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1話 序幕と窃盗

初めて書きましたのでつたない部分、誤字脱字があると思います。

MMOもほとんど初心者なので矛盾もたくさんあります。

そんなのでもOKという方は読んでいってください。

序幕と窃盗


VRMMO。仮想空間で大規模に行われるオンラインゲームだ。


最先端技術だけあって元は軍事訓練用のシミュレータだったものだ。


パソコンよろしく一般人にも手が出る値段まで落ち着いてきた。


そして俺、事 大上おおうえ 冬弥とうや(16)の手にもそれがやってきた。


まさか、というか青天の霹靂というか、たまたま手に入ったといってもいい。




半年前。学校からの帰り道。近所のオフィス街。いつもなら通り抜けるだけで終わるビルが立ち並ぶ街。裏通りを通れば呆れるくらいに人が少ない。自転車なら人通りの多い表通りよりもこっちの方が時間短縮になる。


「だ、だれか!ど、ドロボー!ひったくりだ!」


 なんというか単純な手だ。自転車に乗って歩行者から鞄を奪う。歩行者はどんなに走っても相手が自転車では追い付けない。自転車なら車番は無いし、乗り捨てられた自転車を使えばまずつかまらない。


 そんな単純な犯罪者がこちらに向かってやってくる。


「え?うそ!?」

 俺はパニックになった。気が付けば無我夢中で自分の籠の中に入っていた鞄をひったくりに向かってブン投げていた。


 なんと運よく顔面に鞄が直撃。自転車は横転。


 犯人はそれでも逃げる。しかもこっちに向かって。いや、逃げているのではない。激怒している上に、こちらは何も持っていない。


「うっ、わー!」


 またも無我夢中で走り出していた。こうなったら破れかぶれだ!


 思わぬ反撃に驚いたのか相手は急ブレーキをかけた。意外と小心者だったらしい。


 しかしこちらも負けじと小心者。殴るつもりだった右腕が緊張で固まってしまった。しかし、


「うぐっ!」


 二の腕が相手の首に直撃。ラッキーパンチならぬ、ラッキーラリアットが決まったのだ。


 相手の男は地面に激突した。


「ひゃ、ひゃくとうばん!」


 スマートフォンを取り出し、警察に連絡する。


「はぁはぁ、も、もしもし、警察ですか!?ひったくりです!ええ、場所は……」


 場所を教えると5分後、警察官がやってきた。


 俺は警察署に連れて行かれ事情聴取をされた。初めて入った調書部屋。刑事ドラマみたいに狭く薄汚そうな部屋ではなく、広めの明るい部屋に通された。なんでも容疑者と参考人は別の部屋に通されるとか。


 後日感謝状がもらえるとのこと。いいことをした。会社を出た時、声をかけられた。


「き、きみ、ありがとう!」


 ひったくりされた男だった。男はゲーム会社の社員だった。名前は勝谷しょうや 信夫のぶおという。


「君のおかげで仕事のデータが盗まれなくてすんだよ」


 そんなものを持ち歩くなと言いたかったが、どうやらメールすら拒まれるほどの内容だったらしい。大事そうに抱えていたので金目のものと勘違いして盗んだという事。アナログの方が漏洩しにくいが、ちょっとやりすぎたようだ。


「お礼にこのゲームがオープンβになった時に招待してその時に参加してくれたらサービスするよ」


「いや、俺、VR持ってないんで、折角オープンやっても製品版ができないです」


 VRは専用の機器がなければ使うことができない。ヘッドギア状の機械だ。友人の家で見たことはある。ただ、それは娯楽には少々、いやかなり値が張る。20万円ほどだ。


「それならVRも送るよ!その代りオープンβには参加させてあげられないけどね。製品版は確実に遊べるように手配するよ。このまま返すと上司に顔向けできないからね」

青天の霹靂だった。



「ついに……」


 震えが止まらない。


「ついに……」


 湧き上がるこの感情、どう抑えればいいのか。いや、抑える必要はあるのか?否!


「ついに我が家にもVRがやってきました!!な、息子よ!」


 父親に奪われました。


「お父さん、静かにしてください。お客様の前ですよ」


 お客様とは勝谷さんだ。俺の家にVR機器の搬入にきてくれた。


 VR機器は結構大きい。箪笥ぐらいの本体とヘッドホン程度のヘッドギア。


 この本体とヘッドギアをつなぐことで仮想空間へとつなぐことができるらしい。詳しいことはよくわからん。これは複数の人間がつなげるようになっているタイプだ。


 その合計金額50万円也。通常のVR機器の2.5倍のお値段!


