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軌道のベルボア (仮)  作者: Tony_Lewis
【PAD-1】2345 F.G.W.-N.R.S. Penzance
2/5

零時の旅路

F.G.Wが運行するロンドンからイングランド最西端付近までの特急。

所要時間:8時間(夜行)・5時間半(日中)

営業距離:約480km

終点到着時刻:0753 +1day

特記:Night Riviera Sleeper(寝台車仕様)

【23:30】London Paddington

ロンドンの西部主幹駅であるPaddington駅は今日も混雑している。

もうまもなく零時を回ろうという時間であるが見渡す限りの人である。

終電まではまだ数時間あるがこの人たちは何処へ向かうのか。

発車15分前にもかかわらず電車が来ないもので

途方に暮れつつも楽観的に若く見えるアジア系の男はホームを見ていた。

そして五分ほどホーム脇の柵で頬杖を着いていると見えてくる物がある。


まずは、5番線と6番線にくる空港特急。

これはロンドン・ヒースロー空港とロンドン中心部を45分で結ぶ特別特急だ。

とてつもなく頻繁に行き来するのが印象的な列車だ。


その他のホームはイングランド南部の中部ReadingやOxfordへ向かう列車のようだ。

どうやらこちらは遅れているようで電光掲示板で遅れの案内が出ていた。

ただ何分遅れなのかは出ていないようだ。

どうなのだろう?


暇なので手元のスマホアプリで検索してみることにした。



【23:35】

どうやら5分ほど遅れているようだ。

ついでに乗る予定の列車を確認するとこちらも遅れており、

未だに車庫にいるようだ。

大丈夫なのだろうか・・・。



【23:45】

定刻になった。

だが乗る電車は現れる気配すらない。

そして未だ電光掲示板にはホーム番号すら表示されていない。

困った何処へいけばいいのだろうか・・・。


そう思っていると不意に機械音声の放送が流れた。



1番線に入線の電車は23:45発F.G.W.運行、

Penzance行きです。途中....に止まります。

この電車は10分遅れて運行しております。

お詫び申し上げます。



どうやらやっと車庫から出てくるらしい。

とりあえず1番線まで早歩きで向かうことにした。



【23:55】

緑色に照明で輝く気動車が見えてきた。

どうやら前後1両の気動車2両体制での運行のようだ。

終点まで乗るので先頭車まで歩いてきたがさすがに長い。

気分的にはグラウンドを一周した気分だ。

いつもは夢の中の時間にするにはきつい運動である。

しかしとりあえず乗車しようとするがドアランプが点灯していない。

どうやらまで車内整備中のようだ。

いったいいつ乗れるのだろう。

少々不安に思うのであった。


しかし暇である。

元々適当な空いている座席ですぐ寝るつもりだった。

車外で時間を浪費するのも無駄である。


「しょうがない。空いている席を車外から探そう。」


幸い英国国鉄は基本的に予約席には長方形の紙が差し込まれている。

つまりはそれがない席をさがせばいいわけだ。

ただ結果は見つからずじまいとなったわけだが・・・。




【23:58】

やっとランプが点灯した。

乗車開始である。

電光掲示板も何の洒落か”遅延/搭乗中”と交互に表示されている。

あまりおもしろくない洒落である。

だがそんな事を気にする人はいない。

まさに英国である。



【00:00】

結局、あの後しばらく車内をさまよったが座席は見つかった。

ただ不幸があった。

なんと空調が故障しているようである。

外は25℃の軽い熱中夜にこれはきつい。

しょうがないので車両間のロビーエリアの窓辺に居座るのであった。



そして、電車は定刻を18分遅れてLondonを後にした。

この後、どんな物語が待ち受けているのだろう。

そんなことを思いながらとりあえず暑いので窓を全開まであけて真夜中のロンドンの過ぎ去りし景色を眺めるのであった。

あの時は本当に18分遅れくらいでしたね。

でもイギリスだとよくある事ですね。

冷房が壊れていたのも仕様ですw

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