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24話 豚肉と鶏肉

豚肉と鶏肉



「おばちゃん!食材持ってきた!」


「おお!昼の森に出てくるモンスターの肉だね。これは良い食材だね」


 もう見慣れた光景だ。


 だが何度やってきてもウキウキは止まらないな。


 ここに来るとお金がもらえるし、何と言っても新しい食事が増えることが最大の楽しみだ。


「これでうちの店のレパートリーが増えたよ。また食材が手に入ったらうちに入れてね。これは報酬だよ」


 4000Mか。量はあったが最初から解放されているマップの昼間だ。まぁ、こんなもんだろうな。


『昼の森の下級食材をすべて収めました。ボーナスとして1000Mと武器くじ引き券(梅)を手に入れました』


 梅ならあまり期待しない方がいいな。まぁ、オオカミのフードの件もあるから一概には言えないが、先生たちはあまり引きがよくなかったのか残念な表情で帰ってきたのを今でも覚えている。そしてあの恨めしそうな目も。


『森の下級食材をすべて収めました。ボーナスとして初心者料理セットを手に入れました』


 うーんあんまりいらないかな。


「取り合えず、飯だ!」


 増えたメニューは豚の生姜焼き、親子丼、鳥の唐揚げ、鹿肉の味噌漬け、蛇の南蛮焼き、山菜の漬物、卵焼き。


 おい、昼と夜の差別化が大きすぎるだろ。昼が普通で夜がゲテモノ?そりゃ夜プレイヤー減るわ。


「豚の生姜焼き」


「私は鳥の空揚げ」


 出てきた物の香りにやはり驚かされる。この生姜とタレの匂いに胃袋を刺激される。


 グルグルと獣のようになる腹を満たすために生姜焼きを口に入れる。


 豚肉の臭みは生姜で消され、顎に程よい触感が肉を食べていると実感させられる。甘辛いタレが俺にあれを欲させる。


「米喰いたい!!」


 もちろん米は肉ではなく植物扱いなのでバッドステータスが出る。それでも食べたい白米!あの艶のある炊き立てご飯を食べなければしばらく俺の欲求は満たされないだろう。


「許されないだろうか」


「冬さん、死ぬ気ですか?」


 どうやら白雪はバッドステータスを受けたことがあるようだ。


「いや、我慢する」


「その方がいいですステータスが半分以下になるのでちょっと強いところに行けば死にます。私もそれで何度かデスペナルティを受けたことがあります」


 すごい遠い目をしている。


「白雪、唐揚げどうだ?」


 泣きそうな白雪を見て、あわてて話を逸らす。


「あ、はい!とってもおいしいです!サクッとした衣と肉の触感が最高です!噛んだ瞬間肉汁が溢れてきて、これぞお肉って感じです!」


 唐揚げの油で唇が光っててエロいと思ってしまったのは内緒です。そしてそれを指で拭く白雪はちょっとずるいです。


「じゃあ、先生たちと合流するか」


「その前にくじ引きしていきませんか?」


「あ、そうだな」


 くじ引き屋のある中央街へと足を向けた。


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