18話 土地と金作
土地と金作
「せ、性別、お、女!?」
こんな変態が女!?俺、ちょっと女という生物に絶望しそう。
「それにレベル20だと?」
「ああ、レベルは生産職のレベルもあるから。実質は戦闘が10で生産が10。レベル10までは比較的上げやすい土地だし戦闘の方はほどほどにして生産職に徹しようかと思ってるよ」
このゲームでは生産、遊び、戦闘、なんでもいいので経験を積めばレベルが上がる。それを細かく分類したものがスキルだ。ただし、スキルのレベルのトータル=レベルではない。レベルはプレイヤーのステータスに影響し、スキルレベルは技の威力や性能に影響する。初めての事を経験すればより多く経験値がたまるがステータスは平均的になるらしい。逆に同じことの繰り返しだと偏ったステータスになる。俺のように、な☆
「おかげで器用なんだけどね」
「ところで土地代ってどれぐらいなの?」
「えっと、ピンきり。こっちの想定してる家の大きさだと、200~300万ぐらいかな」
「200万でも20分の一は持ってる」
「すごいな!かなりの金持ちだぞ!生産職でもそんなに持ってる人少ないと思うぞ!?」
おかげさまでボスで頂戴したお金と雑魚の素材を売ったらそんなもんでした。食材アイテムもおばちゃんに買い取ってもらったらいつの間にかこんな金額になってました。
「でもまぁとりあえず、材料と建てるところが見つかったら呼び出してくれよ。あ、呼び出しがなくても村雨さんの呼び出しならすぐ行くからはぁはぁ」
複数の意味で凄い変態だな。
「200万って言ったらあのボス、200回分ってところだな」
「ああ、そうだな。しかし、素材がそろえば売ってしまって問題ないのだろ?ならもう少し少なくて済むはずだ」
「因みに今持ってるアイテムで売ればいくらで売れるか知りたいよね」
「だな」
「ああ、知りたい」
ちょっとショップに行ってきます。
「ありがとうございました!」
「今ので15万だったな」
阿修羅面樹1回目(2人)+2回目(3)で15だから一人につき3万前後手に入るという事だ。つまり阿修羅面樹一回につき、10万円程度稼げる計算になる。元の20万たしても、最低で18回は行かなければいけない計算である。
「最低でも2~3は素材集めに行かなければいけないのでざっくり20回か」
「いや、それはいくらなんでも時間の無駄遣い過ぎる」
「じゃあ、金稼ぎはあのビルの向こうに期待するか」
「だな」
というわけで阿修羅面樹に挑む。
どうやら実力差が出てき始めたようだな。
「ヒュ!当たらないな!」
「余裕」
「これでとどめ打!」
『阿修羅面樹を5回倒しましたボーナスでドロップアイテム増』
「え?」
地面一杯にアイテムがドロップする。おお!出てなかったウッドジュエルが大量に!
『あーあ。君ら阿修羅面樹に恨みでもあるの?』
ロキだ。
『そんなに睨まないでよ。そんなに睨んだって君の前に出て行ったりしないから。あ、ここで説教はじめても声をカットするだけだから。で、君はクリアするまで声を出せなくして上げるwww。ボスは一定回数倒すとボーナスとしてドロップアイテムが増えるから。今日はそれだけ伝えに来ただけ。それは僕の改造とかじゃなくてもともとの仕様だからね』
「言わなきゃわからんものを」
『まぁ、阿修羅面樹にあんまり需要がないからこいつだけ特別に回数が少ないんだけどね。ほかは10回以上だから』
「黙れ、出てこい。出てきて喋れ」
『はいはい、出て行かないから帰ります』
音声はぱったりと途切れた。
「はぁ……とりあえず、ドロップアイテムは回収だな。これで材料は集まったな。余ったのを売ればいいところまで行くんじゃないか?」