の魔力でも、私はこれ以上を知らないほどあるわ。全属性でもほぼないのに、この魔力の量は、私が生きてきた中でもいないわ。」


 魔力の量に関しては全くわからなかった。そもそも、マリン司祭がどんな人に会ってきたかわからないしね。

 その代わり、属性に関しては想像がついた。

 属性とは、地水火風と光と闇と無の七つだ。普通は大体一つか二つの適性で、良くて三つというのが基本だからだ。

 それが七つというと、大賢者並で、過去の英雄譚等にしか出てこないほどのものである。

 ん?でもマリン司祭は全属性でそこまで驚いてはなかった様な…

 まぁ、きっと魔力の量の驚きで消されたのだろう。アタシにはわからなかったけど。


「まぁ…!全属性の適性に、マリン司祭でもわからない魔力ですか!ありがとうございます。この子には能力に傲らず、正しく成長出来る様に努めて参ります。それが私に出来る唯一のことですから。」

「そうですね。私にはそれが出来ると思っていますよ、リンナさん。そして、ソラさん。あくまで、今日言ったことは適性。生かすも殺すも、正しく使うも悪く使うも、あなた次第。これはどんな適性にも言えることね。あなたがどんな生き方をしても私は責めないわ。ただ、私の願望を許してもらえるなら、その高い適性を正しく生かして欲しいわ。」


 マリン司祭はいい人だな。正しく、公正だ。

 なにより、やっぱりお母さんは凄いな。アタシに凄い適性があっても、それを気にせず、変わらずに育てるみたいだ。


「わかりました。神に、マリン司祭に、何より、父と母に恥じぬよう、正しく生きることに努めたいと思います。」


 言ってから思った。あ、これ六歳のセリフじゃないな。と。

 まぁいいか。知能は成人並らしいし。気にならないか。

 そうして、教会を後にした。


======================


 その夜。


「ただいまー。」

「お父さん、おかえり。」


 お父さんが帰ってきた。早い。アタシが誕生日だからかな?娘の誕生日に早く帰ってくるなんていい、お父さんだ。

 お父さんの名前はトーマ、この村の衛兵だ。

 アタシはお父さんに、今日の適性結果を伝えた。


「そっか!凄いじゃないか!でも、だからって他の人を見下したり、理不尽に暴力を振ってはダメだぞ?力っていうのは、誰かの為に使って、初めて意味を持つものなんだからな?」


 アタシは、この世界の両親がこの人達で良かったと、本当に思う。アタシがどうであれ、変わらない愛情を向けてくれる二人だから。


 同時に、前の世界の両親を思い出す。前の両親も、確かにアタシのことを愛してくれていた。性格も世界も違うけれど。

 どちらの世界の両親も、アタシに確かな愛情をくれる。それだけで本当に恵まれていると思う。


「お父さん、お母さん、ありがとう。大好き。」


 急に言ったアタシに、二人は一瞬驚いたが、すぐに微笑んだ。


「お母さんも、ソラを大好きよ。愛してるわ。」

「お父さんも、ソラが大好きだぞ!それは絶対に変わらない!」


 そう言って、二人はアタシを優しく抱きしめてくれた。

2話目まで読んで頂き、本当にありがとうございます!

明るい話が好きだと言うのに、また少ししんみりしてしまいました。

一応、ここまでがプロローグみたいなものですかね。

次回からどんどん物語を進行させたいと、思ってはいます。

お付きあい頂ければ幸いです。

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