11話 火炎と畏怖
火炎と畏怖
というわけで中ボス戦なわけだが、やはり敵は3体。
「あら、ちょうどいいタイミングね」
母さんが新しい炎の魔法を習得しました(泣)。
「インフレア」
母さんの中心に炎が広がる。参餓狼にあたった瞬間体力ゲージがグンと減る。
「あら、一回打つのにMPの7割を持っていかれるのね」
笑っている場合じゃないよ!母さん目掛けてオオカミが飛びかかっていく。
「いけない子ね」
ロッドでオオカミをいなす。勢いのついたオオカミは俺の方に飛んできた。
その勢いを使いカウンターを決めると
「ギャン!」
そのまま死んだ。
「おい、秋さん、ありえないだろ。さっきのなんだったんだよ」
「えーっと炎の全体魔法ですって」
「そりゃ見ればわかるって!」
「炎の魔法で20体以上倒せば出る魔法で、威力、中だって」
もうやだ。きっといろいろすっ飛ばしてるよ。
「で、もう一つは?」
「もう一つ?」
「さっきいなしてただろ!っと!」
「ああ、これね、と」
また攻撃をいなす。オオカミの軌道がこちらに変わる。もちろんカウンターで反撃。しかし倒せなかった。
「スキル、受け流し。攻撃を激減させることができる技ね。ただし、器用さが低いといなせないわ」
「で、母さんは器用だから受け流せると。ッと危ない」
「ええ、そうよ、ほら後ろ、フレイ」
先ほど倒しきれなかったオオカミにとどめを刺した。
「アッという間に2匹ね。さすが冬ね」
「ほとんど母さん一人で倒してるよ」
「そう?じゃあMPなくなったから最後はよろしくね」
「え?」
「よろしく~」
そういうと母さんは回避に徹しだした。
「ああもう!ラッシュ!」
「ギャン!」
あれ?参餓狼が死んだ。
「その顔、なんで倒せたかわかってないわね。あなたレベルが上がってるのよ?ちゃんと戦えるようになっているんだから」
「だって、ダメージはちょっとしか変わってないし」
「初期防具だからじゃない?」
ア……
「ありがとう、おかげで良い武器を造ってもらえそうだわ」
もう勘弁してください。
「てか父さんと行動してないの?」
「あの人は、しばらくソロでやるんですって。あと春ちゃんはいろんなパーティと組んでるそうよ」
へー近況が解ったのは良かったかも。なんだかんだで心配は心配だからな。
「じゃあ、私はそろそろ行くわ。眠いもの」
「ああ、じゃあな」
「あ、フレンドは登録しておきなさい」
無理やり登録させられた。
名前 冬
性別 男
レベル 10
類 哺乳類系
種族 オオカミ
個体名 なし
LV10
HP120、MP40、STR60+10、VIT40+5、DEX40+5、AGI50、INT20+5。
武器:酷狼の爪 ナックル系武器、攻撃+10、斬撃。
防具:狼のフード