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34話 当主と命名

当主と命名



 ギルドを結成するためにみんなで会議をしています。


「ギルマスは冬で良いよね?」


「大丈夫だ、問題ない」


「サブマスは白雪で」


「決まってるの?決定事項なの?」


「大したことはしないさ。暴走する冬を止めるのが役目だから」



 俺、暴走なんてしたことないけどな。


「で、私たちは?確か人材不足がどうのこうの言ってたけど?」


「ああ、経理や資材の管理者だ」



「正直、白雪が万能すぎるからほとんど仕事をこなせるわけだけど、一人に押し付けるのは厳しい、しかし、私たちは戦闘員だから経営管理とか金銭管理とか苦手でね」


「うちの方針としては基本的にギルマスが人間関係のもめ事を解決したり最終的な決定権を持っている。サブマスはそのほかの情報をギルマスに進言、相談する。情報収集、金銭やアイテムの管理はそれぞれ担当をつけようと思っていたんだ」


「なるほど、先生たちは情報収集が得意でも金銭管理は苦手だもんね。冬程じゃないけど」


「そんなことないだろ?」


 先生は俺に金を借りてるし、俺の方が金銭管理できてるって事じゃね?


「お主、このゲーム内における金銭感覚が全く分かっておらん」


「え?」


「1Mが1円と思っているからな、この馬鹿は」


「え?違うの?」


「馬鹿か。土地が300万で買えるわけないだろ。桁が一つ違うんだよ」


「え?3000万円なの?」


「場所によってだけどなおおむね妥当だな」


つまり昨日のあれは8000円のヌイグルミという事か!?うわあああああああああああ!


「なんかすごい落ち込んでるぞ?」


「そっとしておいてあげて。自分の馬鹿さ加減に気づいたのよ」


「ふ、冬くん、しっかり」


ああ、白雪の声だけが優しい。


「ギルド名どうする?」


「私立村雨学校」

「虎鉄塾」

「お前ら先生気に入りすぎ」

「白雪城ってどうです?」

「ここはニコラ研究所じゃろ」

「馬鹿言わないで!アテナの裁縫箱でしょうが」

「馬鹿の祭典がぴったりだと思うぜ!」

「「「「「「それはない!」」」」」」


 こいつらもめすぎだろ。仕方がないここは

「冬とゆかいな仲間たちで」

「「「「「「ベタすぎるだろ!!」」」」」」

えー。いいと思ったんだけどな……。




「えー、じゃあ各人自分の名前を出さない形で提案するように」

っていうか俺がギルマスなのになんで自分の名前つけたがるの?

 

 ・・・


・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・



「なんなんだよ、お前ら!さっきのしか考えてなかったのか!?」


「違う!考えてた!」


「だがさっきの縛りで全部使えなくなっただけだ」


「み、右に同じ」


「お、お前らなぁ……」


 こいつら俺以上に問題児じゃないのか?


「スティロディアルキアスなんてどうだ?」


 虎鉄先生が言う。


「え、なにそれカッコいい!」


「意味は?」


「ギリシャ語でボールペン」


「ふざけんな!」


「ならカネタエスフェログラーフィカはどうだ?」


「意味は?」


「今度こそまともであれ」


「ポルトガル語でボールペン」


「なんでボールペン押しなんだよ!」


「クーゲルシュライバーは?」


「どうせボールペンなんだろ?」


 虎鉄先生は舌打ちして席に座る。


「それ逆切れだろ!」


「因みにドイツ語だ」


「どうでもいいわ!!」


 どうしたものか。


「そうだなぁ……狼の寝床なんてどうだ?」


 まあ却下されるだろうけどね。


「お、良いなそれ」


「うちはマスターもサブマスも狼だし」


「狼のいる家は寝首を欠かせませんってことだな」


「決定だな」


「狼の寝床で」


なぜ満場一致!?まさか


「もしかして面倒になった?」


「なんでわかった」

「君はエスパーか?」

「感だけはいいわね」

「そんなことないですよ!ただ、ちょっとお腹すいただけで」

「ギルド名なんてぶっちゃけどーでもいいわ」


 こいつら……。



結局 狼の寝床で確定した。


普段おまけを書いているのですが、あのおまけ没ネタなんですよね。

今回没にしたネタがないので書きません。

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