表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/18

9.報復

応援くださっている皆様、ありがとうございます。

本日2回目の投稿です。

今日はこれで投稿おしまいです。

「ダイアナ様、おはようございます。」

朝の登校直後に、クリスティーナに話しかけられた。

ユージィンはまだ来ていない。どうやら私1人に用があるようだ。

「クリスティーナ、おはよう。何の御用かしら?」

内心動揺しているが、私のこの悪役顔では悟られることはないだろう。クリスティーナは単刀直入に要求を言ってきた。

「ダイアナ様にお願いがあります。ユージィン様を私に返してください。」

クリスティーナからすれば、私は恋人を奪った憎い恋敵なのだろう。気持ちはわかる。恋人だったのに、あの掌返しでは、人間不信になりそうだ。だけど……。

「私にはどうする事もできません。ユージィンに直接働きかけるべきでしょう。かつての私もそうするべきでした。あなたの邪魔をしないで、少しでもユージィン様と笑い合う努力をするべきでした。」

私、良いこと言った!と思ったのだが……。

「……そんなの、手にした者の戯れ言よ。わかったわ。実力行使に出るけど、恨まないでね?私、あなたが昔から大嫌いだったから、遠慮はしないわ。」

クリスティーナの合図で登場した数人の男――全員やたらイケメン――に私は拘束されてしまった。



場所は講堂。

講堂の中央、演台のある場所に私は拘束されている。

クリスティーナが私の前に立って言った。

「ユージィン様には金輪際近づかないと誓ってください。……でないと、ひどいことになるわよ?」

「どうなるのよ?」

かつて自分がしてきた数々の嫌がらせが脳裏に蘇る。教科書破ったり、水をぶっかけたり、ハンカチ踏みにじったり……。これが因果応報というやつか。

「ダイアナ様の服を切り刻んでその裸体を晒す。これからこの場所で学年集会があるのはご存知ですよね?そういうことです。」

……。因果応報というには、あまりにもお釣りがくる。

「ちょっと!ひどすぎない?!私はそこまでやらなかったわよ!」

思わず叫んでしまった。

「結婚前の女性が多数の異性の前で裸を晒すなんて、考えただけで破廉恥ね!これで婚約は破棄!あなたの社会的地位も……元々評判は最低だったけど……失墜!!」

すごい計画だ。ユージィン様……ダイアナも酷かったけど、クリスティーナも中々です。女運なさすぎです。

クリスティーナの取り巻きの男達がナイフを持って私に近づいてくる。

「誰か!助けて!!」

「無駄よ。内側から鍵をかけてるもの。最も、鍵が開いてたとしても、ダイアナ様を助けるような人は誰もいないわ。」

そんな事ない!1人いる!


「ユージィン――――!!!」


私が叫んだ瞬間、物凄い音がして講堂のドアが吹っ飛んだ。

砂塵やドアの木片の向こうに―――黒い髪が揺れた気がする。


「クリスティーナッッ!!!」

低い怒声に身の毛がよだつ。こちらに向かってくるユージィンは既に金髪だったけれど、その迫力たるや。

男達はほぼ全員恐怖で逃げ出した。逃げなかった者は、「悪魔…………。」と、呟きながら床にへたりこんでいる。クリスティーナの顔には恐怖が張り付き、歯はガチガチ鳴っている。

ユージィンが怒るとこんなに怖いんだ……。

ユージィンは私の元に来て、私の拘束を解くと、「怪我は?」と聞いてきた。

「ないわ。」と答えると、よし、と息をついて、「では今からこの者達を断罪する。私の本当の名を呼ぶがいい、ダイアナよ。」と言った。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