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第44話 訪問!貴方の小学校



タイトル通り、学校に行く話です。

今回と次回で分割して、小学校時代の話をちらほらと。

そして最後は皆でワイワイやって帰省編を終わりたいと思います。


よろしくお願いいたします!!

 

 

「へぇー、ここがミヤミヤ達がの通ってた学校か〜」


「はいですの。

ここは駿様が私や静さんと一緒に通われていた小学校ですわ」


果てしなく伸びる青空に太陽が高々と登り燦々と輝いている正午過ぎ。

晴香が額の上で手傘をつくって目の前に広がる光景に声感慨深いようなをあげた。黄色く明るいTシャツにひらりと揺れる白いミニスカートが涼しげな格好が印象的だ。

そんな彼女の隣に綾姫が口元を扇子に隠したままささっと歩み寄ってくる。

少しだけ俯くと身に付けていた紅い着物を手でパタパタと軽く叩いて生地のほつれを直し、再び顔を上げた。


彼女達の目の前に広がるのは二つの建物にグランドが挟まれたとある学校の景色だった。

正門と思われる石柱には学校の名前が彫られており、前方の建物、つまり校舎は三階建てくらいの高さで外観は汚れも目立ちそれなりの古さを感じられる。


曰く駿や綾姫達が幼き頃から通っていた地元の小学校だと言う。

ゴールデンウィークなので学校自体は休みなのだろうが、ちらほらと正門の側から小さな子供達が走っていく光景が見られた。


「割かし小さな学校だな。汐咲にある小学校より一回りくらいは小さいか」


「だな。

俺が通ってた学校も小さかったけど、それより少し狭い感じだなぁ」


「まあ、田舎の学校ですから。街の方に比べたらやはりそうなりますよね」


二人の後ろからは紫、相也、悠一の三人が各々感想を口にしながら続く。

紫は黒い無地のTシャツに少し傷の入ったジーパンとラフな格好、悠一は一番下のボタンが一つ欠けている青い長袖の上着と茶色のズボン、相也はいつも通りの格好だ。


「おいぃ!!

何で俺だけそんな説明!?」


「うるさいですよ相也、耳障りな声で叫ばないで下さい」


「ひどっ!!」


いい加減な説明に不満を訴える相也だが取り付く島も無いと悠一はバッサリ切り捨てる。


「そんな事より、小学校は私がご案内致します。

皆さんの仰る通り然して大きな場所ではありませんから、それ程時間もかからないと思いますわ」


「そんな事!?

綾姫ちゃんまで……」


終いには綾姫の言葉 ─本人には全く悪気は無いだろうが─ でガックリと肩を落としてしまう相也。


「よろしくね、アヤアヤ」


「小学校か……

母校という訳では無いが、何だか懐かしい気分だな」


「確かに、この年になると行く機会はあまり無いですからね」


が、一同は日常茶飯事だと項垂れる彼には全く構う様子は無く。

晴香はニッコリと微笑んで綾姫に挨拶を、紫と悠一は懐かしげに目を細めて辺りを見渡した。



「待たんかぁ!!」


さて、一同が小学校の入口である正門に歩いて入って行こうとしたまさにその時、後ろから大きな声が響いてきたのだ。

綾姫はパッと扇子を閉じると呆れたように薄く目を細めてゆっくりと後ろを振り返る。


「……もう、何ですの怜夜さん。これからせっかく皆さんをご案内しようとしておりましたのに」


「その前に俺の存在もしっかりと確認させんかっ!

