第五話 妖精、翠との出会い
第五話も読んで頂きありがとうございます!
高雄型重巡です!(๑•̀ㅁ•́ฅ✧
もう少しで僕らは修学旅行!楽しみだな〜٩( ´ω` )و
8月5日、午後一時、東京支部近海
「しっかし探索って言っても船すら見えないのに...」
レーダーやソナーを見ながら近藤は独り言を呟く、
「またですかー?隊長、もう同じような事何回も言ってますけどまだ2時間しか経ってませんよ?」
呆れたように皐月が言う
第三艦隊、近藤隊は東京支部の北東側を探索中で絶えず僚艦との連絡をしていた
「うっせ」
そう言うと近藤は艦橋を出て艦首へ行くと、仰向けになり照りつける太陽を凝視する、その時近藤は太陽の端を何かが飛んでいるのに気づく
「ん?影?」
レーダーを上空に集中させると、そこにはアンノウンの表示が出た
「全艦対空警戒!上空にアンノウン1機!」
アンノウンは艦隊に気付いたのか、高度を下げてきていた
「磁気防壁展開!アンノウンが攻撃したら、攻撃する!」
近藤はアンノウンが降下してくるのを見ながらVLS(垂直ミサイル発射機)の発射の準備をしていたが
「こちらタリアン連邦第三対古龍艦隊、第42飛行隊4番機、近衛 翠、聞こえますか?“コマンダー”」
これまで近藤はアンノウンはレシプロ機だと思っていたが、目の前にホバリングをして真っ直ぐに近藤を見つめている少女は、全身を零戦のようにペイントされた鋼の翼を身にまとい機関銃を両手に二挺装備していた
「こちらは国境無きPMC、東京支部第三艦隊部隊長の近藤だ、ああ、聞こえている、だが俺は貴方のコマンダーではない、異世界から来た傭兵だ」
皐月と深雪が見守る中、近藤は阿賀野の磁気防壁を切る、それを見て翠も両手に持っていた機関銃を甲板に棄てる
「いいえ、貴方は私の唯一無二のコマンダー、そう私は確信しています」
いきなり出会ってコマンダーと呼ばれた近藤は武装を解除し翠を艦内へ招いた
「こちら近藤、アンノウンは味方と識別!しばらく翠と話をする」
「了解!」「...了解」
飛行していた時に使っていたユニットは館内に運び、近藤は翠に
「なぜ、初対面のはずなのに俺を司令官と呼ぶんだ?」
艦長室に入ると近藤はコーヒーを用意しながらった
「私達は妖精と呼ばれていて、私達はコマンダーのような力のある人を求めて普通の人間のフリをして、ついにコマンダー(あなた)と出会えた」
用意した淹れたてのコーヒーを貰い、翠は飲もうとしたが、自分が猫舌だという事を思い出し、やめた
「という事は、翠は俺を見つけてやって来たと」
翠は頷きコーヒーをふーふーと冷ましながら飲む
「コマンダー達が壊滅状態させた第三対古龍艦隊との戦闘の時私はコマンダーを見つけて嬉しかった、例え異世界から来た人でも」
そう言うと翠は近藤を抱きしめて
「今日から私はコマンダーのも...の」
そう言うと翠は急に近藤に全体重を預け、倒れてしまった
「翠!おい!どうした...みな...い!」
近藤の声が遠くなるのを感じながら翠は気を失ってしまった。
ー近藤の必死に叫ぶ顔を見て安心しながらー
『アンノウン』海上や空での未確認物体の事。
『VLS』垂直ミサイル発射機、この場合阿賀野には対空ミサイル(スタンダードミサイル)が装填されている
『コマンダー』妖精達の能力の力を発揮させる特殊な能力を持った者、550万人に一人いるかいないかの確率でコマンダーは産まれる。
『妖精』通常の人間以上の能力を持つ者達、1万人に一人の確率で妖精は産まれる、尚、この能力はコマンダーとの信頼関係がないと使えない、人間の世界に完全に溶け込み、コマンダーに出会えず一生を過ごす者が多い。