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5話 戦闘と戦法

戦闘と戦法



 初めの町から南にある草原にやってきたわけだが、いかんせん人が多い。ここで出てくるモンスターは初心者には戦いやすいスライムやゴブリンといったモンスターだ。


「とりあえず戦うか」


 人型から獣人型へと切り替える。


「おお!」


 爪や牙が伸び耳がとがった。


「哺乳類っぽい」


「ピキー!」


 何かが足もとで鳴った。緑のプルンとした生物だった。


「スライムか!」


 ナックルを装備した腕で思いっきり振りぬく。ぐにっとした感触でスライムが吹き飛んだ。なにこれ癖になりそう。


「ぴー」


 お、弱っている。どうやら上からの攻撃には弱いらしい。


「よっしゃ!ラッシュだ!」


 吹き飛んだスライムに接近し、


「打打打打打打打打打打!だりゃあああ!」


 最後に拳を振りぬけばスライムは弾け飛んだ。


「なるほど、攻撃される前にぶっ飛ばせばいいんだ!」


 しかし、一撃目ほど大きなダメージが見受けられなかった。


「うーん。ん?カウンターか?」


 微妙に飛びかかってきていたスライムを地面にたたきつけたつまり、


「弱点は裏!」


 次見つけたら蹴り上げだな。


『スキル「ラッシュ」を覚えました』

 

ラッシュ:1ターンの間敵に複数回攻撃を当てる。一番多く当てた時のまま攻撃できる。ただし、武器の種類によっては回数が減る。現在10回。


 おお!すげー!良いスキル当たったんじゃね!?よし、この技でスライムを潰す!


 しかし、次に現れたのはゴブリンだった。


「ぐひひひ」


 不気味に笑う。


「キモいんだよ!」


 拳を思いっきり顔面に突き立てる。


「ぎひっ!」

と気持ち悪い声で短い悲鳴を上げる。


「お呼びでない!」


 今度はレバー、そして脛を蹴る。どうやら基本的には人間と一緒のようだ。


「顎!後頭部!鳩尾!」

 連続で弱点と思わしき箇所を殴り続ける。


「顔面!」


 やはり一番の弱点は頭部のようだ。頭の上に会ったゲージが一気に減りついには空になる。


「よし!にしても人が多すぎる」


 プレイヤーが密集していてモンスターのほとんどを他人に持っていかれてしまう。


「よし移動だ」


 それしかない!もう我慢の限界だ!北側に森があるというのでそっちに行ってみよう!


「……遠い」


 意外というか当然というかこの最初の町、広い!


 なぜみんながあの南の平原に集まっていたかというとアイテムや武器を買ったり売ったりできる場所が中央街以外でもあるからだ。しかも死に戻りした時も神殿(最初に出てきた遺跡のようなところ)がないらしい。


「でも人は少ないな」


 てか、普通にショップあるし。てか普通に神殿あるし。


「君、今来たばっかりだな?あんまり人に言うなよ?人が集まると効率下がるから」


「誰だよ。あんた」


「村雨というクローズドからの参加者だ」


「俺は冬。製品版から参加している。何点か聞きたいことがある。なんでみんなこっちに来ないのにあんたはこっちにいるんだ?」


「もうこっちに来たから黙っててもいずれは解るか」


 村雨は諦めて口を開いた。


「オープンではこっちに神殿がなかったってのは知っているか?」


「ああ、知っている」


「製品版から、あそこにできている。ショップもできた。けど、みんな、まだ知らないんだ。おかげで俺らの効率はいいがな」


 そういって街の方に向かっていった。


「君も飯と睡眠だけはとった方がいいぞ。でないと倒れるから」


「どういう事?」


「リアルでは体は寝ているがVRをやっているということは脳みそが起きているんだ」


 つまり定期的に眠らないと倒れる。


「飯は?」


「簡単だ。製品版から空腹ゲージが設けられている」


 ステータスを見てみると変なゲージがかなり減っている。


「これが減ると半獣になれないし、ステータスが半分になる。飯を食えば回復してくれる」


 この人、以外と面倒見がいいな。


「よし、先生と呼ぶことにした」


「は?」

 村雨こと先生はあっけにとられて呆然としている。


「先生、北にいるモンスターのレベルは?」


「基本的には3~5だ。ボスはもう少しレベルは高いがな。基本的に初心者よりもある程度実力のある人間ならレベルが低くても戦える」


「ありがとう先生」


「その先生というのやめないか。恥ずかしい」


「じゃあ、飯食ってくるよ。ありがとう、先生」


「ああ、じゃあな」


 先生は何系なんだろう。なんか小刀みたいなのを腰のあたりに持ってたな。ナイフ使いか?またマニアックな。


「いらっしゃい。何にする?」


 おばちゃんのNPCが声をかけてくる。


「えっと……メニューは?」


「はいよ。どうぞ」


 単品メニューが骨付き肉、ゆでキャベツ1玉、卵。セットメニューが焼肉盛り合わせ、山盛りサラダと野菜ジュース、ゆで卵と卵焼き。


 なんとおばちゃん、かなりワイルド。ゆで卵と卵焼きって卵しかないじゃん。


「悪いね、最近材料の入りが悪くて。そうだ、森に入って料理の材料を取ってきてくれないかい?」


『クエスト、「北の食材調達1」を受けますか?』


 おお!初クエスト!もちろんイエス!


「ありがとうね。調達してきてほしいのはこんな食材だよ。それと森にはいろんなモンスターがいるから、気を付けてね」


『何かの肉』『野菜』『卵』『そのほか食材アイテム』


「ざっくりしてるな。あ、飯食いに来たんだった。おばちゃん、骨付き肉」


「ありがとね、100Mだよ」


 100Mを支払い、骨付き肉を食べた。よくアニメとかゲームで出てくる感じのやつだった。味は……まぁ、キャベツ丸齧りよりはましだろう。


「材料を集めれば改善されるかな」


 とりあえず、素材回収がてら外に出て戦うか。

 冬は森のフィールドに足を向けた。


おまけ

冬「〇斗百烈拳!」

スライム「そういうこと言うな!」

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