案内役には俺も入っているんだぞ」


彼女の言葉通り、一同の後ろから声を張り上げたのは月ノ宮怜夜だった。

紺色のジャンパーに少し傷の入ったジーパンを履きこなし、腕を組んで仁王立ちしている彼は自分も綾姫と同じく先導する立場だと不満気な表情である。


「それだけでは無い、この小学校ももっとしっかりと説明せんかっ」


「?」


はてと首を傾げる綾姫だが怜夜はずんずんと前に出てきて正門前に立つと、一同に自信満々な表情を向けて学校の方へ手を差し出す。


「この小学校は俺と静さんが愛を育んできた幼き頃に通学していた場所だ。故にこの学校には二人の熱い熱い愛の思い出が溢れんばかりに詰まっているのだ。今日はその数え切れない思い出の一部を特別に見せてやろう。とても一日では説明し切れないので、泣く泣く一部の紹介になるがな。

それほどこの小学校が美しく愛らしい静さんの全ての始まりがここにあるのだ。まずは一年生の時からの話を……」


聞いてもいないのにべらべらべらべらと絶え間なく長話を続ける怜夜。彼の口振りからはこの場所での出来事 ─主に、というかほとんど静の事なのだろうが─ を一切の曇りなくはっきりと覚えている事が容易に想像出来る。

正門の前で高らかに話す彼の姿はあまりに目立つ光景であり、辺りを歩いていた人々はそちらに目を合わせないようにとスタスタ歩き去ってしまう。


「……皆さん、まいりましょうか」


「「「………」」」


綾姫は完全に呆れ果てたようで力無く首を振ると、怜夜を置いて正門の中へ歩き出す。

晴香達も何と反応して良いのか分からずに、取り敢えず頷いて彼女について行くのだった。




 




 

第44話 訪問!貴方の小学校

 




 




「わふ……」


月ノ宮屋敷のとある和室。

可愛らしい欠伸が室内に響くと同時に周りにある木々が風にさらわれてサラサラと音を奏でる。


「ふふ、可愛い寝顔ですね」


「うん」


和室には畳の上に正座する静と向かい合って座る駿の姿が、そして先程の欠伸の主である瑠璃が静の膝の上に頭を乗せてすやすやと眠っていたのである。

静は目の前で眠る小さな女の子に優しく愛し気な視線を向けており、駿もそれを微笑ましそうに眺めていた。


「今朝も庭で皆さんと遊んでましたから。きっと遊び疲れたんでしょうね」


「昼飯も沢山食ってたし、腹も膨れたら眠くもなるだろ。食って寝て遊んで、楽しそうで何よりだ」


彼女はクスリと微笑んで優しく瑠璃の頭を撫でると、駿も両手を頭の後ろで組んで可笑しそうに言ってみせた。


時折吹くそよ風は開かれた障子の襖を通り抜け、静や瑠璃の綺麗な髪を靡かせる。

駿も欠伸を一つ、青空の元に広がる屋敷の庭をのんびりと眺める。

ほのぼのとした五月の気候に相応しい何とも平和な光景だ。


「………」


「兄さん?」


ふと、駿は静と瑠璃の二人に物言いたげな視線を向けたので静はきょとんと小首を傾げる。


「いや、何だかさ。

家族みたいだなって、俺達」


「え?」


しかし、彼のその一言で静はボンと湯気が出そうなくらいの勢いで一気に真っ赤になった。

小さな子供と男女が二人。

“家族”とは文字通り、この状況で言えば駿と静が夫婦で瑠璃がその子供を指すだろう事は明白。

恐らく口にして尚無自覚な駿とは対照的に静はあたふたと目線を右へ左へと泳がせた。


「な、ななな何を言ってるんですか!

いきなり変な事言い出さないで下さい!」


「ん?

別に変な事は無いだろ、ただ俺達が家族みたいだって」


「で、ですから……!!」


駿は何がおかしいのかと相変わらず不思議そうな顔をするが、静は真っ赤な表情でふるふると首を振る。


「それは私と兄さんが……その、け、結婚しているという事に……」


「うん、素晴らしい設定だ。本当にそうなれたら良いのにな……」


「あぅ……」


全く動じず、寧ろ誇らし気に頷く駿にますます頬を赤らめて彼女は俯いてしまう。今日もシスコンはいつも以上に絶好調のようで、今にも『結婚しよう』等と言い出しても何ら不思議は無い。


「静、結婚しよう!」


「本当に言わないで下さい!!兄さんのばか!」


案の定静の両手を包むように手を取り、何の前触れも無くいきなりプロポーズをしていた。冗談なのか本気なのか、ともかく静はパッと手を離して極端なシスコン発言を注意した。その実、内心はかなり動揺しているだろうが。


