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4話 集合と解散

ペースとか知ったこっちゃねーですよ。どうせ今日しか投稿のチャンスがないので投稿できるだけ投稿します。

集合と解散



「さてどうしたものか」


 逆転の発想をすればしばらくはゲームし放題ってことじゃないか?


 いやいや、いくら夏休みとはいえ


「もしかして、おにいちゃん?」


「ん?」


 振り向けば中学生ぐらいの黒髪で肌の白い少女が立っていた。どっかで見たことがある顔だ。


「ん?もしかして春美か?」


「やっぱり冬弥おにいちゃんだ!」


 実の妹でした。


「ここでは冬な」


「私は春ね」


 うわ、二人とも面倒臭がったな。


「じゃあとりあえず、近くのレストランにでも行こう。お母さんたちもいるから」


「ん?もうみんな合流したのか?」


「うん。ていうかみんなそんなに顔変わってなかったからすぐにわかったよ。名前もそのまんまだったし」


 このサボり家族め。




「父さん、母さん」


 レストランに入ると父さんと母さんがいた。


 てかほとんど一緒だし、何が、驚きが減るだ。ある意味驚いたが普通はかっこよくなっていたり、かわいくなっていたりするもんだろ?ちょっとしか変えないって……。ていうかそれは俺もか。


「よう、冬。ご機嫌だな」


「ああ、ご機嫌だね」


 ゲームし放題なんだから当たり前だろ。


「あ、冬、何になったの?私は鳥系よ」


「哺乳類系」


「父さんは、虫系だったぞ」


「お父さんにぴったりでしょ?」


「おい、娘よ。それはどういう意味「それとこの人!忘れてた!」無視か!?」


そこには勝谷さんがいた。


「おはようございます。このたびは申し訳ありません」


 いきなり謝罪だ。


「あれはどういう事?」


「それを説明するにはまず、人工知能オーディンとロキについて説明しなければなりません

 人工知能オーディンはこのゲームの運営のサポートとして各個人の能力やスキルの制御を行っていまし

た。人工知能ロキはさらにそのサポートとして造られたものでした。しかし、ロキは我々の意図に反した動きを始めたのです」


「人工知能が暴走を始めたと?」


「簡単に言えばそうです、ロキは自分の名が悪戯好きの神だと知ると小さな悪戯を始めました。初めはオーディンにも止められる範囲の悪戯でした。しかし、それがエスカレートし始め我々では手が付けられないところまで行き始めたのです」


「どういう事?」


「ウィルスの生成です。凶悪なプログラムではないものの自らオリジナルのウィルスを造り始めてしまったのです。ですから我々は彼を隔離したのです。他とは隔離したサーバーに入れました」


「ならなぜここにいる」


「メンテナンス用に入れられたソフトと入れ替わったのですよ。ウィルスまで作れる彼の成長はとどまることを知らず、そんな高等なことまでやってのけたのです。そしてそのメンテナンス用のソフトは外で使われました」


「なるほど、で逃げられてこのざまってことか」


「ええ。彼の目的はおそらく我々開発者への復讐。投獄した我々への仕返しでしょう」


「で、俺たちの命はあいつに握られちゃったわけか」


「申し訳ありません」


「でも、勝谷さんがいるってことは運営も入って来れるってことだろ?」


 なら、ゲームをよく知った人が入って来れるということだ。これでこうりゃくも安心して進むな。


「すいません、私はマーケティングのために予め入っていただけでして……。さっきの話はロキに入られた直後、上司から聞かされた話でして……」


 なるほど助けはないと。


「ちょうどいい」


「へ?」


「ちょっと行ってロキをぶん殴ってくる」


 席から立ち上がった。


「そんなのダメに決まってるだろ?」


 父さんが立ち上がった。

「俺が切り刻む」

 持っていた刀を振っている。


 それを見ていた春が冷静に

「ダメ。私が頭ぶち抜くんだから」

 銃を磨きながら言う。


「あらあら、みんな。ダメよ。私が焼き尽くすんだから」

 母さんの懐からロッドが出てくる。


 勝谷さんが目を丸くしていた。

「正気ですか!?反抗すれば殺されますよ!?」


「あいつはそんな奴じゃないよ」


「え?」


「俺には分かる。あいつは人の言いつけは破るが自分の言ったことは守るタイプだ」


 自分の中に何か芯を感じるしゃべり方だった。


「そうね」

「同意」

「異議なし」


 そういってそれぞれが違う出口から出ようとする。


「一緒にはいかないんですか!?」


 勝谷さんは家族なら同行するって思っていたらしい。


「いや、それぞれが同じ目標だからと言って必ずしも手を組むとは限らないんだよ」


「所謂、利害の不一致だね」


「そうね、気が向いたら合流しましょうか」


「同じやつをぼこぼこにするなら初めにぼこぼこにした方が気持ちいいでしょ?」


 大上一家は競合他社の関係だ。少なくとも今は、だ。


「じゃあ、行ってきます」


 驚きのあまり硬直する勝谷さんを視界から外して店を出た。


「狂ってる……」

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