「4人家族だからヘッドギア4つつけておきますね」


 すげー。どうなってんだ?


「気になさらないでください、あなたの功績に比べればこれぐらいどうってことありませんから」


何?俺そんなにすごいことしたの?


「ゲームの配信は明日の朝8時からです。お楽しみください」


「父さんもやるからな!」


「お父さん、仕事は?」


「有給とった!」


 お父さん、仕事してください。


「お母さん!お母さんもしようよ!」


 妹の春美はるみが母を急かしている。


「そうね、折角だし、みんなでやりましょうか」


 うちの家族は本当に仲がいい。俺も反抗期らしい反抗期は数日だけだった。


「楽しみだね!」


「どんなゲームなんですか?」


「ヘッドギアをつけていただけるとプロモーションビデオが見れますよ」


 そういって勝谷さんが営業スマイルで教えてくれた。


 言われるがまま横になりヘッドギアを装着すると自然と目が閉じられる。

 



「ようこそ!VR空間へ!」


 目の前に現れたのは光の玉、声は女性の声。自分が立っているのは何にもない真っ白の空間。


「ここではあなたの脳から筋肉へ伝わる電気を事前に察知し―――」


 なんだか小難しい話が始まったが、要はVR空間では俺の考えた通りに動くけど、実際には動かないので安心してくださいってことだろ?なんでいちいち難しくするのだろうか。


「明日から配信が行われるメタリックオルガニズムオンラインについて説明しいたします!」


 おー!やっと本命が来た!場面が一瞬で変わる。緑の大地、青い海、険しい山々、そんな映像が流れる。


「メタリックオルガニズム。それは生物でありながら金属、金属でありながら生物。あなたはメタリックオルガニズムになり、この広い世界を冒険することができます!」


 犬耳の人が金属質になっていた。


「プレイヤーは人型、獣人型の2種類のモードに変形可能。それらを駆使して巧みにプレイしてください」


 人型はまさに普通の人。たぶん金属って感じもしないだろう。獣人型は人からいろいろ動物の特徴が表れたタイプだ。ただし、人以外の部分は金属めいている。かなり金属質なのに不思議と生命を感じられるデザインだ。


「なる動物は哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類、両生類、甲殻類、植物など、ありとあらゆる生物になれる可能性を秘めています。なれる生物は個人でバラバラ。初めに何点か質問を行います。そこで大雑把な動物が選ばれます。後はプレイ次第で動物の種類が変化していきます。それぞれに特徴が違うので人にまねされない、まねできないプレイが楽しめます!」


 なるほど、最初は大雑把な種類分けをされて、そこからプレイヤーの行動次第で能力が変化して最初の種類の中で動物も変化するという事か。


「職業は剣士や魔法使い、銃使い、はたまた拳まで攻撃方法はさまざま、貴方の好きな方法で戦ってみてください!また、釣りや、水泳、山登り、薬品化合に料理、刀鍛冶まで様々なアウトドアを楽しめるようにシティエリア、アウトドアエリア、バトルエリアなど様々なエリアをご用意しております」


本当にいろいろなことができるゲームのようだ。


「もちろんクエストやモンスターも充実!様々な楽しみ方をしてください!」


 やばい……楽しそう!




「いかがでしたか?楽しそうでしょ?」


「ええ!是非やりますよ!最近忙しくて行けてない山登りにいくぞ!」


「でも材料費がこっちよりも安い分料理が楽そうね」


 父さん(夏彦なつひこ)は山登り、母さん(千秋ちあき)は料理か。


「お父さん、ユーザーネームどうしましょう」


 本名は入れるのはちょっとまずい。いくらセキュリティがしっかりしていようと自らばら撒いているようなものだ。


「そのまま春、夏、秋、冬でOKだろ。まぁ後は細かく個人で後乗せサクサクでOK」


 要は自分の名前を使っていれば自由にしていいということだ。


「よし!今日は情報収集のため解散!6時にはご飯食べて自由行動!おっけ?」


「OK」

「おk」

「おっけー」


 全員一致。勝谷さんを送り出して各々が情報収集に徹した。


い、いかがでしょうか?罵声でもいいので感想などいただけたら幸いです。


追記

改行を覚えました。

VR機器の値段変更しました。

2013/03/31

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