駿は残念無念と大袈裟に気落ちする素振り見せた後、何とはなしに視線を庭に向ける。


「うーむ、良い案だと思ったんだが……それならずっと一緒にいられるんだけどなぁ」


「………」


外に広がる青空を眺めたままどこか寂しげに、ポツリと呟く彼に静もスッと目を細めて物寂しそうに再び俯いてしまう。


二人は兄妹。

兄であり妹であり、身内なのである。いかにお互いの事を想い合っていても、いつかは二人は離ればなれになってしまう。

駿も静もいずれ恋人が出来て、結婚して、家庭を持って、子供が出来て。それぞれの道を進んでいく事になる。

それは誰しも必ず訪れる未来であり、残された時間はそれほど長くは無いのかも知れない。



「「…………」」


和室は再び静寂に包まれた。

庭の木々から木漏れ日が射し込み、五月の爽やかな風が室内を通り抜け二人の髪をさらう。柔らかな陽気は心地良く、ふわりと鼻孔をくすぐる名も無き花の香りがまた微睡みを誘う。


「そ、それにしても兄さん、皆さんと一緒に学校に行かなくて良かったんですか?」


「遠慮しとく。さんざんっぱらからかわれる事山の如しだからな」

静が思い出したように ─というよりわざと話題を変える為にだろうが─ まだ赤らんだ表情のままそう尋ねると駿は嫌そうに眉を吊り上げて首を軽く振った。

その反応を見た彼女も『そうかも知れませんね』とクスリと微笑む。


「ったく、人の母校なんて見て何が楽しいんだかな」


付け加えるように呟きながら、彼は静の膝の上でそっと首を傾けて縁側の向こうに広がる青空に目を向けるのだった。

 


 


「ここは低学年の校舎ですの。私達が一年生から三年生までお世話になった場所ですわ」


その月ノ宮屋敷から山道を下った下町にあるとある小学校。周りには住宅街が広がる中央に位置するその小さな学校はこの町に住む子供達の大切な学舎(まなびや)である。

そこの一角にある校舎の入口に立つ綾姫や晴香達。

綾姫は凛と背筋を伸ばした美しい姿勢のままサッと手を向けると簡単に説明してみせた。


「なるほど、右側と左側で校舎が低学年と高学年に分かれているんですね」


「はい、その通りですわ」


彼女の言葉に悠一は腕を組みながら軽く頷く。

彼の言う通り、綾姫が手を向けた校舎からグランドを挟んで反対側にはもう一つ校舎があった。

彼等の目の前にある校舎が低学年用の校舎ならばもう一つの校舎は高学年用の校舎ではないかという考えは当たりのようだ。


「つまり、ここはミヤミヤの小さい頃の思い出の場所なんだね」


「何か恥ずかしい過去とかねーのかな?もしくは弱味とか」


「もう、しのっち意地悪だな〜」


晴香と相也も興味深そうに二階建ての古びた校舎をまじまじと見つめる。


「説明が足らんぞ綾姫。

ここは俺と静さんが互いの愛を意識し語らい、そして……」


「以下略、だな」


「略すなっ!!」


再び前に出しゃばり高らかに話し出そうとする怜夜だったが、すかさず隣にいた紫がバッサリと切り捨てる。おかげで本来ならばこの後展開されるであっただろう怜夜の馬鹿話は未然に防がれた。


「紫さん、ナイスですの」


「うん、段々コツが掴めてきたな」


扇子を畳んで安堵するように言う綾姫に紫はクスリと微笑んで人差し指を口元に当ててみせる。

勝手に終わるなと喚く彼を置いて、一同はガラス窓の付いた入口の扉から校舎の中に入っていった。



間もなく彼女達の前には校舎の玄関口である下駄箱の棚が姿を現す。


「下駄箱ですわ。

右から一年生、二年生、三年生の棚となってましてよ」


「違うな。

ここはただの下駄箱と片付けてもらっては困る。ここでは幼き日の静さんとの出会いや通学のメモリーが」


「あぁ、もう!

怜夜さんは毎回毎回口を挟まないで下さい!!

ここは貴方だけの下駄箱ではありませんの」


三度不満の声を上げた彼に綾姫はとうとう我慢の限界とばかりにピシャリと言い放つ。しかし彼の言動を注意するのかと思いきや。


「それに、この学校は私と駿様の思い出が沢山ありましてよ!うら若き二人の想いがいっぱいありますの!」


扇子をビシッと怜夜に突き付け彼女まで似たような事を宣い始めた。


「まだ桜が咲き始める前の季節、私と駿様は出会いを果たし互いに惹かれ合いましたわ。私達は運命の糸に操られているかのようにここで廻り合い、将来を交わしたのですの!」


「何を言うかっ、運命とは俺と静さんにこそ相応しい言葉だ。静さんは俺の運命の女性だからな」


「ええ、駿様だって私の唯一運命の殿方ですもの。

もっと駿様に相応しい女性になれるように努力いたしまして、ゆくゆくは私も駿様のお側に立てるようなお嫁さんに……

ああん、もう何を言わせますの!!」


真っ赤になった頬を両手で包み勝手に恥ずかしがる綾姫とやはり勝手に熱くなり盛り上がっている怜夜。

そんな、中々に残念な二人の様子を眺めていた晴香達は……


(((五十歩百歩だ……)))


内心で呆れたように声を揃えていた。




さて、綾姫と怜夜の妄想タイムもそこそこに一行は下駄箱から一階の廊下に入ってゆく。そしてすぐ側にあった教室の


「ここが一年生の教室ですの。私や駿様、静さんが学んだ教室でしてよ」


「貴様、俺という存在を抹消する気か」


「はいはい、ついでに怜夜さんもですの」


「ついでって言うなっ」


綾姫が手を向けた教室は広さにして汐咲学園より約一回り程小さなものであった。

机が凡そ30席あまりが綺麗とは言えないまでも列を成して並んでいる。黒板には授業の消し忘れなのかいくつかの平仮名の書き順が記されており、反対側の壁には生徒の作品だろう習字の書かれた半紙がいくつも貼られていた。

教室の扉に掛かっていた木製の掛け札には『一年生』と彫られている。


「え?

もしかして、一年生の教室ってここだけなの?」


「ああ。

先も言ったがここは田舎で小さな町だからな。町にある学校もかなり小さいのさ。この小学校が1学年につき1クラスしか無い」


掛け札を見て少し驚いたように口元へ手を当てる晴香だが、怜夜曰くこの学校は各学年に1クラスというかなりの小規模らしい。


「ですわね。

ですから全校生徒合わせても200名おりませんもの」


「200名、大きな学校ならば1学年程で足りてしまいますね。今の時代だと私立は特に多いかと」


「まぁ、都会の学校はそんなに多くいらっしゃるんですの」


考えるように呟く悠一に綾姫は驚いたように目を丸くする。

1学年200名だと仮定すると6学年で1200名。この学校6つ分の程の数になるという事になる。

彼女もこの学校が小さい事は分かっていたようだが、それでもやはり都会の学校の大きさを聞くと驚いたらしい。


彼女達は学校の事についてあれこれと口を交わしながら教室に入っていく。


「あ、ここが駿様のお席ですわ」


「窓際の後ろか。

今の席と同じだな」


教室の後ろの方に来ると綾姫が窓際の一角にある机に手を向けた。

偶然か必然か、そこは汐咲学園の一年A組の席とほとんど同じような場所だったのである。

紫はクスリと口元を緩めるとその席から黒板の方に目を向けた。


「この席だと、彼はいつもぐっすり寝ていられそうだな」


「ふふ、確かに。

ミヤミヤは授業中よく寝てるもんね」


「お前だっていつも寝てるじゃん」


「うぅ……」


紫の言葉に楽しそうに同意する晴香だが相也にあっさりとツッコまれてすぐに俯いてしまう。

いつもの相也らしからぬ鋭い指摘である。


「それで駿様の隣が私の……」


「黒板の近く、廊下側の席が静さんの席だ。俺の席は反対側で授業中は遠目から彼女を眺めるのが唯一の楽しみで……」


「ああん、もう!怜夜さん、

一々邪魔しないで下さいまし!」


「それはこちらのセリフだっ!!」


教室の説明を巡りまたも言い争いになってしまう綾姫と怜夜。

紫や悠一達は顔を見合せると肩を竦めつつ、各々教室の風景を見回し始めた。


小さなその四角い空間に幾分かズレながら並んでいる机の様や黒板に残されたチョークの文字、気づけば僅かに開いていた窓からは心地良い隙間風が入り込んできている。

まるで、つい先程まで授業を行っていたかのように感じさせるのである。耳を澄ませば子供達の笑い声が聞こえてきそうだ。


田舎の小さな学校だからこそか、教室を包む寂しくも和やかな雰囲気は彼女達に何処か懐かしい感覚をもたらす。


「おやおや、随分賑やかだと思ったら……君達でしたか。綾姫ちゃん、怜夜くん」


「「?」」

暫くそうしていると、穏やかな男性の声と共にガラリと教室の扉が開かれた。


「あ、先生ですの!

ご無沙汰しておりますわ」


「これはこれは先生、お久しぶりです」


扉から顔を出した人物を見た綾姫は嬉しそうに両手を併せてみせる。先程まで騒がしかった怜夜も真面目な表情になって一礼をしてみせた。


「二人ともお久しぶりですね。お元気でしたか?」


入って来たのは初老の男性。

整えられた白髪に細い糸目、口元には白い口髭がたくわえられている。

少しばかり曲がった腰でゆったりと、人の良さそうな顔でにこやかに微笑みながら教壇を通って歩いて来た。


「先生?」


「この学校の教職員の方でしょうか」


その老人は勿論、綾姫達の反応に晴香や悠一ははてと小首を傾げた。


「おや?

こちらは初めて見るお客様ですね。綾姫ちゃん達のお友達かな?」


老人は四人に気付くとニコニコと優しげなその表情を向けてくれる。


「あ、こんにちは。

私は天城晴香です」


「神代紫です。

騒ぎ立ててしまって申し訳ありません」


「相良悠一と言います、よろしくお願いいたします」


「篠田相也っす。よろしくっす」


相手の素性は詳しくは分からないが取り敢えず礼儀として丁寧に頭を下げて挨拶をする一同。

老人は釣られるようにゆったりと礼をすると自身に手を向けてみせる。


「私は筑紫(つくし)

この小学校の教職員をやっている者です。よろしくお願いしますね」


やはり彼はこの学校の先生だったようだ。その穏やかで優しげな物腰は自然と周りの人間まで落ち着かせてしまうほどだ。


「筑紫先生は私達や駿様がこの小学校で六年間、ずっとお世話になってきたお方ですの」


彼の横に並ぶと綾姫は何か懐かしむように口元を緩めてそう言うのであった。






 

 

白雪姐さんの後書き部屋(Last3)


白雪

「はい、こんにちは〜

今回は灘様からリクエストを承りまして、セーラー服で登場してみましたわ♪」←汐咲学園のセーラーブラウスと超ミニスカート


相也

「ノォォォォ!!

もう死んでも良いよ俺!!」


悠一

「やれやれ……」


駿

「だあぁ!!

スカートの丈が短過ぎますから!見えちゃいますって、下着とか色々!!」


白雪

「まあ、駿様ったら///

私の姿をご自分で独占したいだなんて、なんて大胆な変態(ひと)なんでしょう」


駿

「言って無いっ、つーかその読み方止めて!!」


相也

「み、見えた……!!

今、天国(パラダイス)が見えた!!色はし……」


駿

「何覗いてんだテメーはっ!!」


相也

「ぐふっ……!!

悔いは……無い。最高の楽園を目に焼き付けられたんだから……な」


悠一

「逝っちゃいましたね」


白雪

「では、先に進みますわね♪」


駿

「流石……一切動じて無いよ」


白雪

「後書き部屋も残すところ後、三回という事で。

今回と次回は引き続きメッセージ紹介を致しますわ」


悠一

「では、最終回は一体何をやるんですか?」


白雪

「フフ……それはまだ秘密ですわ♪」


駿

(どうせ作者が何も考えて無いだけだろうけど……)


白雪

「では、1学年のお二人からメッセージを頂いております故、ご紹介したいと思いますわ」




柊奈

『静ちゃん、先輩の皆さん(月ノ宮先輩以外)、帰省編お疲れ様です。

長かった帰省編ももう終わりという事で、また静ちゃんや皆さんにお会い出来るのを楽しみにしてます。

あ、先輩(月ノ宮)は別にどうでも良いですが。

お身体に気を付けて、また連休明けに学校で。

それでは。

P.S. 先輩へ。何かお土産お願いします』



駿

「あ、相変わらず可愛くねぇ……」


相也

「何だよ何だよ、お前も嫌われたもんだな」←ニヤニヤ


悠一

「クスッ、僕はとても可愛らしいメッセージだと思いますけれど」


白雪

「まぁ、駿様ったら隅におけませんわ。クーデレ少女ですわね

では、次の方に参りましょうか」



『え、あの、もう始まってるんですよね?

あ、すみません!

静ちゃん、月ノ宮先輩、天城先輩、神代先輩、相良先輩、篠田先輩、帰省編お疲れ様です。

汐咲市はいつもと同じく平和な日々が続いてます。皆さんが居なくてちょっと寂しいですけど。

でも、もうすぐ静ちゃんや先輩達と会えると思うと今から楽しみです。残り少ないゴールデンウィークかとは思いますが、頑張って下さいね』



駿

「し、東雲さん……!!

何て健気で礼儀正しいメッセージなんだ……

誰かさんの無礼なメッセージとは大違いだな」


柊奈

「誰かさんって?」


駿

「そりゃ勿論お前……って、何でお前が居るんだよ!?」


柊奈

「先輩、ここは後書きですから」


駿

「いや、そんなメタ発言しなくていいから。

つーか直接出てきたらメッセージの意味無いだろ!?」


柊奈

「あ、相良先輩、篠田先輩。お久しぶりです」


駿

「無視かよ!!」


悠一

「ええ、ご無沙汰しております九条さん」


相也

「お、ヒナちゃん久しぶりー!」


白雪

「あらあら、貴女が噂のクーデレ少女ですね?」


柊奈

「く、クーデレ?」


白雪

(わたくし)、駿様のお世話役を仰せつかっていました白雪と申します。

まぁ、実質姉のようなものですわね。愚弟がいつもお世話になっていますわ」


柊奈

「いえいえ、こちらこそ。私は九条柊奈です。

先輩は変な人ですが、静ちゃんとも友達になれましたし……」


駿

「おーい、本人の目の前で愚弟とか変な人とか酷く無いですか。

しかも全くフォローになって無いし」


白雪

「では、今回の後書きはこの辺で」


駿

「あの、ちょっと聞いてます?」


柊奈

「じゃあ、私もそろそろ帰りますね」


駿

(オーケー、もう俺は誰にも見えていない訳ね……)


悠一

「次回も学校の話のようですね」


相也

「何か先生みたいな人も出てきたし、駿の過去も少し見えてきそうだな〜」


白雪

「何だったら今から私が」


駿

「いや、止めて下さいよ!?

というかスカート短過ぎますって!!///」


白雪

「あらあら、本当にウブですわね♪」←ミニスカートをヒラヒラ


相也

「み、見えた……!!

チラリと見えた!!

神様ありがとう!今日は最高の日だ!!」


悠一

「相也、鼻血鼻血」


相也

「ふっ、鼻血は男の勲章さ」


駿

「だあぁ、もう今日はおしまいだ!キリが無い。

行きますよ白雪さん!」


白雪

「まぁ駿様ったら///

強引に連れ出して、人気の無い所に二人きりにするおつもりですか///」


駿

「違うわっ!取り敢えず着替えて下さい!!」



それでは本日はこの辺で。

次回もよろしくお願いいたします!!

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